放送禁止用語にモザイク必須写真…バンドものに多い“難着(なんぎ)Tシャツ”。あなたは人前で着られるか?

愛するバンドを応援する気持ちから、物販で購入してきた“バンドTシャツ”。パンクやオルタナ好きならわかるであろう…そうしたTシャツの多くが人前で着るにはむいていないことを。

パンクやオルタナ好きな人が、家に多数抱える
“難着(なんぎ)”なTシャツ

好きなバンドのライブを観にいったら、物販で必ず何かを買うことにしている。
それが、バンドを応援するうえでのマナーだと心得ているからだ。
最近の物販には、趣向を凝らした様々なアイテムが並ぶが、王道はやっぱりTシャツ。
僕が買うのも、8割方はバンドTシャツである。

バンドTシャツはライブ会場だけでなく、定期的にチェックしているロック系のウェブショップなどでもよく買う。
だから僕の家には、洋楽・邦楽問わずバンドTシャツが溢れている。

だが残念なことに、買ったはいいが普段着としてはなかなか着にくいTシャツも多い。


僕が好きなハードなパンク系やオルタナ系バンドのバンドTの中には、真っ当な大人の生活にはなじみにくいデザインのものが多いからだ。
歳を取るごとに、そんな“難着(なんぎ)Tシャツ”が増えている気もする。

そこで僕のバンドTシャツコレクションの中から、今は袖を通す機会の少なくなったものを抽出し、20枚をお見せしたいと思う。
一体なんのために? と思うなかれ。
こういう誰得記事を量産して生きていくのもまた人生。

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ライブ会場では隣の人とかぶることさえあるバンドTシャツだが……

いずれも大好きなアーティストのものだから、できれば着たいのだけど着られず、かといって捨てるに忍びなく、タンスの肥やしになっているものばかりだからシワクチャだ。


この手の洋服紹介記事では、ちゃんとスティームアイロンをかけてから写真を撮るものだが、引き出しの奥に突っ込んだままになっていたリアルな状況を感じてほしいので、今回はその作業を省いた。

では、行ってみましょう。

レベル1
「まあ、ちょっと着にくいかな」クラスのTシャツたち

まずは小手調べ。
デザイン的にはおかしくないので、実はそこそこ普通に着ているTシャツをご紹介しよう。
他人の視線は気になるけど、そこは気の持ちようなのだ。

「THE STALIN」のロゴTシャツ

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遠藤ミチロウが率いたパンクバンド、ザ・スターリンは今も右に出るものがいないほどの、スキャンダラスなステージングが語り継がれる伝説のバンド。

僕と同様に本当のファンだった人は「お、いいの着てるね」と思うだろうが、スキャンダル部分のみを中途半端に知っている人からは、少し変な目で見られる気がする。


あと、バンドのことは知らなくてもヨシフ・スターリンには詳しい共産主義者の前でも着にくい。

戸川純」の睨みTシャツ

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顔の写真やリアルイラストが大きくプリントされたTシャツは、意外と人目を引くのでちょっと着にくい。
ましてやこの戸川純の、三白眼で恨めしそうに振り返る表情は他人をギョッとさせるパワーがある。
僕は1980年代からずっと戸川純ファンで、今もよくライブに行くのだが、テレビで活躍していた頃しか知らない人に「“JUN TOGAWA”って、あの戸川純? いま何やってるの?」と聞かれると、説明するのが面倒くさかったりもする。

「エルヴィス・コステロ」のイケメンTシャツ

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1970年代の若きエルヴィス・コステロを写したかっこいい写真だし、デザインもオシャレなのになぜ着にくいの?と思われるかもしれないが、やっぱり顔アップのフォトTは難しい。
ましてやこのコステロはイケメンすぎて、妙なアイドル視をしているファンのように思われるのが嫌だ。

僕はコステロの音楽は好きでよく聴くけど、そういうんじゃないんだよな~と思ってしまう。
じゃあなんで買った?と言われればそれまでだが。

「シャム69」のシックスナインTシャツ

放送禁止用語にモザイク必須写真…バンドものに多い“難着(なんぎ)Tシャツ”。あなたは人前で着られるか?

ロンドンパンク勢の中で、僕がもっとも敬愛するシャム69(シックスティナイン)の、代表的なロゴがプリントされたTシャツ。
同好の士には「なんの問題が?」と思えるだろうが、パンクのパの字も知らない人の前で着るのはちょっと注意が必要。
「えーっと……。シャム、シックスナイン!?」と誤読する人が多いから。


ちなみにこの名は、バンドの中有心人物であるジミー・パーシーが見かけた、地元のサッカー場の壁に書かれた落書きに由来している。

「ザ・ルースターズ」のファックTシャツ

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福岡出身の日本の偉大なロックバンド、ザ・ルースターズが、ボーカルの大江慎也を含むオリジナルメンバーで復活を遂げた2004年にリリースしたTシャツ。
カレッジ風デザインのシンプルなレタードTシャツだし、文章も特に問題ないけど、やっぱり目立つ位置に“FUCK”の文字があると着にくいよね~という当たり前な話だ。
この場合のFUCKは単なる強調語で、アメリカ人なんかは砕けた会話で普通に使うけど、文字にされるとどうしても気になってしまう。

レベル2
デザインのインパクトが強すぎて、
着る場所がかなり限られるTシャツたち


反社会的だったり卑猥だったりするわけではないけど、デザインのクセが強すぎて、着ることの難しいTシャツも多い。
このクラスになると、僕も着るのは年に数回程度だ。

忌野清志郎」のド派手Tシャツ

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病に倒れた忌野清志郎が一時的な寛解状態になり、“完全復活祭”と銘打っておこなった2008年2月の武道館公演で販売されたTシャツ。


RCサクセション時代から大の清志郎ファンである僕は、興奮のあまり、後に紹介するもう1枚と合わせて2枚のTシャツを購入したのだが、デザインが……。
だって、紫のベースに水色の清志郎の上半身、そして色とりどりのでっかい星マークって、誰がこんなデザインを考えた?

清志郎の誕生日である4月2日や命日の5月2日には、家の中でこっそり着るようにしている。

「コックニー・リジェクツ」のド派手Tシャツ

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ロンドンの初期パンクから、パンクのサブジャンルである“Oi!”へ橋渡しをした重鎮バンドが来日した際に販売されたTシャツ。

フロントマンであるジェフ“スティンキー”ターナーが、イギリス流の侮辱サインである裏ピースで顔をしかめる写真はそれだけでも強烈なのに、紫のボディ上に色とりどりでコラージュされているから、ヤバさが増強されている。
1978年に結成し、一時は活動休止していたものの1999年から現在までコンスタントに活動を続けるコックニー・リジェクツ。
今年の2月の来日公演は都合が悪くて行けなかったが、きっとまた来るだろうから、そのときのライブでは心して着ようと思っている。

「忌野清志郎&仲井戸麗市」の完全復活Tシャツ

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前述の2008年忌野清志郎復活祭で販売されたフォトTシャツ。

忌野清志郎と盟友であるギタリスト・仲井戸麗市の写真がプリントされている。
いい写真だし、普通に着たいんだけど「完全復活祭」の漢字が気になってしまって。
漢字がプリントされていると、一気にお土産Tシャツっぽい雰囲気になるのだ。
せめて漢字はバックプリントにしてくれたら良かったのに。

「トータス」のホームレスTシャツ

放送禁止用語にモザイク必須写真…バンドものに多い“難着(なんぎ)Tシャツ”。あなたは人前で着られるか?

“シカゴ音響派”とも呼ばれるシカゴのポストロックシーンを牽引する、1990年結成のバンド、トータス。
確か10年ほど前の来日公演の際に買ったTシャツだ。
同じくシカゴ音響派を代表するバンド、ザ・シー・アンド・ケイクスのフロントマンでアメコミ作家でもある、アーチャー・プレウィットが描いた人物のイラストがプリントされている。
ボサボサの長髪で顔を隠し、腰掛けるようなポーズで宙に浮き、タプついた腹の上半身は裸、そしてハエにたかられているホームレスのような人物で、なかなか際どい絵柄なのだ。

「THE CLASH」の団結Tシャツ

放送禁止用語にモザイク必須写真…バンドものに多い“難着(なんぎ)Tシャツ”。あなたは人前で着られるか?

セックス・ピストルズ、ダムドと並び称される、初期ロンドンパンクの代表格THE CLASH。

最初で最後となった1982年の来日公演をモチーフにしたこのTシャツは、何年か前に通販サイトで見つけて衝動買いしたもの。
ピンクのボディといい、「団結」の文字といい、鉢巻を巻いたジョー・ストラマーの表情といい、なかなか暑苦しいデザインで、普通に着ることはとてもできない。
ちなみに、そのライブでジョー・ストラマーは日本のファンへのサービスのつもりで「団結」の鉢巻を巻いていたが、ドラマーのトッパー・ヒードンが巻いていた鉢巻の文字は「神風」。
はからずも右翼と左翼のスローガンがステージ上で同居してしまったという、微笑ましいエピソードが残されている。

レベル3
社会に順応して生きるためには、
差し控えたほうがいいTシャツたち

こんな僕も20代、30代の頃は当たり前、40代になってからもしばらくは、どんなに変なTシャツでも平気で着て外出していた。
しかしアラフィフと呼ばれる年になった頃から、徐々にこのこれらのTシャツを着る機会は減っていったような気がする。

「ブラー」の山瀬まみTシャツ

放送禁止用語にモザイク必須写真…バンドものに多い“難着(なんぎ)Tシャツ”。あなたは人前で着られるか?

oasisと並び1990年代のブリットポップムーブメントを支えたバンド、blurが1991年に発表したファーストアルバム『leisure』。

僕の愛聴盤なのだが、そのジャケ写がプリントされたTシャツは、まあ着にくいこと着にくいこと。
リリース当時、音楽好きの間では「ブラーの山瀬まみアルバム」と呼んでいたものだ。
この強烈な写真はアルバムのために撮り下ろされたものではなく、1956年に撮影された商業写真をトリミングしたもの。
ボーカルのデーモン・アルバーンがストックフォトの中から見つけて「美しい」と称賛し、そのままデビューアルバムのジャケットにしたのだという。
そんな蘊蓄はどうでもよくなるくらい、着にくいんだって。

「リチャード・ヘル&ヴォイドイズ」の変質者Tシャツ

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リチャード・ヘルがテレヴィジョンを脱退し、ジョニー・サンダースがニューヨーク・ドールズを抜けて結成したハートブレイカーズのメンバーとなったのち、1976年に結成したリチャード・ヘル&ヴォイドイズのファーストアルバム『ブランク・ジェネレーション』(1977年)のジャケット写真をあしらったTシャツ。

って、このカタカナの羅列は、パンクに興味のない人にとっては、きっと読むのも苦痛だろうな。
でもパンク好きにとって『ブランク・ジェネレーション』は超重要なアルバムなので、この写真もなじみ深いはず。
数年前に普通に着ていたら、当時小学生だった娘から「パパのTシャツの人、なんで裸を見せてるの?」と聞かれてドキッ。
確かに言われてみたら、通学路に潜む変質者に見える。
それ以来、着ないようにしています。

「ザ・レジデンツ」の変態Tシャツ

放送禁止用語にモザイク必須写真…バンドものに多い“難着(なんぎ)Tシャツ”。あなたは人前で着られるか?

1969年から活動する、アメリカの前衛音楽・実験音楽集団のザ・レジデンツ。
活動歴は50年以上におよび、スタジオアルバムだけでも37作を発表しているのに、その正体はいまだベールに包まれているバンドだ。

4~5人いるらしいメンバーは全員匿名で、ライブのステージではタキシードを着て“アイボールヘルメット”というマスクをすっぽりかぶり、インタビューなどの取材は一切受けない。
もちろん長い活動歴の中では、メンバーではないかと噂された人物やほぼ確定的とされた人もいるが、謎は謎のままにしておこうとメディアも深く詮索はしない。
そんなレジデンツのTシャツだが、本当はタキシードのはずの体が艶かしい女性に変換されている。
目玉親父みたいなマスクと相まってかなり不穏な雰囲気を醸し出すこのTシャツ、何年か前に妻から着用禁止令が出た。

「the 原爆オナニーズ」のバンド名表記Tシャツ

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1982年からコンスタントに活動を続ける日本の現役パンクバンド、原爆オナニーズのTシャツ。

バンド名が漢字とカタカナで思い切りプリントされたTシャツも持っていたので、そっちを紹介しようと探したのだが見つからなかった。
思い起こせば、娘がまだ小学校に入学する前、覚えたてのひらがなやカタカナが目に入ると、片っ端から声に出して読むようになったので、思い切って捨てたような気がする。
もったいないことをした。どっちみち着ないけど。

レベル4
人を威嚇してしまう攻撃的なデザインなので、
着るのを慎みたいTシャツたち

このクラスともなるともはや、ランクインするのはハードコアパンクバンドのTシャツばかりになる。
“女の子にモテない”という保証つきのスカル系Tシャツも、ちょっと前までは進んで着ていたんだけど、今はやっぱり相当に着にくい。
別に今さらモテたいわけじゃないのだが。

「ギズム」の骸骨キリストTシャツ

放送禁止用語にモザイク必須写真…バンドものに多い“難着(なんぎ)Tシャツ”。あなたは人前で着られるか?

1981年に結成された横山SAKEVI率いるギズムは、“anarchy & violence”を活動スローガンに掲げるだけあって、怖いバンドが勢揃いしていた1980年代のジャパニーズハードコアシーンの中でも、圧倒的な存在だった。

一方でSAKEVI氏はバンドにまつわるすべてのアートワークをみずから手がけるアーティストで、Tシャツをはじめとするプロダクツのセンスも抜群。
……だけど、やっぱり怖いのよ。
磔にされた人物が骸骨になった絵柄も、一応ミッション系の学校出身者としてはちょっと気が引けてしまう。

「ポイズン・アイデア」の不気味ドクロTシャツ

放送禁止用語にモザイク必須写真…バンドものに多い“難着(なんぎ)Tシャツ”。あなたは人前で着られるか?

ポイズン・アイデアのTシャツも、不気味なドクロが威圧的な雰囲気。
ボーカルのジェリー・Aとギターの“ピッグ・チャンピオン”ことトム・ロバーツがものすごいデブで、「世界一体重が重いバンド」と呼ばれたポイズン・アイデアは、巨体から繰り出されるメタリックで重厚なサウンドが人気のアメリカンハードコアバンド。

2004年の初来日公演時には、体調を崩したトム・ロバーツは来れなかったけど、狭いライブハウスで観たら、本当に押しつぶされそうな迫力だった。
これは、そのときに買ったTシャツだ。
気に入って長く着ていたのだが、近所の人に怪訝な目で見られたことをきっかけに最近は引退状態。

「ガーゼ」の面を洗えTシャツ

放送禁止用語にモザイク必須写真…バンドものに多い“難着(なんぎ)Tシャツ”。あなたは人前で着られるか?

1981年に結成し、40年以上も変わらぬ激しいサウンドとライブアクトで走り続けた、日本を代表するハードコアバンドのガーゼだが、惜しまれつつも2022年11月に解散してしまった。

これは、代表曲の一つにして1997年発表の5thアルバムのタイトルにもなっている『面(かお)を洗って出直して来い』の文字が背中にプリントされたTシャツだ。
数多いガーゼTシャツの中でも、ファンの間で特に人気が高い一枚。
ライブにはよく着ていったものだが、もうそれもできないと思うと寂しい限りだ。
ライブハウスではいいのだが、日常生活の中で着ていると背中に熱い視線を感じる。
電車内で、背後の席に座っている少年が、小さな声で読み上げる声が聞こえてきた時は居心地が悪かった。
とても大事なTシャツなんだけど。

「ガスタンク」の蛇とドクロTシャツ

放送禁止用語にモザイク必須写真…バンドものに多い“難着(なんぎ)Tシャツ”。あなたは人前で着られるか?

1983年に結成され、アメリカのスラッシュメタルと連動するように、同時期に日本のアンダーグラウンドで盛り上がっていた、メタルコア(ハードコアとヘヴィメタルの融合)シーンを牽引したガスタンク。
これは1985年発表のファーストアルバム『DEAD SONG』のジャケットデザインをそのままプリントしたTシャツである。

当時の“ドクロ系”イラストの中でも特に印象に残る、凶悪なジャケットデザインは、ベーシストのBABYの手によるもの。
いいTシャツだとは思うんだけど、やっぱり着られんな~。

レベル5
もはや門外不出レベル。
着てるだけで振り向かれ、顰蹙を買うTシャツたち

「ナパーム・デス」ナチファックTシャツ

放送禁止用語にモザイク必須写真…バンドものに多い“難着(なんぎ)Tシャツ”。あなたは人前で着られるか?

グラインドコアの始祖として知られるイギリスのナパーム・デスは、オリジナルメンバーはただ一人も残っていないものの、1981年の結成から現在までコンスタントに活動を続けている。
このTシャツは1992年に発表されたシングル『Nazi Punks fuck Off』をモチーフとしたもの。

この曲はカバーで、元歌はアメリカのパンクバンド、デッド・ケネディーズが1981年に発表したアルバム『In God We Trust, Inc.』に収録されていた。
デッド・ケネディーズが歌った“ナチパンクス”とは、ライブで暴れる暴力的なファンのことを指していたが、ナパーム・デスはより政治的に解釈したため、ヒトラーやハーケン・クロイツ(鉤十字)がコラージュされたデザインになっている。
それらを激しく糾弾する内容とはいえ、アドルフ・ヒトラーやハーケン・クロイツ、それに「NAZI」とか「FUCK OFF」という文言が踊るTシャツなんて、今の世の中では危なっかしくて着られやしない。

「GAUZE」の死体Tシャツ

放送禁止用語にモザイク必須写真…バンドものに多い“難着(なんぎ)Tシャツ”。あなたは人前で着られるか?

そして最後は、モザイクをかけなければお見せすることもできない、黒焦げの焼死体写真がプリントされたガーゼのTシャツだ。
これを大っぴらに着られない理由は、書くまでもないでしょう。
あるフリマサイトを見てみたら、まったく同じTシャツを16,500円で出品している人がいた。

説明を見ると「未着ですが年月が経っているので未使用に近い状態での出品になります。(中略)家族に言われての出品なので思い出もあり、本当は売りたくないので高めに設定します。」とのこと。
わかる、わかるよ!

てな感じです。
ちょっと熱が入っちゃって、長く書きすぎました。

今回はわけあってなかなか着られないバンドTシャツを紹介したが、我が家には堂々と着ることのできるバンドTシャツが、この10倍ほどある。
決して広い家ではないのに。
友達から「お前んちはドラえもんのポケットか!?」と突っ込まれても仕方がない。
物を捨てられない自分の性格、それが一番の難儀やなあ……。

写真・文/佐藤誠二朗