「歌手にも失礼」“視聴率過去ワースト紅白”はおばあちゃんたちからも批難轟々! NHKプラスの宣伝に使われた純烈の演出にファンは「新曲をふつうに歌わせてもらえないなんて」〈巣鴨アンケート〉

歴代ワーストの視聴率を記録してしまった『第74回NHK紅白歌合戦』。今回は「ボーダーレス」をテーマに掲げ、7組のK-POPアーティストが出場するなど、視聴者層を広げようという意図を感じる構成だったが、高齢者たちはどう見たのか。

そして、物議を醸した純烈の演出への反応は? “おばあちゃんの原宿”東京の巣鴨でアンケートを行った。

「懐かしい曲は紅白に求めてない」

2023年12月31日に放送された『第74回NHK紅白歌合戦』の視聴率は、ビデオリサーチによると、第1部(19時20分~20時55分)は29.0%、第2部(21時~23時45分)は31.9%(いずれも関東地区平均世帯視聴率)と、両部ともに2部制となった1989年以降で過去最低を更新する結果となってしまった。

視聴率低迷の原因はどこにあったのか。長らく紅白を見てきたお年寄りに話を聞くため、巣鴨を歩く60~70代の女性に話を聞いた。

「国民的歌番組と言いながらも若い世代向けの演者さんばかりで、私たちのような年配にはあまり響かなかったんじゃないでしょうか。伊藤蘭さんのメドレー(『キャンディーズ50周年 紅白SPメドレー』)や、藤井フミヤさんの『TRUE LOVE』が聴けたのはよかったですけど、目新しさはないですよね。その年の私たち世代の流行りにもちゃんと目を向けてたら、60~70代はもっと見たかもしれないですね」(70代女性)

「歌手にも失礼」“視聴率過去ワースト紅白”はおばあちゃんたちからも批難轟々! NHKプラスの宣伝に使われた純烈の演出にファンは「新曲をふつうに歌わせてもらえないなんて」〈巣鴨アンケート〉

(画像1)石川さゆり『石川さゆり50周年大全集~50周年 50曲~』

「懐かしい曲は他の番組でも披露してますから、紅白に求めていません。

今年でいうと坂本冬美さんの『夜桜お七』、石川さゆりさんの『津軽海峡・冬景色』。これをやっておけば年配者は見るだろうってNHKに思われてそうで、歌手にも私たちにも失礼な気がします」(70代女性)

また“余計な”演出への批判も多かった。

昨年で7回目となる三山ひろしが歌唱中に行う、けん玉ギネス記録チャレンジ企画(『どんこ坂~第7回 けん玉世界記録への道~』)を筆頭に、水森かおりの『日向岬~紅白ドミノチャレンジSP~』、そして、特に評判が悪かったのは純烈の『だってめぐり逢えたんだ~NHKプラスver.~』だ。

NHKプラスの宣伝に使われ純烈ファン落胆

「三山ひろしさんは、けん玉の人だから別にいいけど、水森かおりさんや純烈は楽しみにしてたのにイロモノ枠のような扱いで正直残念でした。なんで演歌の新曲は普通に披露させてもらえないんでしょう」(60代女性)

「年配の私たちでも知っている数少ない出場者の純烈のステージが、あまりにもNHKプラスの宣伝すぎて……。どこもかしこもQRコードだらけで目がチカチカしました。

2020年の視聴者参加型の紙吹雪演出や、2021年のマジックハンドでお客さんと握手したりとかはかわいくてよかったんですけどね」(70代女性)

お年寄りからも評判の悪かった純烈の演出はNHKプラスへのQRコードが全身にプリントされたスーツ姿で出演し、歌唱中にもステージのスクリーンや横断幕にQRコードが表示されるなど、過度にNHKプラスへの加入を促すようなものだった。いくら彼らが「NHKプラス紅白親善大使」に任命されていたとしても、これでは視聴者が白けてしまうのは当然だ。

「歌手にも失礼」“視聴率過去ワースト紅白”はおばあちゃんたちからも批難轟々! NHKプラスの宣伝に使われた純烈の演出にファンは「新曲をふつうに歌わせてもらえないなんて」〈巣鴨アンケート〉

純烈『だってめぐり逢えたんだ』

「リーダーの酒井(一圭)さんが司会者との会話で自分たちのことを“まわし者”と言ってましたが、メンバーがあの演出を本心から快く引き受けたのかが気になります。純烈としては6回目の紅白でも、(去年1月1日に加入した)岩永(洋昭)さんは初紅白だったから、あんな世間からウケなさそうな演出じゃなくて、もうちょっと普通に歌わせてあげてもよかったんじゃないかと思っちゃいますね」(60代女性)

ちなみに、QRコードを読み込むと、純烈とJO1のスペシャル画像が見られるという特典もあったのだが、実際にQRコードを読み取った女性は残念そうにこう話す。

「純烈のスペシャル画像が見たくて、彼らのステージ中に一生懸命QRコードを読み込んだんですけど、結局サーバが重たくて何も開けなくて……。それならせめてちゃんとステージを見ておけばよかった」(60代女性)

純烈にとっても純烈ファンにとってもお寒い演出となってしまった今回の紅白ステージ。

NHKは視聴者の期待に応える気持ちとアーティストへのリスペクトの気持ちをもう一度よく思い出してほしい。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班