〈西新宿・タワマン刺殺〉容疑者の父が反論激白40分「息子はストーカーじゃない」「女性が少しでもお金を返してくれたら…」被害女性との出会いはK-POPアイドルの“推し活”だった
〈西新宿・タワマン刺殺〉容疑者の父が反論激白40分「息子はストーカーじゃない」「女性が少しでもお金を返してくれたら…」被害女性との出会いはK-POPアイドルの“推し活”だった

東京都新宿区西新宿の超高層マンションの敷地内で5月8日未明、住人のガールズバー経営者だったAさん(25)が腹や首などをナイフで刺され、後に死亡した事件。殺人未遂の現行犯で逮捕された和久井学容疑者(51)は、2年前にもAさんにストーカー行為を行なったとして逮捕されている。

和久井容疑者は身柄を確保される際に果物ナイフ2本を所持しており、「貸した金を取り返すつもりだった。体を傷だらけにしてやろうと思った」などと供述しているという。和久井容疑者の父親が集英社オンラインの取材に答えた。

「女性にはお金を渡したあと、一方的に冷たくされたみたいで…」

和久井容疑者は川崎市川崎区生まれ。両親と3人、古い木造2階建ての家で暮らしていた。自宅を訪ねると父親は肩を落とし、重い口を開いた。

「事件が起こる前日、学はふだんどおり、昼ごろに『仕事行ってくるわ~』と告げて出ていったよ。

あいつは運送関係の仕事をずっとしてて、会社に属したり委託でやったりしてるからね。だからべつに違和感もなかったし、いつも通り見送ったの。

それで翌日の朝にテレビをつけたら、『和久井学容疑者』なんて映ってるもんだから『まさかな...』と思ってたら、こんなことになっていて…。もちろんショックだし、今朝からイタズラ電話もかかってきてて、電話に出たら『おい、人殺し!』なんて罵声を浴びせられるもんだから参ってる。

もちろん学がやったことは許されることではない、わかっているけどアイツも思うところがあったんじゃないのかなって...」

――被害者のAさんとはどういう経緯で出会った?

「3~4年前くらいかな? ある日突然、『今年の秋に家を出るから』と言い出したから『どうして?』と聞くと『オレ、結婚するから』って言ったんだよ。それで詳しく聞いてみると、どうやら相手の女性に『本気で結婚するなら車とかバイクを処分してお金にしてくれ』と言われたそうで、『なんだそれ?』と聞いていて違和感はあったよね。



だっておかしいでしょ? 結婚するためにお金を持ってこさせるなんて普通じゃないし、学はAさんを一度もウチに連れてきたこともなかったから『やめといたほうがいいよ』と反対したんだ。でも『Aは可愛くて素直でいい子なんだよ』と聞く耳持たずって感じで。

それで学は20年くらい乗っていたホンダの『NSX』って車と『NR』ってオートバイを売って1000万円をつくってAさんに渡したみたいなんだ。でもその年の終わりごろに『Aとケンカした』って言い出したの。どうやら結婚はダメになったらしいんだわ。

その女性にはお金を渡したあと、一方的に冷たくされたみたいで、それで学も『だったらお金を返してくれ』とお願いしたんだけど、まったく相手にされなくて揉めるようになった。

そのうちに警察に通報されて、学は逮捕されたってわけ。でも、そのころには学は『オレは詐欺罪でAを訴える』とも言っていたよ。そうした言い分も、警察はまったく聞いてくれなくて『警察が全然動いてくれない...』と不満をこぼしていた」

中学時代はバスケ、夢はF1レーサー

――お父さんからみた学容疑者はどんな子でした?

「自分が見るかぎり、学は優しくて本当にいい子なんですよ。それこそ自分の影響で、学は昔から車やオートバイが好きでね。子どものころからスポーツカーやF1レースの本とかをよく読んでて、将来の夢もたしかF1レーサーだったと思う。

特別に性格が明るい子ってわけじゃなかったけど、地元の中学校ではバスケットボール部に所属していて、なにか悪いことをするような子じゃなかった。

高校では部活に入らなかったけど、高校3年生のころに免許を取ってからは毎月のように、車好きの友達とドライブに出かけてたし、鈴鹿サーキットにも観戦しに行ってたね。学生時代はとくに彼女がいたとか聞いたことはなかったけど、オートバイ仲間も多かったから女の子の友達がウチに来たこともあるよ。

運送会社に就職してからも日産の『GT-R』って車を買ったり、その後もいろいろ乗りかえてた。学はタバコもギャンブルも酒もやらないけど、車とバイクだけは相当好きだったんだろうね」

――バツイチだと聞いています。

「どこで知り合ったか知らないけど、学は30歳すぎのころに出会った女性と結婚したよ。それが15年くらい前かな。

学に恋人がいたとかそういう話は、これが初めてだったと思う。

ウチの2階に一緒に住んでて、仕事がない日はよく奥さんと一緒にドライブに出かけてたね。でも5年くらい前に出ていかれてな。本人は『いろいろあったから...』と言うだけで詳しいことは話さなかった」

――その後、Aさんと出会った?

「やっぱり寂しさはあったんじゃないかな。ちょうど奥さんと別れてから『推し活』とかいってK-POPにハマりだして、しょっちゅうライブにも行ってたし。そこで出会ったのがAさんで、たしかTWICEってK-POPアイドルのライブだかオフ会だかで仲良くなって、その子が経営するガールズバーに通うようになったって聞いたよ。

そしたら急に『結婚する』と言い出した。貯金もすべてなくなった後にその女性と揉めて『お金がない...』とよく愚痴をこぼすようになったし、車だって、仕事用の軽自動車しかないからドライブにも出かけなくなった。仕事が休みの日も引きこもるようになって少し性格も暗くなったから、『学のヤツ大丈夫かな?』って思ってたらこんなことになってしまって...。

テレビには『ストーカー』って大々的に報じられてるけど、学はお金を返してほしかっただけなんだよ。もちろんやったことは許されることじゃないけど、少しでも(Aさんが)お金を返してくれたらこんなことにはならなかったと思う...」

ふた回り以上年下の女性にハマり、道を踏み外したバツイチの一人息子を父親は終始かばい続けていた。

だが、父親がどうかばおうと自宅前で待ち続け、Aさんをメッタ刺しにした和久井容疑者は断じて“いい人”ではない。警視庁は9日、殺人容疑に切り替えて和久井容疑者を送検した。

※「集英社オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班