「東大生がケツ出してるんじゃねえ」ミス東大神谷明采(24)が受けた誹謗中傷と、心の支えとなった四人姉妹…「私の肩書きに近づいてきた人もいますが…」
「東大生がケツ出してるんじゃねえ」ミス東大神谷明采(24)が受けた誹謗中傷と、心の支えとなった四人姉妹…「私の肩書きに近づいてきた人もいますが…」

ミス東大で現役東大院生の神谷明采さん。3月3日に今秋からパリへ留学することを公表した彼女だが、ミス東大になって友達との関わりの変化に悩まされたという。

いったい何があったのか。それとともに芽生える、家族への想いとは。 〈前後編の後編〉

「ミス東大だから」近づいてくる……“身内”は「家族と一部の友達だけ」

2020年度のミス東大に選ばれた、神谷明采さん(24歳)。自身のことを“炎上系”と呼ぶ彼女だが、ミス東大や港区通いだけでない別の顔も持っている。

それは四姉妹の次女としての顔だ。長女・りささん、三女・ちささん、四女・さささんと仲よさげに旅行や食事をする姿が、SNSに頻繁にあげられている。

神谷さんは「ミス東大になってから、家族のことが“大切”から“超大切”になった」と話す。ミスコン優勝後に、何が起きたのだろうか。

「優勝後に大学の中や外で、私に近づいてくる人がすごく増えました。

学内では友達が増えてうれしかったのですが、急に『一緒に写真撮ってもいい?』と聞かれたり、こっそり写真を撮られたりするうちに、だんだん気づいてきたんです。この子たちは私の“ミス東大”という肩書きと友達になったんだな、と。普通は友達と何でもないときに写真を撮ったり、隠し撮りをしたりしませんよね。

大学の外でも、他のミスの子たちとご飯に行くようになりました。

でも、彼女たちとは本音で話せているわけではありません」(神谷明采さん、以下同)

知り合いが増えると、本音で話せる友達も現れそうなものだが、ミス東大という肩書きから「清楚で賢くて上品だろう」という思い込みで近づいてくる人が多く、なかなか深い仲にならないのだという。

「『本読んでるんでしょ?』『毎日何時間勉強してるの?』と何回も聞かれます。もちろん本を読んだり、勉強もしたりしている日もありますが、疲れて本なんて読めない日もあるし、勉強せずにだらだら家でNetflixを見ている日もあります。

でも、そんな普通の私は、彼らの中で『ミス東大の神谷明采』ではないんです。才色兼備で完璧な人間でないとわかったら、離れていってしまうのではないかと不安に感じてしまい、結果的に増えたのは“一過性の友達”ばかりでした。

もちろん何回もご飯に行く子もいますが、ミス東大になってから知り合った人は、どんなに仲がよくても“身内に近い、外側の人”だと思ってしまいます」

では、どんな人が“身内”なのだろうか。昔からの友人との関係はどうか。

「しばらく接点を持っていなかった中学や高校時代の友人から、急に連絡が来るようになりました。でも決まって『どうせ私のことなんて覚えてないだろうけど』と言われます。私は昔から何も変わっていないのに、悲しいですね。

たしかにミス東大になって、近づいてくる人や知り合いの数は増えたかもしれません。でも、本音で語れるという意味での人間関係は、どんどん狭くなっていきました。

身内だと思っているのは家族と、ごく一部の友達だけ。本当に信じられるのは家族だけですね」

身内でない人間は「打算的に見てしまう」

身内の内側と外側の境界線が強くなり、人を見る目も変わっていったそうだ。

「冷たいように思われるかもしれませんが、身内でない人間と一緒に食事をしていても『この時間は就活に有利になるのかな?』とか頭の片隅で考えてしまいます。効率が悪いと感じると、イラついてしまう。東大生っぽいですよね(笑)。

もちろん、身内に対してはそんなことは考えません。先日、姉や妹たちと雪山を旅行して、4人でバレンタインのチョコを交換しました。こういう家族との時間が一番好きですね」

神谷さんには、港区女子についての発言をめぐる炎上や、グラビアを掲載して「東大生がケツ出してるんじゃねえ」という誹謗中傷を受けた経験がある。この身内との時間が、その助けになってくれたという。

 「何があっても身内は味方だから、炎上も誹謗中傷も怖くありません。むしろ知名度が上がるので、利用できているな、と前向きに考えています。そういう誹謗中傷をする人たちに対しては、『もっと自分の人生に集中しなよ!』としか思わない(笑)。

一方で、家族から少しでも何か言われたら、すごく傷つくでしょうね。もし姉妹の誰かから『あの発言はどうかと思うよ』と言われたらすぐに削除するし、『もう表に出るのやめて』と言われたら、本当にそうします」

神谷さんが身内を“超大切”にすることは、言葉だけでなく行動にも現れている。一型糖尿病を発症した四女・さささんのために、低糖質スイーツの会社を起業したという。

それがきっかけとなって、健康や経営に興味を持ち、2025年9月からはパリのビジネススクール「HEC」に進学予定だ。

──不特定多数の誘惑に負けず、自分にとっての“超大切”に向き合えているのか。神谷さんの話は、私たちに問いかけているように感じた。

取材・文/綾部まと

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