
3月10日、お笑いコンビ・ダウンタウンの浜田雅功が、体調不良により活動休止に入った。相方・松本人志の活動休止から1年以上が経過し、その復帰も含めた動向が注目される中での休養とあって、視聴者からは心配の声が相次いでいる。
現状では難しい松本の早期復帰
浜田といえば、コンビとして3本、単独で5本のレギュラー番組を抱えている、芸能界を代表する司会者だ。
2024年末から身体の不調を訴え、医療機関を受診したところ、医師から当面の静養が望ましいと助言されたと所属する吉本興業から発表されている。
SNSでは「休養中の代役は誰になるのか」といった疑問も見受けられ、唯一無二の存在だからこそ、レギュラー番組の扱いが注目されている。
3月現在、コンビで「水曜日のダウンタウン」(TBSテレビ系)、「ダウンタウンDX」(読売テレビ、日本テレビ系)、「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」(日本テレビ系)の3本。
個人では「プレバト!!」(MBS、TBS系)、「ジャンクSPORTS」(フジテレビ系)、「ハマダ歌謡祭★オオカミ少年」(TBS系)、「浜ちゃんが!」(読売・日テレ系)、「ごぶごぶ」(MBS)の5本を担当している。
一方、相方の松本は2023年12月の週刊誌報道を受けて、翌月から裁判準備を理由に活動を休止。その状況について週刊誌芸能デスクはこう語る。
「松本さん側は2024年11月に訴えを取り下げ、12月には芸能記者・中西正男氏の独占インタビューを受けました。
相方・浜田さんへの想いや記者会見を開かない理由、今後の活動内容について語りましたが、2025年3月上旬時点で、まだ活動再開には至っておりません」
こうした背景から、松本のファンを中心に一部では「早期の復帰待望論」がSNSでは出ている。
今回の浜田の休養に際しても、相方・浜田の「ピンチヒッターとしての復帰」を求める声も一部ではあるが、いまなお「説明責任を果たしていない」と感じる視聴者も少なからずいる。
事実、読売テレビの松田陽三社長は3月4日の会見で、松本の復帰は「視聴者の方に受け入れていただけるかが判断基準」としている。
「松本さんはインタビューの中で、『ダウンタウンチャンネル(仮)』という独自のプラットフォームを復帰先に考えていると明かしています。今回の浜田さんの休業で松本さんの復帰を望む声があるのも分かりますが、なかなか一筋縄ではいかないでしょう」(前出・芸能デスク)
各社報道によると、休養が発表された3月10日時点で、浜田のレギュラー番組は、番組ごとに代役を立てるか、対応を検討中かのいずれかの方針が示されている。
不祥事などではないため、おそらく各番組とも「帰ってくる場所を残す」方向性になると思われるが、MCの不在が視聴者に与える印象は大きい。
なにより長年、芸能界で築き上げてきた「浜ちゃん」という看板が大きいだけに、物足りなさを覚えてしまうこともあるだろう。
代役に求められることと、浜ちゃんにしかない存在感
そんな「浜ちゃん」の代役はどんな人物が務められるだろうか。
バラエティ番組の司会の多くは、2種類に分かれるだろう。
トークまわしでゲストの魅力を引き出すホスト役など、司会者が「メインディッシュ」として位置づけられているタイプ。
もう一つは、番組の企画がしっかりしていて、そこにちりばめる「スパイス」としての役割が求められるタイプだ。
浜田のケースで言えば、ゲストのエピソードを引き出す「ダウンタウンDX」や「ジャンクSPORTS」などは前者で、企画や共演者のセンス・技術に焦点を当てる「水曜日のダウンタウン」や「プレバト!!」は、後者の立ち位置と考えられる。
当然ながら、代役がフィットしやすいのは、後者のスパイス型だ。
その特異な例として「行列のできる(法律)相談所」(日テレ系、今月終了予定)があったと、某番組制作会社の男性は話す。
「長年番組MCを務めてきた島田紳助さんが芸能界引退した後も、複数MCのローテーションで14年弱にわたり継続してきました。
ただ、年を追うごとに形骸化しつつも、一応『弁護士を軸に』という建前があったことから、紳助さんはスパイス的な位置づけだった印象ですね」
代役を立てることで成立する番組もある一方で、浜田の休養によって苦境に立たされるのは、メインディッシュ型の番組だろう。
「とくに『ごぶごぶ』『浜ちゃんが!』といったロケ系の番組は、浜田さんありきで成立している部分が大きいです。
これらの番組の視聴者からは、浜田さんの不在による渇望感が高まり、代役では“物足りなさ”を感じかねない。
一方で『やっぱり浜ちゃんじゃないと』と視聴者が感じることで、復帰後の浜田さんのブランド価値は、これまでより増すことも想像できます」(前出・某番組制作会社)
では、「ダウンタウン」というコンビ名を冠にもつ番組はどうだろうか。
「1年以上にわたり浜田さんが1人で頑張ってきましたが、2人が不在となる期間がいたずらに長くなるとその冠の継続もそろそろ危ういかもしれません。
浜田さんの休養期間にもよると思いますが、ダウンタウン不在でも番組名を変えず続けていくのか、それとも『人志松本の酒のツマミになる話』(フジテレビ系、現在は『酒のツマミになる話』)のように名前を変え継続していくのか。打ち切りという可能性もゼロではないでしょう。
ただ、松本さんが裁判に注力する間もその冠を守り、帰りを待っていた番組です。きっと2人の帰りを待ち続けるのではないかと思います」(前出・某番組制作会社)
長く日本のお笑い界のトップを走り続けてきた2人がテレビから姿を消す。彼らが2人揃って復帰先に選ぶのはテレビ番組か、それとも『ダウンタウンチャンネル(仮)』か。
ダウンタウンにとって最終章の岐路であることは間違いないだろう。
取材・文/集英社オンライン編集部