伝説のギャルサー「アンジェリーク」18年ぶりに大復活、新生メンバーは営業職、トラック運転手、8歳小学生の母親…選考基準は「見た目も中身も“強め”で」
伝説のギャルサー「アンジェリーク」18年ぶりに大復活、新生メンバーは営業職、トラック運転手、8歳小学生の母親…選考基準は「見た目も中身も“強め”で」

かつて渋谷を拠点に活動していた伝説のギャルサー「アンジェリーク」が、約18年ぶりに再結成を果たした。“平成ギャル文化”が再び盛り上がりを見せる今、“新生アンジェリーク”はどのようなメンバーで活動しているのだろうか。

今年2月16日に再始動したばかりの同サークルの定例会「ミーツ」に密着し、彼女たちのリアルな姿を取材した。 

“伝説のギャルサー”が約18年ぶりに再結成

“平成ギャルブーム”が再燃している昨今、テレビやSNSではギャルモデルやギャル系インフルエンサーが注目を集めている。

そんな中、伝説のギャルサー「アンジェリーク」が約18年ぶりに再結成し、話題となっている。2001年に設立された同サークルは、当時のギャル文化に大きな影響を与え、数々のメディアにも出演するなど世間の注目を集める存在だった。

このたび再結成された“新生アンジェリーク”は8名のメンバーで構成されており、年齢は8歳から27歳までと幅広く、結成当時にまだ生まれていなかったギャルも多く参加している。

また、そのうち3名が小学生メンバーで、彼女らは「アンジェリークユース」というアンジェリークの小学生部門として分けられている。

約20年前にアンジェリークの副代表を務めていたきょんさん(30代)は、現在アンジェリークのアドバイザーとして、パラパラの指導や伝統の継承を担っている。再結成に至った経緯について、きょんさんはこう語る。

「昔から仲のいいギャル男に突然、『アンジェリークのことが大好きな“たくちゃん”っていう男の子がいるから、その子のインスタを見てほしい』って言われたんです。実際に見てみたら、たくちゃんはまさに“当時のアンジェリーク”のようなルックスで、パラパラを踊る動画を投稿していて。それを見た瞬間、感動してしまって……。

というのも、私は以前から『今の時代にアンジェリークがあったら、SNSの力でまた人気が出るだろうな』と考えていたんです。それでたくちゃんに直接連絡したところ、『アンジェリークを復活させたい』という強い想いが伝わってきて、『一緒に“新生アンジェリーク”を作ろう』という話になりました。

たくちゃんはその後、アンジェリークの9代目代表に就任しました。

再結成にあたっては、まずアンジェリークの公式インスタグラムを開設し、メンバー募集からスタートしました。開設からわずか1週間でフォロワーは1000人を超え、『メンバーに入りたい』というDMもたくさん届いたんです」(きょんさん)

メンバーになるには「ギャルマインドが高くて、派手な子」

現在、アンジェリークは9代目代表の「たくちゃん」(23・愛知県在住)と、9代目副代表の「きんぐ」(27・静岡県在住)の2人を中心に活動している

代表のたくちゃんは、ふだんは車の販売営業として働いているそうだ。仕事とアンジェリークの活動を両立するのは大変ではないのか──そう尋ねると、本人はこう語った。

「仕事をしながらイベントの準備など、毎日アンジェリークの活動もしているので、平日はだいたい2~3時間しか寝ていません。それでも、俺はアンジェリークが大好きだし、いつか武道館や東京ドームでイベントを開催したいという目標があるから、頑張っています。

見た目に関しては、週6で日サロに通っていますけど、会社から何か言われたことはないですね。むしろ『そのキャラを活かして営業しろ』と応援されています」(たくちゃん)

一方、副代表のきんぐは、ふだんは大型長距離トラックのドライバーとして働いているとのこと。仕事中、メイクはしていないもののそのままの服装やネイルをしているそうだ。

「最初は会社の人に『そのネイルは大丈夫か?』と言われていましたが、今は何も言われないですね。仕事を頑張っているので、注意されなくなりました」(きんぐ)

ちなみに、メンバーの選考は代表のたくちゃん自らが面接を行なっているという。

「面接で重視しているのは、見た目も中身も“強め”かどうかです。ギャルマインドが高くて、派手な子がいいですね。

DMで応募してくれる子はたくさんいますが、やる気があって、アンジェリークをリスペクトしてくれる子じゃないと一緒には活動できません。月1回のミーツに参加することも、大事な加入条件の一つです」(たくちゃん)

渋谷を訪れた外国人観光客からも大人気

アンジェリークは現在、「ミーツ」と呼ばれるギャルサーの定例会を各地で開催している。今年2月16日に始動したばかりの“新生アンジェリーク”だが、取材班は3月30日に開催された2回目のミーツに参加できることとなった。

待ち合わせ場所は、渋谷駅ハチ公口。日曜日の混雑する駅前に到着すると、ひと際目を引くド派手な集団が周囲の視線を一身に集めていた。

行き交う人々が思わず振り返る中、外国人観光客たちは驚きの声を上げながら、次々とアンジェリークのメンバーにカメラを向けていた。その光景は、まるでハチ公像と並ぶ新たな“渋谷の観光名所”のようだった。

先述のとおり、現在のアンジェリークは年齢層の幅広さも特徴だ。最年少メンバーである「ちゃんりず」(8)と「まじゅ」(8)は、今回のミーツ参加に向けてこう話す。

「ミーツのために美容院で髪をセットしてもらって、アンジェリークのネイルチップもつけてきたの」(ちゃんりず)

「ミーツのために、京都からママと一緒に夜行バスで来ました」(まじゅ)

この日、ミーツに参加した小学生メンバー3人とも母親同伴での参加だった。自身の娘が注目を集めることについて、母親たちはどう感じているのだろうか。それぞれ、次のように語ってくれた。

「娘の目標は、アンジェリークのメンバーとして有名になること。

たくさん写真を撮ってもらって、知名度が上がればいいなと思っています」

「SNSやTikTokの影響で、最近は地元を歩いていても声をかけられることが増えました。娘は普段から地元のスーパーに行くときもギャルメイクで、すっぴんのときは『恥ずかしい』って言ってサングラスに帽子をかぶって出かけています。メイクは基本的に娘が自分でやっていますが、撮影など大事な日だけ私が手伝っています」

「私たち世代にとって、アンジェリークは雑誌やテレビでよく見かけた憧れの存在でした。そんなアンジェリークのメンバーに娘がなれて、注目されているのは本当にうれしいです。娘もパラパラが大好きで、家でもいつも踊っています」

今の時代やメンバーに合わせたルールを模索中  

駅前に集合した後、渋谷センター街へと移動した一行。道中でも多くの人々に記念写真を求められ、なかなか前へ進むことができない。それでも、メンバーは快く写真撮影に応じていた。

その後メンバーが向かったのは、渋谷某所にあるダンススタジオ。どうやら、ここでパラパラの練習(以下、パラ練)を行うようだ。

アンジェリークのオリジナルTシャツに着替えた高校生メンバー「ゆいか」(16)は、代表のたくちゃんに「めっちゃ肌黒い! 最高!」と褒められ、「次はもっと焼いてきます!」とうれしそうに返していた。

また、ゆいかと高校生メンバー「かん子」(17)は、自身の将来について次のように語る。

「そのとき自分がやりたいと思うことをしたいし、ずっと好きな自分でいたい」(ゆいか)

「高校卒業したらどうするかまだ決まってないけど、とにかく楽しく生きたい」(かん子)

パラ練では、たくちゃんときんぐが、学生メンバーに丁寧にアドバイスする姿も見られた。

2人はともにパラパラ経験者で、新生アンジェリーク結成前からイベントなどに単独で出演していたという。

最後に、たくちゃんは新生アンジェリークとして大切にしている姿勢について、こう語った。

「『ギャルだからチャラチャラしている』って思われたくないので、一般的な常識やマナーはすごく大事にしています。昔のように『ギャルといえばアンジェリーク』と言われる存在になるためにも、今の時代やメンバーに合わせたルールを模索しているところです」(たくちゃん)

1時間半にわたるパラ練を終えた後、一行は「SHIBUYA109」へ向かい、記念撮影を実施。メンバーたちはそれぞれ、「強めギャルとして有名になりたい」「全盛期のアンジェリークを復活させたい」と、力強く語っていた。彼女たちのこれからの活躍が楽しみだ。

 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班 

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