
「モテたい」「恋愛がもっとうまくいってほしい」というのは男女共通の願いだろう。心理学的にいうと、シンプルな心の仕組みさえ理解すれば、実はどちらもそんなに難しいことではないという。
心理カウンセラー・森川陽介氏の著書『誰かを思いっきり好きになってみたい』から抜粋・再構成し、その具体的な方法を解説する。
心理学的に言える“モテる人の共通点”とは…
あなたは、どんな女性が「モテる人」だと思いますか? 外見がよい人でしょうか? それとも、やさしい人でしょうか?
モテる人の基準は、時代や国、個人の嗜好などによって大きく変わってくると言われています。しかし、心理学的に考えると、モテる人の共通点はたった一つ。
それは、「相手によい感情を与えることができる人」だと考えられています。これは性別に関係なく、共通する事実です。
外見がよい人がモテるのは、一緒にいてドキドキするからかもしれませんし、「こんなに素敵な人が自分のパートナーなんだ!」とうれしい気持ちになるからかもしれません。
やさしい人がモテるのは、自分のすべてを受け入れてもらえるという喜びを感じられるからかもしれませんし、穏やかな気持ちで一緒の時間を過ごせるからかもしれません。
お金持ちの人がモテることもありますね。この場合、一緒にいると見たことのないようなワクワクする世界を体験できるからかもしれませんし、十分なお金があるという安心感が得られるからかもしれません。
ドキドキ、うれしい、ワクワク、安心感、喜び、穏やかな気持ち。
これらはすべて、人間が感じるよい感情です。
恋をしている時、私たちは「相手と一緒にいる時に感じる感情に恋をしている」と言われています。
会うたびにドキドキして、守ってあげたくなったり、守られているような安心感や笑いが絶えないほどの楽しさ、すべて通じ合っているような居心地のよい感覚。
そんな、自分にとってよい感情を感じさせてくれる人に私たちは恋に落ちるのです。
現在、意中の相手がいる場合や、モテたい!と思う時、外見を磨くことも、仕事で成功を収めようとすることも、神様のようにやさしい人になろうとすることも、もちろんすばらしいことです。
しかし、ゴールが果てしなく遠く感じて恋愛することを投げ出したくなる時は、「あなたが相手にどんなよい感情を感じさせてあげたいか?」を考えることが、恋が成就する近道だったりします。
これから「男性がベタ惚れしてしまう女性」「男性が離れられなくなってしまう女性」を目指すなら、やるべきことはたった一つ、よい感情を相手に感じさせてあげることです。
それだけであなたの魅力に人は惹きつけられ、恋愛がうまくいき始めます。
恋愛がうまくいく、たった一つのルール
相手によい感情を与えてあげたいと思う時、理解しておきたい大切な心の仕組みがあります。
それは、「共鳴」と呼ばれる心の作用です。
共鳴とは、簡単に言うと、
「人間は物理的、心理的距離が近い人と同じ感情を共有しやすい」
という心の仕組みを指します。
たとえば、社員全体がやさしくて、人柄のよい上司と明るい雰囲気の同僚がいる会社と、いつもイライラして嫌味っぽい上司と、文句ばかり言っている同僚しかいないギスギスした雰囲気の会社、あなたは、どちらの会社で働きたいと思いますか?
多くの方は、前者と答えるのではないかなと思います。
素敵な上司と同僚に囲まれている会社で、みんなが助け合って、感謝の言葉や笑い声が行き交い、やりがいを感じながら働いている時に感じる感情。
一方で、嫌味っぽい上司と文句ばかりの同僚に囲まれている会社で、怒号と陰口が蔓延して、自分を押し殺しながら、怒られないように働いている時に感じる感情。
仕事の条件は変わらなくても、一緒に働く人が醸し出す雰囲気に、自分の感情が大きな影響を受けることを、私たちは本能的に知っています。
周りの人がよい感情を感じていると、自分も自然とよい感情を感じて、周りの人が悪い感情を感じていると、知らぬ間に自分も嫌な気分になっていく。
これが共鳴のメカニズムです。
すごくシンプルな心理原則ですが、この仕組みが理解できると、あなたが大好きな人によい感情を感じさせてあげる方法がわかってきます。それは、あなたがたくさんよい感情を感じて、表現するということです。
「うれしい」「楽しい」「幸せ」「安心する」、そのような感情を感じた時、素直に表現するだけで、人は魅力的になっていくのです。
一方で、いつもよい感情を保ち続けることがむずかしいと感じることもあると思います。
なぜならば、人は恋をすると、「彼から愛されていないような感覚」になって不安になり、「自分のダメな部分にばかり目が向いて」自信を失ってしまうことがあるからです。
恋愛がうまくいっていない時、ほとんどのケースはそのようなネガティブな感情が共鳴して、お互いにすれ違っている状態だったりします。
「ありがとう」の言葉が奇跡を起こす
よい感情を誰かと共鳴させるもっともシンプルな方法は、みなさんよくご存じの方法です。
まず、「ありがとう」という感謝の言葉から始めてみましょう。
ありふれた言葉かもしれませんが、奥が深くとてもパワフルな言葉でもあります。
私は、これまでに「ありがとう」の言葉が奇跡を起こす事例を本当にたくさん見てきました。
恋人であっても、家族や友だちであっても、素直に「ありがとう」を伝えることは少し気恥ずかしい気持ちになるかもしれませんが、ぜひこのシンプルな言葉からあなたのよい感情を共鳴させてみてください。
「ありがとう」と言うだけでも十分にすばらしいのですが、もっと効果的で、人生が変わってしまうほどの「ありがとう」の伝え方があるので、お伝えします。
もっとも効果的な「ありがとう」を伝えるには、3つのポイントがあります。
ポイント1 具体的なエピソードについて感謝を伝える
「いつもありがとう」といった漠然とした感謝の言葉は言いやすくはありますが、具体的に「いつ」の「どんな」エピソードに対して感謝をしているのかを伝えることができるとより効果的です。
例 「この間、私がイライラしてあなたに八つ当たりしちゃった時があったよね。あの時、やさしく受け止めてくれてありがとう」
ポイント2 その時に自分が感じた感情を伝える
感謝を伝えたいエピソードに、自分がどんな気持ちを感じたのかを伝えることができると、言葉に奥行きが生まれてきます。
例 「この間、私がイライラしてあなたに八つ当たりしちゃった時があったよね。あの時、あなたがやさしく受け止めてくれたから、安心できて涙が出たよ。いつも味方でいてくれてありがとう」
ポイント3 その時に感じた相手のいいところを伝える
相手のいいところを伝えることは感謝だけではなく、相手のすばらしさを承認することでもあります。
例 「この間、私がイライラしてあなたに八つ当たりしちゃった時があったよね。あの時、あなたがやさしく受け止めてくれたから、安心できて涙が出たよ。あなたのやさしくて頼れるところ、本当にかっこいいよ。いつも味方でいてくれてありがとう」
誰かに感謝の気持ちを感じた時に、ただ「いつもありがとう」と伝えることもすばらしいですが、この3つのポイントを意識して伝えてみるだけで、「ありがとう」にたくさんの大切な思いを込めることができます。
また、3つのポイントを踏まえて伝える言葉を考えてみるだけで、自分の心の中にある感謝の気持ちをより大きく感じることができるようにもなります。
誰かに感謝の気持ちを感じる時、それは自分自身の心が感謝や喜び、安心感といったよい感情で満たされているということでもあります。
自分の心をそんなよい感情で満たした上で、相手に心からの感謝を伝えることで、もっとも効果的に「ありがとう」を伝えることができるのです。
もし今、あなたに感謝を伝えたい人がいる場合、ぜひこの3つのポイントを意識しながら感謝を伝えてみてください。少しむずかしく感じる時は、小さな感謝を伝えることから練習してみることをおすすめします。
何度も繰り返すうちに、自然とポイントを押さえた言葉を伝えることができるようになっていきます。
また、感謝の気持ちは、同じ内容を何度でも伝えて構いません。小さな感謝も、大きな感謝も、コツコツと心を込めて伝え続けることで、やがて大きな変化を生み出します。
文/森川陽介
『誰かを思いっきり好きになってみたい 「私」が大切にしている感情を知って、運命の恋を始める恋愛心理学』
森川 陽介
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