
「ゴルフにおいて飛距離は、1つの要素ではなく、その人のゴルフを変えると言っても過言ではない」というのは登録者数85万人越えのゴルフユーチューバー・てらゆー氏。今回はそんな彼が教える飛距離アップのためのスイングの基本を紹介する。
『効率のいい動きで曲げずに飛ばす! てらゆーのゴルフ飛距離アップ大全』(KADOKAWA)より、一部抜粋・再構成してお届けする。
振り子と捻転差で飛距離はほぼ決まる
ほとんどのゴルファーは、飛ばすためには体重移動が必要だと考えているのではないでしょうか。アマチュアゴルファーの中には、必要以上に体を左右に揺さぶってスイングしている人が多いように感じます。
確かに、体重移動は大事です。しかし、体重移動以上に大事なものがあります。それは、手を含めた上体の動きです。実際、ここまでにお話しした、〝振り子の動き〞と〝捻転差を作る動き〞ができていれば、ヒザ立ちで打っても7割程度の飛距離は出るのです。
もし周囲の安全が確認できるところがあれば、一度ヒザ立ちで打ってみてください。また、それで通常の7割以下しか飛ばない場合は、もう一度、振り子と捻転差を再確認してください。
POINT:捻転差をしっかり作る
ヒザ立ちだと腰は45度まで回すことができないが、肩は90度近くまで回すことができるので、むしろ普通のスイングよりも捻転差は大きくなる。ヒザ立ちスイングは捻転差チェックにもなるのでやってみよう
POINT:2つの振り子が飛距離を生む
ヒザ立ちでも、二重振り子スイングは可能。捻転差を作ると同時に、2つの振り子をしっかり使えば、平均飛距離の7~8割は飛ばせるようになる。逆に、7割以上飛ばせない場合は、上半身の動きに問題ありだ
体重移動によって上体も回りやすくなる
前項で上半身の動きが必要なことは分かっていただけたと思いますが、もちろん飛ばしには、下半身の動きも使う必要があります。
ざっくりですが、ドライバーの飛距離が250ヤードなら80ヤード前後、約3割強は体重移動によって生まれていると思ってください。
とはいうものの、体重移動が大きければ大きいほどいいかというと、そうではありません。スイングでは振り子運動と捻転差を作ることが大事なので、それらの動きがよりやりやすくなる下半身の動きが必要になってきます。
実際、正しい体重移動をすれば、上体も回りやすくなるなど、数多くの相乗効果が期待できます。飛ばすためにも、まずは正しい足の動きを覚えましょう。
OK:大きく飛ばすために足は積極的に使おう
下半身を大きく動かすことで、自然と体重移動と体の回転が発生する。大きく足を使っても軸ブレにはつながらないので、積極的に使っていこう
POINT:バックスイングで右足に8割の体重が乗る
アドレスでは5対5だった重量配分が、バックスイングでは右足8対左足2に。ただし、体重は右に乗っても、軸が大きくブレないことが大事
POINT:フォロースルーでは9割が左足に乗る
フォロースルー&フィニッシュでは、9割が左足体重に。ただし、ほぼ左足体重になったときも、左に体が流れないようにするのがポイント
足踏みだけで体重移動は完結する
実際にどういう意識でフットワークを使えばいいのか。オススメは、足踏みの動きです。
体重移動というと左右の動きをイメージしがちですが、実際は回転をともなうので足踏みで十分。「カカトを上げて地面に着ける」という動きだけで、バックスイングで右足に8割、フォロースルーでは左足に9割を乗せることができます。
実際、私はスイング中、体重移動をしているという感覚はなく、その場で足踏みをして体を回しているだけ。右に8割、左に9割とお伝えしているのは、計測したらそういう数字が出たというだけです。
しかもこの足踏みは歩く動作と同じなので、誰でも簡単にできます。リズム作りにも役立つのでぜひ試してみてください。
頭は動かした方が体は回しやすくなる
体を大きく回すための頭の動きについても、きちんと理解しておく必要があります。
一般的に、「頭を動かすな」といわれますが、動かしてはいけないのは、頭ではなく首の付け根。なぜなら、第1の振り子の支点が首の付け根にあるからです。
言い換えれば、首の付け根さえ動かなければいいわけで、頭の位置や顔の向きは、むしろ動いた方が体は回しやすくなります。
スイング中の頭の位置は、下の写真の通り。アドレスでは体の中心にありますが、トップでは少し右に移動します。そしてインパクトでは、右に大きくずれ、フィニッシュでは左に少しずれます。その一方で、首の付け根は常に中心にあるというのが正しい動きです。
文/てらゆー サムネイル/Shutterstock
『効率のいい動きで曲げずに飛ばす! てらゆーのゴルフ飛距離アップ大全』(KADOKAWA)
てらゆー (著)
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<�本書より>
ゴルフにおいて飛距離は、1つの要素ではなく、その人のゴルフを変えると言っても過言ではないのです。
飛距離が伸びて、方向性が安定し、おまけにスイングが美しくなる。
私が常に、「飛距離アップを目指しましょう」とお伝えしているのも、それが上達の近道だからです。