
飛距離アップを求めるなら、ゴルフギアの基礎知識、セレクトも重要だと語る、てらゆー氏。そんな彼がクラブ選びに必要となるいくつかのポイントを教えてくれた。
『効率のいい動きで曲げずに飛ばす! てらゆーのゴルフ飛距離アップ大全』(KADOKAWA)より、一部抜粋・再構成してお届けする。
ギアを知ることが飛距離アップにもつながる
飛距離を伸ばすためには、クラブの構造を理解しておくことも大事です。特に、ヘッドのロフト角、シャフトの長さ、硬さ、重さは、クラブ選びにおいて重要なポイントになるので頭に入れておきましょう。
例えばドライバーの場合、ロフト角は9~11度、シャフトの長さは44~46インチ、硬さL~X、重さ40~70gのものがあり、その中から自分に合うものを選ぶ必要があります。
気をつけなければいけないのは、ロフト角や硬さは数値基準がメーカーによって若干異なること。だから、クラブを購入する際は、それぞれの数値を目安にクラブを選んだあと、必ず試打を行い、弾道計測器で実際の飛距離をチェックすることをオススメします。
ロフト角(リアルロフト)POINT:ドライバーで飛ばすにはある程度のロフト角が必要
ロフト角が大きいと球は上がり、小さいと前に飛ぶ。ただし、ドライバーはある程度球が上がらないと飛ばないので、ヘッドスピードが遅い人は、ロフト角のあるモデルを使おう
長さのPOINT:最も長い46インチがオススメ
ドライバーのシャフトの長さは44~46インチが一般的。長さは、46インチまでという規制が設けられているが、規制があることからも分かるように、長い方が飛距離は出る。飛ばしたいなら長いモデルを使おう
硬さのPOINT:一般男性に合うのはRかSR
シャフトのしなり具合を決めるのが硬さ。L(レディース)、A(アベレージ)、R(レギュラー)、SR(スティッフ&レギュラー)、S(スティッフ)、X(エクストラ)に分かれていて、一般男性にはR、少し力のある男性にはSR、Sが向いている
重さのPOINT:シャフトが軽いとヘッドスピードが上がる
ドライバーは40~70g台があり、一般男性には50、60g台、一般女性には30、40g台がオススメ。シャフトが軽いとヘッドスピードは上がるが、軽過ぎると振り子のように振れなくなるので、適度な重さが必要だ
スピンが多過ぎる人はロフトが立ったクラブを
クラブに関することで、もう1つ覚えておいてほしいのが、“スピンロフト”です。スピンロフトとは、ダイナミックロフト(※1)から入射角(※2)を引いた値で、スピンロフトが大きければ、大きいほどスピン量が増し、小さいとスピン量が減少します。
最大の飛距離を生むためには、「飛びの三要素」(ボール初速、打ち出し角、スピン量)を適正にすることが大事なのですが、適正かどうかの判断基準になるのがスピンロフトです。
この数値は、ロフト角を大きくする(小さくする)ことによって変えることができます。スピン量が多過ぎて飛ばない人は、ロフトが立ったクラブを使うようにしましょう。
(※1)ダイナミックロフト:ボールとのインパクト時において、フェース面が水平方向よりもどれだけ上を向いているかを示す角度
(※2)入射角:水平方向を基準として、ヘッドがボールに対してインパクトする際に進入してくる角度のこと。レベルブローを0度とし、アッパーブローをプラス(+)、ダウンブローをマイナス(-)で示す
POINT:ダイナミックロフトから入射角を引いた値がスピンロフト
厳密に言うと、3次元的な角度差だが、一般的には、ダイナミックロフトから入射角を引いた値が使われる。スピンロフトが大きくなると、ボールがクラブフェースから離れるスピードが遅くなり、クラブからボールへのエネルギー伝達効率が低下し、飛距離も低下する。一方、スピンロフトが小さくなると、ボールがより速くクラブフェースから離れるため、エネルギー伝達の効率が上がり、飛距離が伸びる。基本的には、スピンロフトが小さい方が飛距離は伸びるが、球が上がりにくい、ヘッドスピードが遅い人は、ある程度のスピンロフトが必要になってくる
スコアメイクのためにはセッティングも重要
どんなクラブを選ぶかということも、ゴルフでは大事になってきます。
例えばドライバーで飛ばしたいと思うなら、イントロダクションでもお伝えしたように、長いクラブを選ぶべきです。また、メーカーでは、ヘッドスピード別に飛ばせるクラブを開発しているので、自分のヘッドスピードやスイングに合ったモデルを選ぶことも大事です。
飛びと関係なくなりますが、スコアメイクを考えれば、どんなセッティングにするかも重要なポイントです。
例えば、アイアンが苦手な人は、UTを多めに入れるといったように、自分の実力や得手不得手に合わせてクラブ選びをすることで、スコアは確実にアップするはずです。
ヘッドスピード45m/s前後の男性ゴルファーのセッティング例
1W・ドライバー
芯を外しても真っ直ぐ飛んでくれるスイートスポット広めがオススメ。総重量は、300g以下。ヘッドスピードが45m/s以上ある人は、300g以上を選ぼう
FW・フェアウェイウッド
5Wは必須だが、FWが苦手な人は3Wを入れないで、その分、20~26度のUT(ユーティリティー)を2~3本入れた方がスコアメイクしやすい
IRON・アイアン
最近は、アイアンのストロング化(ロフトを立たせること)が進み、セットも6アイアンからというモデルが多い。45m/sあるのなら、5アイアンを入れておきたい
WEDGE・ウェッジ
基本はPW(ピッチングウェッジ)、AW(アプローチウェッジ)、SW(サンドウェッジ)だが、最近は60度を入れる人も。打ちやすいソール幅とバンス角を選ぶことも大事
ヘッドスピード38m/s前後の女性ゴルファーのセッティング例
1W・ドライバー
ヘッド重量は185g前後、総重量は270g前後が1つの目安。長さは43インチ前後。シャフトの硬さはLかA。メーカーによって振り心地が違うので実際に振って確かめよう
FW・フェアウェイウッド
ドライバーの飛距離が200ヤード前後で残り距離が長くなるので、FWは5Wと7Wを。また、UTの出番も増えるので、21~30度の中から3本くらいを選んで入れておこう
IRON・アイアン
38m/sならば、アイアンは6番から9番の4本が基本。FWやUTが得意ならば、アイアンは7番からでもOK。アイアンが得意か不得意かによって本数を決めよう
WEDGE・ウェッジ
ヘッドスピードに関係なく、ウェッジはPW、AW、SWが基本。どちらかというと、FWやUTの本数によってウェッジの本数も決まってくる。バンカーが苦手な人は、女性でもバンカー専用で60度を入れるのはあり
文/てらゆー サムネイル/Shutterstock
『効率のいい動きで曲げずに飛ばす! てらゆーのゴルフ飛距離アップ大全』(KADOKAWA)
てらゆー (著)
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<�本書より>
ゴルフにおいて飛距離は、1つの要素ではなく、その人のゴルフを変えると言っても過言ではないのです。
飛距離が伸びて、方向性が安定し、おまけにスイングが美しくなる。
私が常に、「飛距離アップを目指しましょう」とお伝えしているのも、それが上達の近道だからです。