マクドナルド「ちいかわ」転売ヤー…列に並んで赤字だった? 品切れ報告続出も利益は出ず「マックナイス!」
マクドナルド「ちいかわ」転売ヤー…列に並んで赤字だった? 品切れ報告続出も利益は出ず「マックナイス!」

ファーストフードチェーン「マクドナルド」で2025年5月16日から販売が始まった、人気キャラクター「ちいかわ」とのコラボによるハッピーセットが、開始直後から大きな反響を呼んでいる。しかし、人気の裏側では、売り切れや転売、さらには“ハンバーガー放置”といった迷惑行為まで相次ぎ、波紋が広がっている。

ハンバーガーを捨てておもちゃだけ持ち帰り?

今回のハッピーセットでは、「ちいかわ」のキャラクターたちがマクドナルドの制服を着た、オリジナルデザインのおもちゃが登場。同時に、世界的人気ゲームの映画化作品『マインクラフト ザ・ムービー』とのコラボおもちゃも展開された。

発売初日から長蛇の列ができる店舗もあり、地域によっては数時間で完売するケースも発生。都内のマクドナルド従業員に話を聞くと、「金曜日から販売していましたが、土曜日にはもう在庫がなくなりました。これほどのことは私の知る限り初めてです。5月23日から始まる第2弾が、少し心配です」と話していた。

「ちいかわ」「マインクラフト ザ・ムービー」どちらも売れ行きが好調だが、特に売れているのは「ちいかわ」。取材を行なった店舗でも、「ちいかわ」は売り切れとなっていた一方、「マインクラフト」のハッピーセットは5月20日(火)時点でも購入可能だった。

なぜここまで品薄になったのか。その背景には、転売目的と見られる大量購入者の存在がある。SNSでは、ハッピーセットを複数個まとめ買いする人物の写真が拡散され、なかには、食事を受け取らずおもちゃだけを持ち帰る「ハンバーガー放置」という迷惑行為まで報告されている。

ネット上では、こうした行為に対して怒りの声が噴出している。

〈子どものためのハッピーセットだったはずなのにね。

今や大人が買い占めて転売してる…カードゲームと一緒〉

〈子どもの可愛いお楽しみまで金儲けのために汚すのですね。理解しがたいわ〉

〈こんな奴らのためにフードロスが起こっているなんてことが 一番許せないと思っています。お金を払えばいいってわけじゃないんですよ〉

こうした問題を受けて、マクドナルドは公式サイト上で次のような注意喚起を行なっている。

実は転売ヤーは全然儲かっていなかった?

〈おひとりでも多くのお子様にお届けするため、ハッピーセット®「マインクラフト ザ・ムービー」「ちいかわ」2種あわせて、おひとりさま4セットまでのご購入をお願いしております。転売または再販売、その他営利を目的としたご購入はご遠慮ください〉

しかしフリマサイトなどを見ると、残念ながら現在も数多くの「ちいかわ」「マインクラフト ザ・ムービー」のハッピーセットおもちゃが転売されている。

とはいえ、販売価格を見ると、転売による利益がほとんど出ていないことも判明している。4種コンプリートセットが2200~2500円程度で落札されている一方、ハッピーセットの最安価格は1つ510円。4セットで2040円となり、送料やフリマアプリの手数料(10%)を考慮すると、ほとんど利益が出ない計算だ。

〈ちいかわ転売全然儲かってないやんけ。フリマサイトの手数料と配送料考えたら割に合わなさすぎる〉

〈マクドナルドがそれだけたくさん用意してくれていたってことだよな。転売ヤー大敗北やんけ! マックナイス!〉

といった声がSNS上では上がっている。

マクドナルドに本件について問い合わせたところ、以下のような回答があった。

〈このたびのハッピーセット「マインクラフト ザ・ムービー」「ちいかわ」について、当社の予想を大幅に上回る売れ行きとなり、5月16日(金)から販売開始した第1弾は多くの店舗で販売を終了いたしました。

購入を楽しみにしてくださっていたお客さまのご期待に添えず、誠に申し訳ございません。あわせて、一部店舗においてお客様に商品をご用意するまでにお時間を要してしまったこと、また一部店舗の周辺において渋滞などが発生し、近隣にお住いの皆様にご迷惑をおかけしたこと、重ねてお詫び申し上げます〉

また、第1弾発売時に大荒れだったことから、第2弾でどのような対応をするかと聞いたところ、引き続き対策をして販売するとのことであった。

転売ヤーのせいで、新しいルールの導入を促す声も

〈当社としましては、引き続き一人でも多くのお子様にお食事とおもちゃをお楽しみいただけるよう、5月23日(金)より販売する第二弾においても引き続き、お客様にはお一人様4セットまでのご購入をお願いしております。また営利目的・転売目的の購入はお控えいただけるようあわせてお願いしております〉

今回のトラブルを受けて、ネット上では、「フードを食べきった人にだけおもちゃを渡すべき」といった案も出ているが、一部の心ない行為によって企業が新たなルールを設け、無関係な人々まで不便を強いられる状況は、非常に残念だ。

誰もが気持ちよく楽しめる機会となるよう、モラルある行動が求められている。

取材・文・撮影/集英社オンライン編集部

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