北区1位、板橋区4位…Z世代女性が密かに住みたがる“東京ノース”の実力「これ以上人気にならないでほしい」
北区1位、板橋区4位…Z世代女性が密かに住みたがる“東京ノース”の実力「これ以上人気にならないでほしい」

今年2月に発表された「SUUMO住みたい街ランキング2026首都圏版」内の「得点ジャンプアップした自治体ランキング」で、東京の北区が1位、板橋区が4位となり、東京23区の北エリアであるいわゆる“東京ノース”が上位にランクイン。特に若い女性から人気を集めつつあるというが、知られざるその魅力を東京ノースの一角である豊島区に住む20代女性が語ってくれた。

「ずっとここに住みたい」“東京ノース女子”が語る推しポイントとは

東京ノースと呼ばれるエリアとしては、「北区」、「豊島区」、「板橋区」、「練馬区」が挙げられる。今回インタビューしたミナミさん(仮名・27歳)は現在豊島区の駒込に住んでいるという。

もともと都心の湾岸エリアに住んでいたミナミさん。駒込に住んで3年目となるそうだが、なぜこの地に引っ越したのか聞いてみた。

「私の通っていた大学が豊島区の巣鴨にあって、学生時代から住みやすそうだなという印象を抱いていたんです。商店街があってほどよく活気はありつつも、繁華街のように賑やかな若者でごった返しているわけではないので、すごく居心地がよくて。

あとは池袋や新宿といった街にも近くて利便性もいいというのも惹かれたポイントでしたね。駒込は山手線の沿線なので、主要なターミナル駅には一本で行けることがほとんどです。

駒込から電車で10分以内の池袋なんかは、いまでは私のなかで“近所”という認識で、ジャージやノーメイクで身なりに気を遣わずに行くことも多いです(笑)」

東京23区の単身者向けの平均家賃は11万円台というデータもあるが、ミナミさんは“家賃の安さ”にも驚いたという。

「いま住んでいる駒込の自宅が、私が一人暮らしした初めての物件なんですが、最初物件を探す時に、風呂トイレ別や、独立洗面台のあるところなど、譲れない条件が多々あったんです。そうした希望条件で探してもだいたい都内だと10万円近くは当たり前な感じでした。

でも東京ノースのエリアは家賃7万円台で私の希望する条件の物件が何件かヒットしました。他のエリアに比べて圧倒的に家賃が安いのも住み続ける理由のひとつですね」

さらにミナミさんは物価も安いと感じるそうで、商店街にある行きつけの青果店は100円台で質のいい野菜やフルーツが多く手に入るという。

また安くておいしいお惣菜店も多いとのことで、単身者にとってはありがたい一面も。

「最近は女性向けのおしゃれな飲食店もできていて、開拓するのも楽しいですね。でも近所にある格安居酒屋で飲むのも好きです。昼から友人たちを近所に呼んで飲むこともあります。

意外と店内は混んでいることがなく、中高年の方もマイペースに飲んでいる感じなので、女子同士でも気にすることなく気軽に飲める雰囲気が嬉しいです」

そんな魅力だらけの東京ノース。ミナミさんは「暮らしていて本当に不便に感じたことがない」と語るが、ひとつだけこんな欠点が。

「駒込に関して言うと、図書館など周辺の公共施設が老朽化していて、あまり綺麗な施設がない印象がありますね。生活をするうえでは特に気にならない程度ですが、新しい物がそろう刺激のある街とは程遠いと感じます」

現在東京ノースが人気となっている事実について、ミナミさんはどう思うのか。

「本当にここの良さがこれ以上多くの人に見つからないでほしいです(笑)。人が増えたら増えたで、東京ノースならではの落ち着いた雰囲気や良さが消えてしまう気がして……。

もともとは実家のある湾岸エリアに住んでいたのですが、下町だったところが再開発でどんどん様変わりして、人口が多くなって嫌になってしまったんです。穴場だからこそ独り占めしたい感覚というか、“やっと見つけた居心地良い場所”という気持ちがあるので、あまり人気にならないでほしいと正直思います。

今はずっとここに住みたいと思うほど気に入っているんです」

“せんべろの街”赤羽などから人気に火がついた東京ノース

ここからは「SUUMO住みたい街ランキング2026」において調査を担当したSUUMO副編集長の江原亜弥美氏に、東京ノースが若い女性に人気となった経緯について聞いてみた。

「ここ数年で物価高がかなり進んでいることもあり、“コスパよく飲む”という価値観が若者たちの間に広まりつつあります。

こうした流れから、もともと“せんべろの街”として中高年世代から人気となっていた飲み屋街が注目され、北区の赤羽エリアなども、ここ数年で若い女性たちから人気を集めていきました。

またこうした飲み屋の、値段の割に量が多くインパクトのあるメニューや昭和レトロの渋さが“映え”として注目され、、中高年のみならず、若い女性たちの間でも市民権を得るようになっていきました」

一度東京ノースのエリアに遊びに行くと、ミナミさんのように“住み良さそうな印象”を抱く女性は多いと江原氏は言う。

「商店街にはさまざまなお手ごろのお惣菜店が立ち並ぶなど、全体的に物価が安いこと。さらには家賃もほかの23区のエリアに比べると割安感があることなど、知れば知るほど魅力的だと感じる方が多いのではないでしょうか。

また板橋区などは江戸時代から宿場町として栄えてきたという背景もあり、外部からやって来た人々にも寛容だという地域住民の気質や、アットホームな街の雰囲気も、住みやすさに繋がっていると考えられます」

女性の一人暮らし、気になる治安面は?

女性の一人暮らしにおいて気になる治安面に関してはどうなのだろうか。

「赤羽の駅前商店街には飲み屋が連なっていますが、純粋に“飲み目的”で行って楽しむ人が多く、裏路地はディープな側面はあるものの、渋谷や新宿のような大きな繁華街ではありません。また、赤羽の商店街とは反対側の西口側は、住宅街がメインになっていて治安はいいです。

そして女性のひとり暮らしの場所として人気となっている東京ノースのエリアに関しては、例えば板橋区のハッピーロード大山商店街や仲宿商店街のように活気のある商店街が多く人の目が絶えない環境であることから、治安に関しても比較的安心感があるといえるでしょう」

今後ますます注目を浴びそうな東京ノースエリアだが、ほかに女性にとって住み良い穴場エリアはあるのだろうか。

「最近若い女性などから人気が高まってきているのが、“東京ノース”のさらに北側にある埼玉の大宮です。

大宮駅前には大型の商業施設などがあり、生活必需品のお買い物からお洋服などのショッピングも楽しめて、ひとつの街ですべて完結するという利便性が人気となっています。

また少し歩くと氷川参道があり、ここには個人経営のおしゃれな飲み屋さんやカフェなど、女性が行きやすいお店が増えてきています」

――交通アクセス、物価の安さ、治安面などあらゆる魅力に溢れる東京ノース。

今後“港区女子”のみならず、“東京ノース女子”という新たなカテゴライズの女性たちも増えそうな予感だ。

取材・文/瑠璃光丸凪(A4studio)

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