来年の1月から「白鳥麗子でございます!」が主演に河北麻友子を迎え、20年ぶりに映像化されることが決まった。「白鳥麗子でございます!」は多くのシリーズがあり、様々な女優が演じてきているが、やはりフジテレビで1993年に放送された松雪泰子版のイメージが強いのではないだろうか。

そこで今回は松雪泰子版「白鳥麗子」がどんな内容のドラマだったのか振り返ってみたい。

プライドが高すぎる白鳥麗子の恋物語


一言で内容を説明すると、思い込みの激しさとプライドの高さだけは誰にも負けない、容姿端麗のスーパーお嬢様・白鳥麗子と、幼少期から彼女に想いを寄せられ続けている秋本哲也との恋物語をコメディータッチに描いた作品。
麗子のとんでもない高飛車発言とポジティブすぎるその思考、そのせいで上手くいきかけた恋もつまずいたり、とんでもない方向へ物語が進んだりするのだが、麗子の哲也へ対する純粋すぎる想いを見ると、つい視聴者は麗子の味方をしたくなるのだ。麗子と哲也の恋の行方が気になると同時に、毎回の松雪泰子のファッションも女性たちは楽しみにしていた。

第2シリーズと映画版もあった「白鳥麗子でございます!」


1993年2月に第1シリーズ終了後、同年10月より第2シリーズが放送された。第2シリーズでは、哲也役が萩原聖人から松岡俊介に変わっており、違和感を覚えた視聴者も多かったことだろう。なぜ変わったのかというと、萩原聖人が同時期に「夏子の酒」というドラマの撮影があったから。
1995年に公開された映画版「白鳥麗子でございます!」での哲也役は、また萩原聖人に戻っている。


白鳥麗子の恋の行方は!?


映画版では麗子と哲也の結婚を中心に展開していきます。結婚式当日にもかかわらず悩んでいる麗子。そこから数か月前に遡っていきます。
麗子の父親が病気だと勘違いしたことによって、結婚することになった2人。勘違いに気付いた医師が麗子に「父親に伝えて」と頼んだが、結婚がなくなると思う麗子は誰にも打ち明けられず……。
そして物語は当日の結婚式のシーンへ。嘘がバレたが、それでも結婚しようと言ってくれた哲也の気持ちに感動的なラストが!……と思ったのだが、やはりそこは白鳥麗子。

誰かの囁き声が麗子の耳に入り、宇宙一プライドの高い麗子は思わず「結婚なんてするわけない!」と言ってしまい、結婚は破談に。とはいえ、結婚せずに相変わらずの同棲生活を送る2人は幸せそうであった。という独特のハッピーエンドだった。

主題歌はすべてZARD


ドラマシリーズ1作目の主題歌となった「負けないで」はドラマ人気のおかげかオリコンチャート1位を獲得。ZARD最大のヒット曲となった。2作目は「きっと忘れない」、映画シリーズでは「サヨナラは今もこの胸に居ます」澄んだ歌声が麗子と哲也の純粋なラブストーリーにピッタリで、いずれもヒットシングルとなっている。

松雪泰子が白鳥麗子役にピッタリだった理由


「白鳥麗子でございます!」は松雪泰子の初主演作品となった。
しかし、白鳥麗子役にピッタリだったのにはいくつか理由があるだろう。

現在ではシリアスな役どころが多く、その美しさからもクールなイメージだが、「ダウンタウンのごっつええ感じ」に1992年4月までレギュラー出演していた経歴がある。その影響か、「白鳥麗子でございます!」ではコメディエンヌとしての才能を発揮して、笑わせるようなシーンも多かった。
そして、なんといっても完璧なその容姿。だからこそ、奇抜なお嬢様ファッションも違和感なく着こなせた。その結果、ラブコメドラマとしてだけでなく、ファッションを楽しむために見る女性も多かったのも、大ヒットした要因だったのではないか。


「白鳥麗子でございます!」の原作はマンガだった。この原作のイメージを崩さずに演じきった松雪泰子はこの作品をきっかけに多くの作品に出演。人気女優としての地位を確立したのだ。

「白鳥麗子でございます! [VHS]」