製造工程を実況生中継してくれる自動販売機
(上)自販機上部についたモニタから期待感を煽る映像(中)豆を選別(下)テプラのラベルが好感度大
高速道路を走っているときに、まさに一里塚のようにほっと安心させてくれるのが、サービスエリアや、パーキングエリアです。
最近は、それぞれのエリアで工夫を凝らしたメニューが用意され、グルメ的にも楽しみが増しているようですね。でも、そういった正統派グルメガイドは専門誌に任せて、コネタハンターな私はもっと瑣末なポイントに注目するのです。

紙コップで供給されるコーヒーの販売機ってありますよね。
古くは学食にあったなあ、なんてことを思い出します。紙コップが出てこなくて、悲しい思いをしたりね……。
私は好きでよく利用するのですけれど、最近の自販機は、その場で豆をドリップしたり、出来上がるまでメロディが鳴ったり、ストローがひゅっとささってみたり、飲み口のついたフタまでがついて出てきたりと、日々進化を続けているようなんです。
さらに最近発見したものは、なあんと、豆をドリップしたり、フタを装着している間、その自販機内部を実況生中継してしまう、というものでした。

機械の内部って、通常はブラックボックスになっていて、どんな動きをしているかはわかりません。実は、中で缶コーヒーをぷしゅっとあけて、紙コップに注いでるだけだったりして。
でも、このマシンはおおっぴらですから嘘のつきようがありません。
販売機の上部に鮮明なモニタが取り付けられていて、画面右下には「ライブシーン放映!」とのテロップ。期待感をあおります。
お金をちゃりんと入れて飲み物を選ぶと中継開始。まずは紙コップが用意されます。重ねてあるものから、正確にひとつ摘まみ出されます。
続いて、アイス・モカ・キリマンと書かれたケースから、ざらざらと豆がミルに運ばれ、ドリップがスタート。ドリップ用のカップには、ご丁寧に「あなたのためにドリップ中(はぁと)」なんて書かれております。
それが終わると、紙コップにコーヒーは注がれるわけです。そして、フタ付け。まあ、実に見事にきゅるきゅるとはめ込まれ、出口にコップは向かいます。
で、扉が開きご対面。美味しいコーヒーの出来上がりというわけ。

今までもきっと同じことが機械の中で繰り返されてきたのでしょう。でも、中が見えるってだけで、こんなにも自販機は「アミューズメント」と化すのだ、という発見をさせてもらいました。やっぱりね、「ライブ」ってのは興奮します。なにせ私初めて見たとき、あまりの楽しさに、もう一杯コーヒー買っちゃいましたもの。

ちなみに私が見かけたのは、東北自動車道上河内サービスエリア。でも、他にも続々と設置箇所は増えているみたいです。(谷和原のぞみ@お気楽ステーション)