豚まんと肉まんの違いって?
(上)「豚まん」(551蓬莱)(下)ジューシーな肉の正体は?
以前、関西に住んでいたとき「豚まん」という言葉を始めて知った。関東では横浜の中華街あたりではよく目にするけど、あまり馴染みがない。


一般的に言われている説は、「関西では肉と言えば牛肉のことを指す。だから豚肉の入っている中華まんは『肉まん』ではなく『豚まん』だ」というもの。確かに関西ではカレーや肉じゃがの肉も牛肉であることが多く、関東出身の私はちょっと驚いたものだ。

でも名前以外の違いはないのか? 「肉まん」の肉も豚肉なのか? 気になったので私たちが日頃肉まんを買うコンビニ各社に「肉まんの肉は何ですか?」と聞いてみた。

回答が得られた全てのコンビニが「肉まんの肉は豚肉のみです」という回答。なーんだ、結局豚まんも肉まんも同じなのか。
……と思ったら、少し興味深い違いがあった。肉はどこも「豚肉のみ」だが、味付けにちょっとした工夫があって、他の肉の旨みも取り入れているコンビニもあったのだ。

例えば、ファミリーマートでは「チキンパウダー」や「ビーフ香味調味料」を使っているそうだし、am/pmジャパンでも「ビーフエキス」と旨味調味料に「鶏肉のだし」を使っているとのこと。またローソンでも鶏がら等の「鶏肉エキス」を使っているんだそう。一方、豚肉以外のエキスは一切使用していないという豚ひとすじ派は、セブンイレンブン、サークルKサンクス、ポプラ、スリーエフ。どのコンビニの肉まんも少しずつ味が違うのは、こんな各社の工夫があったからなのだ。
そんな様々な味が楽しめるのは、やっぱり「肉まん」という曖昧なネーミングのなせるワザかも。豚ひとすじの肉まんはやっぱりおいしいし、豚と鳥や牛の織り成す絶妙なコラボレーションも捨てがたい。またポプラなどは隠し味に「えびみそ」を使っているそうで、肉ばかりでなく海の幸とのコンビもそそられる。

念のため「豚まん」の具についても聞いておいた。関西で「豚まん」と言えばこのお店! の「551蓬莱」。私も関西にいたときは本当によく食べた。
回答は「『豚まん』の具の肉に関しては100%豚肉を使用。エキス等も一切使用していない」とのこと。うーん、やっぱり「豚まん」と名乗るからにはそうであってほしかったし、実際にそうであってよかった。

現在のところ551蓬莱は近畿圏にしか店舗がない。それを残念に思う私のような関東在住551蓬莱ファンにちょっと嬉しい情報をひとつ。実は551蓬莱は、1週間単位の催事で年に数回は東京の百貨店で実演販売しているそうで、次回はなんと1/25(水)〜1/30(月)。
新宿高島屋にて。
(古屋江美子)