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パーマンとコピーロボットとは微妙に別人格

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パーマンのコピーロボットには、かなり高度な学習機能があるみたいです。

小学生の頃、パーマン1号、つまり須羽みつ夫くんが大好きだったのだが、どうにもコピーロボットは「別人」の気がしていた。
怠け者で弱虫、でもとびきり正義感が強いみつ夫に比べ、コピーはズルイやつだ。みつ夫のコピーでありながら、微妙に別人格に思えたのだ。

そこで、私が気になった別人格っぷりを、家にあった、てんとう虫コミックス版『パーマン』全7巻から、ピックアップしてみることにした。
まず1巻「野球は二人で」。ママに買い物に行けと言われ、めんどうになったコピーは「いたたた きゅうにおなかがいたくなった」とあからさまな仮病を使い、舌を出している。ズルイ。
2巻「パーヤンですねん」では、呼び出されて出かけるみつ夫に、「また遊びに行くの?」と笑顔で問い詰める。みつ夫にはない、迫力ある責め方、にじり寄り方だ。

3巻「母恋いパーマン」では、みつ夫からバトンタッチして勉強を始めたばかりのタイミングで、母がスイカを差し入れ。「フー、もうかっちゃった」と、要領の良さを見せつける。さらに、猫を軽々しく拾い、ママにすててこいと言われると、「じゃ、あきらめよう」とあっさり。いやにものわかりが良く、淡白なのだ。
また、ママとうまくいかないみつ夫をみては、「やさしいママなのになあ。みつ夫くんなにかかんちがいしたんじゃないかなあ」と、客観的でクールな発言もしている。やはりみつ夫のコピーとはいえ、ママとは他人の感、ヒシヒシ。

4巻「かなしい勝利」では、パーマンがみつ夫だとクラスの友人たちに疑われた際、うろたえるみつ夫に対し、「証拠がない以上、どんな想像をされても、きみがみとめなければそれまでだもの」「だいじょうぶだってば」と、落ち着き払った態度のコピー。冷静沈着な対応で、まるで保護者のように諭している。


5巻からは、80年代になってから新作として書きおこされたストーリーが収録されている。バードマンの衣装や、ブービーのすみかが、動物園から普通の家になってたりと、一部設定が変わっているのだが、コピーの別人格っぷりは健在だ。
「スミレちゃんサインして!」で、星野スミレのサインを見せびらかす三重晴三に、涙を流して羨むみつ夫を見て、コピーはあっけらかんとこんな一言を放つ。
「へえ、パーマンでも思いどおりにいかないことがあるの」
クールな視線の、ゾクッとする一言である。
同じ5巻「心細〜い夜」では、1人留守番をすることになったみつ夫が、寂しさを紛らすためにコピーロボットを呼ぶと、
「たよりないのが何人集まっても、たよりないことにかわりないよ、はっきりいって! ぼくはおりる!」と、自ら鼻のボタンを押してロボットに戻る。悲しいほどに自虐的な態度だ。

そして、7巻「バード星への道」では、寂しさのあまり、バード星へ旅立つことを拒むみつ夫に、「元気をだせよ。るす中はぼくがひきうけるから」とハッパをかけるシーンがある。

こうしてまとめてみると、アレ? コピー、いいヤツじゃん! というか、かなり大人。
「ズルイ」と思っていたのは、本人より若干、大人びていてクールで、要領が良かったためか。
なぜコピーでありながら、別人格になるかというと、これは私の想像だが、忘れっぽいみつ夫と違い、コピーにはメモリー機能がついているからではないか。
つまり、日々の情報が「蓄積」されていくため、学習能力が高まり、要領もよくなり、「ズルイ」印象を与えることもある。そして、悲観的・自虐的にもなるということだ。

さらに、コピーロボットは、原作中では、ときにはみつ夫以外の人のコピーとしても使われているため、別人の記憶がどこかで残っている可能性も捨てきれない。
すまなかったよ、コピー。きっとキミはズルいんじゃなく、単に優秀なだけなのかもしれない。
(田幸和歌子)

2006年9月6日 00時00分

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