大人が子ども用の靴を履くのは……
コレは私の子ども靴
先日コネタで「人はいくつまで“お子様”なのか」という話題をお伝えしたが、私は“やむを得ず”お子様ものを愛用している。実は私、足が小さいのである。
小学生の頃から足長のサイズがほとんど変わらず、22センチなのだ。
靴は冠婚葬祭以外はほとんどスニーカーなのだが、小さいサイズのスニーカーはどの店でも在庫が少ないので、いつも「これしかないからこれでいいや」状態である。さらに、スニーカーは同じ22センチのサイズでも皮靴よりも大きめのものが多いのか、どうしてもゆるゆるになってしまう。人ごみの中などで靴のかかとを踏まれ、脱げてしまったことも多々ある。

そんなこんなでここ数年、やっと辿り着いたのが“子ども用”のスニーカーを履くということ。いわるゆキッズとかボーイズといったラインのものだ。

まぁ、デザインは子どもっぽいといえば子どもっぽいが、結構カラフルでかわいいものもあるのでサイズが合えばいいか、と愛用している。しかも値段は大人のものに比べ、格段に安い。バーゲンだったら2000円を切る。

でもこの子ども靴、安くて軽くていいのだけれど、大人が子どもの靴を履いてもいいのか、とふと疑問が……。
そこでシューフィッターの方にお話を聞いたみた。
「大人が子ども用の靴を履くのはお勧めしません。
大人と成長期の子どもの足は違います。22センチくらいの大きさであれば大人の足の形に近くはなっていますが、子どもと大人とでは歩き方も違いますし、歩く場所も違います。まだ足を支えるアーチができあがっていない、土踏まずが未完成な子どもと大人とでは靴を作る時の木型も違いますし、足を支える布地の部分、カウンターの素材もクッションも違います」

なんとなく不安があったもののやはりダメなのか。子どもの足と大人の足の違い……ダメ出しの連続である。

「子ども用の靴底は柔らかく、大人の体重を支えきれないので、裸足で歩いているようなものですよ。足の筋力があればよいのですが、それでもかなり疲れるはずです。
重い体を支えている足は靴でサポートをしてあげなければいけないのです」

うっ、確かに。小学生の頃から22センチという足の長さは変わっていないものの、体重は当時の倍、とまではいかなくとも1.5倍以上になっているのは確実だ。そういわれてみれば、長時間履いていると足が疲れるような気がしなくもない。
「ではちょっと足のサイズをお測りしてみますね」、ということで足のサイズを測ってもらうことに。
私の足を見るなり「そんなにおっしゃるほど小さくないと思いますが」とシューフィッターの方。
実際に測ってみると足長は22.5センチだった。
そして足幅は22センチ。日本人の足はよく甲高幅広といわれるので私もてっきり甲高幅広だと思っていたのだが、「甲高幅広じゃありませんよ。普通です。靴は足長のサイズだけなく幅もサイズがありますから、どちらかというと細身の靴を選ばれた方がいいかもしれません。スニーカーの場合は靴下で調整するのがお勧めです」とのこと。
足裏にかかる圧力はおおむねバランスはいいけれど、小指を使って歩いていない、かかとに圧力がかかりすぎ、とのこと。


「あ〜っ。筋肉も硬いですね。運動されていますか? ストレッチをするだけでも大分足の疲れ方は違ってくると思います。この状態で子ども用の靴を履くのはやはりよくないですね」とまたもダメ出し。

足は“第二の心臓”といわれるほど大切なもの。
靴は毎日は履くものだから自分にあったぴったりのものをと、頭ではわかってはいるものの、経済的理由もあって、ついついおざなりにしてきてしまった。
年も年だし靴が原因であちこちガタがきてしまっては困る。これを機会にもう少し、きちんと足のこと、靴のことを考えてみようと思います。あなたの靴はどうですか?
(こや)