トレッキングシューズがバラバラに!?
ソール以外はまだまだイケそうですが……
歩いている時に靴のソールが剥がれてしまったことについて先日のBitでも触れたが、いや本当にびっくりした。
歩いている最中、あれよあれよいう間に靴のソールがはがれてくるという経験は今までなかった。

靴はいわゆるトレッキングシューズで値段もそこそこしたものだ。普段から身の回りのものにはあまりこだわりがないので靴も値段が安くて履きやすいものをただ買っているのだが、このシューズを買った時はネパールでハイキング的なプチトレッキングをするということでちょっと値の張るものを奮発して専門店で買ったのである。
それだけにショック……。

体力も知識もほとんどないままトレッキングに行ったのだが、ガイドさんと靴のおかげで何とか無事歩けた。その時は「値段だけのことはある」と妙に感心したものだ。でもその後トレッキングすることもなく、かといって街履きにしてしまうのも、とこのシューズはずっと大切にしまっておいた。
で、今回「往復2時間は歩く」と久しぶりに引っ張り出したというわけなのだが、もう本当にソールがはがれたのに気づいた時は正直あせった。


これってたまたま私が履いていた靴が悪いのか、こういうことはよくあるのか、実は取材中(歩いていただけですが)このことが気になって仕方がなかった。

そこでトレッキングシューズを扱うアウトドア専門店に聞いてみることにした。
「トレッキングシューズのソールってバラバラにはがれることってあるんですか?」と切り出すと、即座に「ありますよ」との返事。えっ!? そ、そうなの?

「案外ご存知ない方もいらっしゃるんですけど、高性能のクッションを使っているものは中のウレタンが加水分解を起こすんです。で、ウレタンがボロボロになっちゃうんですよ。これは性能上仕方がないことで、特にその製品が悪いってことではないんですね。
トレッキングシューズはメンテナンスをよくしている場合でももって5年ですね」
が、が〜ん。そんなぁ。買った時にはそんな話は聞いていなかったよ。でも、これってトレッキングをする人には常識的な話のようである。

でもよかった。シューズがバラけたのが五日市で。
これが人里離れた山の中だった日には目も当てられない。

「しばらく使っていない場合はお出かけになる前にちょっと歩いてみた方がいいですね。それと、しまいこんでしまったというのが逆によくなかったのかもしれません。普段からちょこちょこ履いた方が長持ちしたかもしれません。でもトレッキングシューズは一生ものではありませんから、いずれにしてもソールは劣化します」

そうなのか。トレッキングシューズが一生ものとは思っていないけれど、5年というのは短命だ。
知っていればバンバン普通に履いたのに。それにしてもちょっとこのまま捨ててしまうのはもったいない。私の靴はソールはダメでも上の部分はまだまだ丈夫で使えそうだ。修理とかして復活させる方法はあるのだろうか。
「メーカーによってはソールの張り替えは可能ですよ。ただ、1万円前後しますから、アッパーの部分の状態がかなりいいとか、革の状態がいいとか、そうでない場合はあまりお奨めはしませんね」

他にも数件、電話で問い合わせてみたがやはり同様の答えであった。
最終的には自分で接着剤を買って簡易的に修理して街歩き用として使うしかなさそうだ。

実は五日市で靴のソールがはがれた時、友人と合流して昼ごはんを食べる約束をしていた。一通りの取材が終わった時には情けなさを通り越しておかしくなってきていたので「このネタは話すしかない」と会うなり事のてんまつを話した。
すると友人は笑いながら衝撃的な一言を発した。
「私なんかスキー靴がバラバラになっちゃったもんね」
ええっ〜!! と驚く私に一緒にいたもう一人の友人、彼女の妹がさらに追い討ちをかける。
「そうそう、本当に4コマ漫画見てるみたいだったよ。
滑ってきた後『やぁ!』て板からスキー靴をはずして歩き出した途端、バラバラって歩いた後にパーツが落ちて。あれすごかったよね。周りの人も笑ってたし」再び一同大爆笑。

この話を聞いていたのでお店の人にスキー靴についても聞いてみた。

「スキー靴も劣化しますよ。古くなるとヒビが入ったり割れたりしますし。パーツが取れることもあります。歩いてバラバラパーツが落ちるとかそこまでひどいのは……いやぁ、すごい話ですね」とのことだった。

いずれにしてもアウトドア用品は毎日使うものでないだけにメンテナンスや使用前のチェックは必要なようである。恥をかくだけならいいけれどケガをしたら大変だ。それにしても仲間うちにも同じように靴をバラバラにした経験者がいるとは。「類は友を呼ぶ」とはよく言ったものだ。ところであなたの靴、大丈夫ですか?
(こや)