佐渡を守る異色のヒーロー「離島戦隊サドガシマン」
女子高生にも大人気、「サドガシマン」のストラップ。このほかにもボールペンや、輪ゴムかけ、お菓子などが販売されている
最近、日本各地でさまざまな“ご当地キャラ”や“ご当地ヒーロー”が活躍しているが、新潟県佐渡市のご当地ヒーローは、かなり斬新なキャラ設定で異彩を放っている。

気になるヒーローの名前は、「離島戦隊サドガシマン」。
彼らは5年ほど前に、佐渡の自然を守り、全国に佐渡を自慢するため誕生した。メンバーの3人は、流人をモチーフにした「シマナガシーブルー」、金山をイメージした「ザクザクゴールド」、紅一点の「トキレッド」と、いずれも佐渡にちなんだ特徴を持っている。

しかもリーダー的存在のシマナガシーブルーは、その名の通り“前科アリ”という経歴の持ち主。今は更生して社会復帰し、佐渡のためにがんばっているのだ。
戦隊ヒーローなのに前科持ち!? といった意表を衝くユニークな設定が気になって、「サドガシマン」グッズの製造販売を行っている株式会社タカチホ 佐渡営業所の方に、詳しいお話を聞いてみた。
「『サドガシマン』は佐渡ならではの新たなおみやげを作りたい、という思いから生まれました。
佐渡というとトキを思い浮かべる方が多いので、トキに変わる新しいマスコットを提案したかったんです」
シマナガシーブルーの前科持ちという設定、かなり思い切ったアイディアですよね?
「シマナガシーブルーの設定は冒険でしたが、世の戦隊ヒーローは正統派ばかりなので、たまにはこういう異色のヒーローがいてもいいんじゃないか、と思い切って発売しました」
ちなみにシマナガシーブルーの縞模様は、昔の流人が腕にした入れ墨がモチーフで、彼が特技とするおけさ踊りも、佐渡の流人が年に一度のお祭りで踊ったものなのだとか。

そして、戦隊モノで見逃してはならないのがヒール(悪役)の存在。
「サドガシマン」の活躍を妬み、常に邪魔をする「ズルガシマン(シマナガシーブラック)」は、どこか憎めない悪者キャラだ。このズルガシマン、特にシマナガシーブルーをライバル視しているそうなのだが、見た目もシマナガシーブルーを意識して、白黒の縞模様になっている。

どのキャラクターも幅広い世代に人気だが、シマナガシーブルーとズルガシマンは特に女子高生の支持率が高いとか。トキレッドは小学生が修学旅行のおみやげに買っていくことが多いという。

「サドガシマン」の存在は、県外にもじわじわと浸透しているようだ。そういえば、埼玉に住んでいる私の知り合いも、シマナガシーブルーのストラップを営業用のお守り代わりにしていて、仲間内でひそかなブームが起きているといってたっけ。

「離島戦隊サドガシマン」グッズは、新潟駅や佐渡島内のホテル売店、観光施設、佐渡汽船ターミナルなどで購入可能。佐渡のおみやげに、学校やオフィスでの話題作りに、大胆なキャラ設定が強烈なインパクトを放つ「サドガシマン」はいかが?
(藤井春香)