女性のイメージアップや気分転換にメイクアイテムを変えるのは、すでに当たり前のこと。
春メイクや秋メイクなど、季節に合わせたアイテムを選ぶのも女性ならではの楽しみともいえますねぇ。

最近、なにやら耳にしたウワサによると、本物の紅花だけを使った口紅がブームの兆しなんだとか。そんなウワサの理由をメーカーさんにさっそく聞いてみましたよ。

答えてくれたのは、伊勢半本店の島田さん。伊勢半本店は、1825年に創業した、江戸時代から変わらぬ製法で口紅を作り続ける老舗中の老舗メーカー。
さっそく今なんでブームなのでしょう? と聞いてみると意外な答えが。
「最近は、開運や縁結びなどで神社に行く方が増えたからですね」と島田さん。

なんでも、紅花の「赤」には昔から女性を守るパワーがあると信じられてきたとか。

「もともと紅花は血のめぐりを良くするということで女性の体を守るとされてきました。日本の通過儀礼の中で、古来から赤色が魔を祓うとされてきたのです」
なるほど紅白の赤にはそんな意味があったんですね。今では神社ブームでそのことを知った若い女性が、こっそり秘蔵アイテムにしているんだそう。

昔から赤は、人の一生に寄り添う縁(えにし)の色として、人生の節目のお祝いに用いられてきたそうで、新生児を悪しきものから守り、流行病を防ぐために直接、紅を飲ませたりしたという記述も江戸時代の書物『女重宝記』にあるとのこと。また初宮参りでも、初めての公式な外出に備えて魔除けのために紅染めの産着をきせたり、紅で新生児の額に「大」「小」「犬」などの文字を書く「アヤツコ」と呼ばれる風習があり、この「アヤツコ」は、今でも関西地方で行われているとか。


さらに、江戸時代の女性にまつわる儀礼教養書『女用訓蒙図彙』に、婚礼調度としてご両親から娘に送られた品のひとつにも、紅が書かれており、ご両親の娘の幸せを願う思いが紅に込められているのだそう。

伊勢半本店は、古式正しい製法で紅花の花弁にわずか1%だけ含まれる赤色色素を抽出し、そこから口紅を作っている日本で唯一のメーカー。たった2人の職人が一つ一つ丹精込めて仕上げており、もちろん無添加なので他の口紅が使えないアレルギー体質の肌でも使用できるんだとか。
「紅花だけで作った口紅は玉虫色をしていますが、つけると鮮やかな赤に変わります。この玉虫色が高品質の証です」と島田さん。年間に少量しか作られていない希少品なのも、わかりますねぇ。

しかしそれにしても、女性のための限定アイテムと聞くと、買い物心がウズくのは私だけ……?!
(カシハラ@姐御)