5月9日は母の日。工夫をこらした贈り物もたくさんあるが、カーネーションは今も昔も不動の人気だ。
やっぱり女性は花束をもらうとうれしいし、思いのこもったものはなおさら。だから、できるだけ長く楽しみたい。
世間で言われている花を日持ちさせる方法にはいくつかあるが、どの方法が一番有効なのだろうか。さっそく試してみた。

まず、一般的に言われている花を日持ちさせる方法を含めて、比較のために次の4つを用意した。

1. 水道水のみ
2. 水道水+10円玉3つ
3. 水道水+台所用の塩素系漂白剤
4. 水道水+市販の切り花を日持ちさせる薬剤

水の量は、500ミリリットルのペットボトルに、水の量がペットボトルの半分くらい。
そこに、花屋で咲き具合が同じくらいのカーネーションを4本選んでもらい、水切りしたものを1~4に一本ずつさした。
気温18度~20度の環境に置き、1~3は5日に1回水を換え、4は商品の説明書きのとおり、水が少なくなったら決まった割合で希釈した薬剤を加えた。実験中は水が濁ることはなかったので、一度も換えなかった。

実験開始から10日後。1と2の花びらの一部が茶色くなった。3と4は、花びらの先端がわずかに茶色くなっただけ。


15日後。2は花全体が小さくなってしまった。1は半分以上の花びらが茶色くなり、茎の一部に緑色のカビが発生。3は花の一部が茶色くなった。4は10日前とあまり変わらず、花も大きいままで最も元気。

花の個体差を考慮した上で、結論は、家庭にあるものを使って切り花を日持ちさせるには、漂白剤を加えるのが最も効果があるようだ。
そして、少し費用がかかっても、やはり専用の薬剤を使うのが最も日持ちする。

生産農家や花屋に聞いたところ、花が日持ちしない理由は主に二つあるそう。
●花瓶の水の中でバクテリアが増殖し、切り花の導管を詰まらせる。
●切り花から出るエチレンガスが花を老化させる。
市販の薬剤にはこれらを防ぐ成分が入っていて、漂白剤にもバクテリアの増殖を防ぐ効果があるそうだ。ちなみに、今回使用した薬剤の成分を見ると、抗菌剤のほかに、切り花の栄養となる糖類、無機イオンが入っていた。


その他、水をこまめに換えたり、切り口がぬるぬるしてきたら洗ったり切ったりすることでも、日持ちにつながるという。今年の母の日、贈ったお花でぜひお試しください。
(ミドリ)