東日本大震災が起きてから、部屋に防災バッグを常備している。バッグの中には懐中電灯、帽子、軍手、使い捨てカイロ、水などを用意。

そして、他にも大事な物があるだろう。真っ先に挙げられるのは、やはり「食料」。缶入りカンパンやビスケットといった備蓄食品が、絶対に必要だ。

ただ、災害時に栄養のバランスの良い食事を取ることは困難。そこで、このような食品が誕生となった。大手菓子卸・株式会社山星屋の子会社の「株式会社モントワール」と「株式会社ユーグレナ」は、2社で共同開発した“ミドリムシ入りカンパン”『ユーグレナカンパン』を7月30日より発売するという。


ちなみに、「ミドリムシ」を御存知だろうか? これは藻類の一種であり、ビタミン類や必須アミノなど59種類の栄養素が備わったスグレものである。名前からして“ムシ”に思われがちだが、ムシではない。
「震災後、当社に非常食の要望が数多く寄せられました。また、多くの人に健康な生活を送って欲しいという我々の思いもあり、豊富な栄養素を含むミドリムシをカンパン1缶に500mg配合することで、普通のカンパンよりも付加価値の高い製品を開発することとなりました」(同社・担当者)
今までにコネタでも、“ミドリムシ入り”のソフトクリーム、ラーメン、ハンバーガー、ドレッシングといった商品を紹介してきたが、今回のカンパンは上記の理由で発表された新しい備蓄食品である。

内容量は100グラム。賞味期限は5年。
「人が生きていくのに必要な栄養素をほぼまかなえる」とまで言われるミドリムシが配合されたカンパン。興味深くないですか……?
というわけで、取り寄せて試してみました! 非常食としてふさわしい食品なのだろうけど、今回はリポートという目的があるので缶を開けていただいてしまおうと思います。

さて、缶詰を開けて手に取ってみると……。ん? 一口サイズのカンパンには黒い点々が施されている。これはミドリムシではなく、どうやら胡麻のようだ。
では、いただきます。
……うん、香ばしい! 甘さは控えめ。一つ一つのカンパンが、しっかりお腹の足しになってくれる。
「味としては、ミドリムシ特有の海藻っぽさ、抹茶コンブっぽさはあまりしないです」(担当者)
確かに。普通のカンパンとして気軽に食べてしまえる。しかし、この中には膨大なる栄養素が含まれているのだ。

そんな『ユーグレナカンパン』は、ウェブサイト「ユーグレナファーム」か大手スーパー等で購入することができるという。
価格は、399円(税込み)。

不足しがちな栄養を補える量として、同社では1日に500mg~1gのミドリムシを摂取することを推奨している。そして、1缶の『ユーグレナカンパン』に含まれたミドリムシは500mg。
豊富な栄養素を含む、“ミドリムシ入りのカンパン”の登場である。
(寺西ジャジューカ)