男一人暮らしだと、どうしても外食や弁当、惣菜、インスタント食品ばかりに頼りがちとなってしまう食生活。「いかん、いかん」と自炊を試みるも、無精な性格の場合どうしてもチャチャッと済ませたくなるわけで。

そんなタイプの私にとって、電子レンジを活用した調理器具の誕生は革命的でした。水とパスタを入れてチンしたら、見事に出来上がっているという魔法のような容器。美味いわ、ラクだわ、最高です。

そして今、ある物を使った調理法が話題となっているのを御存知でしょうか? 昨年、アース・スターエンターテインメントより発売された『油を使わずヘルシー調理! ポリ袋レシピ』は、その名の通りのレシピ本。しかも紹介されている調理法は、どこにでもある「ポリ袋」を使ったレシピばかりなのです!
ここで知らない人に説明すると、“ポリ袋レシピ”とは一流ホテルや割烹店、病院食などで広く活用されている「真空調理法」を家庭向けにアレンジしたもの。誰でも簡単にできるよう考案された調理法であります。

手順としては「ポリ袋に具材、調味料を入れる」→「空気を入れて口をひねり、よく振る」→「水を張ったボウルにつけ、水圧で袋の中の空気を抜き、口をねじる」→「ねじった口は上の方で縛る」→「ポリ袋が破れるのを防ぐため、鍋底に皿、またはシリコン製の落としぶたなどを置き、湯を一度沸騰させたら弱火(とろ火)にする」→「ポリ袋を平らにならして鍋に入れ、指定の時間入れておく」という流れになっているらしく。

なんか、超カンタンそうじゃないですか!? しかもメリットは「油を使わないからヘルシー」、「調味料は従来の約半分でOK」、「ポリ袋の中で調理するから、旨み・栄養素を逃さない」など、数多い。
「具材と調味料を混ぜるなどで『ポリ袋』を使うことはあっても、調理全てを『ポリ袋』で完結してしまう調理法に初めて出会い、衝撃を受け、非常に興味が湧きました」(同社・担当者)
特別な道具などを買い揃える必要もない、得だらけの「真空調理法」をたくさんの人に知ってもらいたい! という考えの元、このレシピ本は製作されたという。

そんな同書、「肉のおかず」、「魚のおかず」、「野菜のおかず」、「汁物/スープ」、「ごはん/めん」、「デザート」と、6つのジャンルにカテゴライズ分けされているのだが、その中でも特に人気の高いメニューは何なのだろう?
「普通に調理すると水分が抜けてパサついたり固くなってしまい、油分も多い『肉のおかず』、そして煮崩れやフライパンへのこびりつきが面倒な『魚のおかず』の人気が高いです」(担当者)
具体的には、
肉……「ローストビーフ」、「バンバンジー」、「揚げないヘルシーから揚げ」
魚……「サバの味噌煮」、「エビチリ」、「とろ~りかに玉」、「ぶり大根」
といったメニューの人気が高いらしい。

これ、実は私も試してみたんです。チャレンジしたのは「揚げないヘルシーから揚げ」! 出来上がりを思い浮かべただけで、ヨダレが出てしまいそうな一品なのですが。

食材として用意したのは、もちろん「鶏もも肉」(200グラム)。そして「からあげの素」(大さじ3)と「片栗粉」(大さじ2)。もう、それだけなんです。これらをポリ袋に入れてもみ込み、空気を入れてシェイク! そしてそのポリ袋をボウルにつけ、中の空気を抜いてあげ、口を縛る。
ここまでは、まだわかります。しかし、ここからそのポリ袋を鍋に入れるのが新境地だ。
だって、こんなの生まれて初めてなんだもの。そして、このまま加熱15分を待機してください。

はい、15分経ちました。さあ、ポリ袋から取り出すと……。あらー、から揚げだ! しっかり、衣も出来上がっています。全くもってマジカルな調理法だよ、しかし。

さて、出来上がりを食べてみると、紛れもなくから揚げで! 驚くほどのやわらかさだし、噛むとジュワッとするし、揚げてないからヘルシーなわけだし。通常のから揚げと比べるとカリカリ感は劣るかもしれないけど、味は思いっ切り染み込んでいます。
あと何が良いって、後片付けとして洗い物が少なくなるのがいい。何せ、ほとんどポリ袋内で完結しているのだから。台所も、キレイなまんま!

ちなみにこの調理法を考案した同書の著者・川平秀一氏の経歴が物凄いのです。フランスで修行を重ね、帰国後は白馬ロイヤルホテル、斑尾東急ホテル、ホテルコートランドの総料理長を歴任した人物だという。

そこで一つ、お伺いしたい。川平さんも「真空調理法」を実践するため、家庭でポリ袋を活用していたりするんでしょうか?
「川平さんは、ご自宅ではほとんどお料理をされないようです。ただ、奥様や娘さんは、ほぼ『ポリ袋』を用いて調理されているそうですよ!」(担当者)
プロの家庭でも採用されている調理法が、この“ポリ袋レシピ”なのだ。

聞くところによると主婦に人気の一冊だそうですが、個人的には私と同じ境遇の方(一人暮らしの男性)に注目していただきたいレシピ本ですね!
(寺西ジャジューカ)