「最近の若い者は」なんていつの時代にも耳にする文言だし、ステレオタイプ極まりないです。そういや以前、会社を起ち上げたエネルギー溢れる女子高生(当時)社長を取材したことがあるし。

一方で、おばちゃんのパワーも侮れない。“おばちゃんばかりのアイドルグループ”をご紹介したこともありました。

さて、今回は福井県鯖江市についてです。同市、なんか妙な“課”を設立しています。では、一つずつ御紹介していきましょう。実は鯖江市役所、今年の4月に「JK課」を設立しています。

鯖江市にて、「JK(女子高生)課」と「OC(おばちゃん)課」が発足!
“おとなとこどもの中間”による感性でまちを楽しく面白くする「JK課」。

と言っても、実在する課名ではなく。女子高生13人が所属する“プロジェクト”が発案したものを市がバックアップする、という流れだとお考えください。
「『おとなとこどもの中間』という独特のポジションから創り出される世界観や、枠に縛られない柔軟な視点・感性を最大限に発揮し、自分たちのまちを楽しく面白くしていくための新しい企画やアイディアをカタチにしていきます」(鯖江市役所JK課ウェブサイトから引用)
そんな「JK課」、今までにいくつか成し遂げてきました。5月にはマラソン大会のボランティアに参加、6月と9月にはゴミ拾いイベントを開催、8月には「鯖江スイーツフェア」に参加して市内を盛り上げるため新しいケーキのアイディアも発表しています。

そんな中でも特筆すべきは、「図書館情報アプリ」の開発でしょうか。その名も『Sabota(サボタ)』。

鯖江市にて、「JK(女子高生)課」と「OC(おばちゃん)課」が発足!
話題の図書館情報アプリ『Sabota』は、JK課が開発。

同市図書館の自習コーナー11席の空席状況が瞬時にわかるだけでなく、蔵書検索や図書返却の場所確認も可能。自習室に人が座席に着くと反応する赤外線センサーを取り付け、アプリに反映させるという仕組みだそうです。
この企画、まさに“課員”が図書館に訪れた際に満席で利用できなかった経験がきっかけとなっています。ピンクを基調とし、レッサーパンダのイラストをあしらったデザインも「JK課」が考案しており、JKのセンスがその辺から窺えるじゃないですか! ……念の為に、強調しておきますよ? JK課の活動は主に放課後や休日を利用しており、平日の学業に影響はありません。
「メンバーが高校を卒業した場合、メンバーの入れ替えをし、その後も活動は続いていく予定です。また卒業メンバーもOGとして、継続的に何らかの活動に関わっていただくことを考えています」(鯖江市役所担当者)

続いて、同市にはこんな“課”もあります。
その名は「鯖江市OC課」! 「OC」とは「おばちゃん」の略です。
鯖江市にて、「JK(女子高生)課」と「OC(おばちゃん)課」が発足!
「おばちゃんが鯖江を変える!」と意気込むOC課。

事の経緯は、「JK課」に感銘を受けた市内の女性グループが「私たちにも何かできる!」とOC課の立ち上げ活動を始めたことがきっかけ。今まで「多目的トイレの改善」を提案したり、クリスマスに開催予定の友達作りを目的とした交流会「友活」をプロデュースしたり、さまざまなまちづくりに尽力。「おばちゃんが鯖江を変える!」と、意気込んでいます。

……と、公的機関としては非常に振りきった活動を行っている鯖江市ですが、今までにどのような反響が寄せられているのでしょう?
「市内の方々からは『一緒にコラボしたい』『事業を応援したい』という申し出が数多く寄せられ、現在できるものから共同で事業をスタートさせています。また、これらの活動を通じて『鯖江市は“元気なまち”である』というイメージを広めることができたのも大きな成果だと考えています」(担当者)
特にJK課に関しては「私も参加したい!」という声が市内の女子中高生から寄せられており、若者の意識を高める結果にもつながっている模様。


“JKパワー”に“おばちゃんパワー”、どちらも力強そうです!
(寺西ジャジューカ)