仕事をするのに、タスク管理というものは欠かせない。
毎日のやるべきことに精一杯なところにやってくる突然の「あれやっておいて」。
ひとつならまだいいけれど、立て続けに言われるとそれだけで私の頭はパニック。やりきれるのか? どうしたらいいのか? 何から始めるか? 考える時間がもったいないと焦ってとりあえず目の前のものから始めてみるけれども、やるべきことが終わらず、結局残業する羽目に……。

そんな日々をもうやめたい! と思っていた最中に出会ったのが『マンガでわかる! 幼稚園児でもできた! ! タスク管理超入門』である。
幼稚園児にもできるタスク管理で「忙しい!」を卒業する
『マンガでわかる! 幼稚園児でもできた! ! タスク管理超入門』岡野純/リットーミュージック

幼稚園児にもできるなら、私にもできるに違いない。そう思って読み始めてみたところ……マンガで書かれているからか、非常に分かりやすく読みやすい。スイスイと、2時間もかからず読みきることができた!
ビジネス書を読んでも実践できずに終わることの多い私が、「できそう!」と思えたのは、最初にやることが「とりあえず書き出す」ことだったからだ。
そして次に「やらないことは消す」「細かく砕く」など、順を追ってタスク管理の仕方が書かれている。

また、Nozbe(ノズビー)やToodledo(トゥードゥルドゥー)などタスク管理の際のオススメのアプリも書かれている。紙に書くなら私にもできそうだが、アプリは使いこなせるのだろうか……? 不安になってきたので、著者の岡野純さんにタスク管理を実践するときのアドバイスをいただいた。
「おすすめのアプリなどを紹介してはいますが、基本的にツールは問いません。それこそホワイトボードでもできるからこそ、幼稚園児の娘でもできたのだと思います。まずは普段自分が使い慣れているツールで同じようなことができないだろうか、と考えていただくと良いのではないでしょうか」

なるほど。
アプリを使わなくてもいいのか。自分に合ったツールや、やり方を探してみることにしよう。また、タスク管理を続けられる秘訣というのも聞いてみた。
「タスク管理は『始めること』と『続けること』が難しいと思うのですが、いずれの場合においても役立つのは『意識ではなく環境を変える』という考え方です。たとえば『1日1個やりたいことを洗い出そう』と思い立ったらそれを決意するだけでなく、『やりたいことを1個書こう!』というメッセージとともにスマホのメモアプリが毎日通勤電車に乗るタイミングで自動起動するよう設定する、というように、限りなくそれを実行しやすい環境を整えるということです」

「明日からタスク管理をする!」と意識を変えるだけじゃダメらしい。
岡野さんのアドバイスに従い、まずは、タスク管理をする環境を整えるため、一日の仕事の最後に、タスクを書き出したリストのなかから、次の日仕事でやることをリストアップする時間を作った。
そうしたら翌日の朝、何からやるか、明確な状態で仕事を始められるようになり、朝から何をすればいいか迷ったり、焦ったりすることがなくなった!
タスク管理は仕事の効率を上げるということだけでなく、精神衛生上にもとても良いようだ。

また岡野さんは、タスク管理はビジネスパーソンだけのものではないと教えてくれた。
「『あれもこれもやりたいけどなぜかやれないし、なにからやればいいかわからない』というモヤモヤした状態から脱し、ストレスを減らすことができるのがタスク管理です。そしてそれを実践するにあたり必ずしも高度な知識やツールは必要ありませんので、そういう意味では主婦や学生さん、幼稚園児などあらゆる人におすすめしたいスキルですね」

あなたも本書を読んで、岡野さんのタスク管理のエッセンスを取り入れ、忙しい病を卒業するのはいかがだろうか。
(相原奈那子/boox)