洗髪のとき、シャンプーを流すのは、上からですか、下からですか。

「上から=上を向いて頭頂部側から洗う&流す」「下から=下を向いて襟足側から洗う&流す」の違いは、単なる好みの問題だと思っていたけれど、実はそこには“世代差”があると耳にした。


シャワーでの洗髪方法に世代差 「下から」が多いのは40代以上?


「下から流す」人は40歳以上!?


大まかに言うと、「下から洗う(流す)のは40代以上で、それより下の世代は上から流す」そうだ。
その理由は、「シャワーの普及」の時期の違いというが、確かに、40代の自分は「下から洗い流す派」で、友人たちも、親や姉たちもそうだった気がする。
だが、中学生の娘はやっぱり「下から」派。聞いてみると、学校の修学旅行などの宿泊行事・イベントなどで見る限り、友人たちも「下から流す人がほとんどだった」と言う。
しかも、こんな気になることを言うではないか。
「子どもは親のやり方をマネするから、もしかして親の世代の違いじゃない? ほとんどの子が下からだったけど、そういえば、ママがすごく若い〇〇ちゃんだけは上から流してたよ」

そこで、ヘアケアに関する多数の調査データを持つ花王に聞いてみたところ、以下の興味深いデータを教えてくれた。

洗い方の変化



シャワーでの洗髪方法に世代差 「下から」が多いのは40代以上?
【花王 メリット 調べ】


子どもは意外にも「下から」派多数!


データを見ると、「上向き」「下向き」は、40代以上と、40代未満とで分かれていることがわかる。
そして、気になる子ども世代においても、「中学生以上は圧倒的に下向きが多いのに、小学生以下は上向きと下向きの割合が半々に近い」という結果が見られたのだ。


シャワーが一般家庭に一気に広まったのは昭和50年代


ところで、昭和30年代は、内風呂はまだまだ贅沢で、銭湯全盛だった時代。それが、シャワー習慣を持つ進駐軍がガスのインフラ整備やガス器具開発を強く要望した背景などから、昭和40年代に入って、台所のガス小型湯沸器、内風呂(1963年家庭風呂普及率60%)が普及し、シャワーも一般家庭に普及し始めたようだ。
だが、当時は湯温の調節がしにくいなどの問題があり、サーモスタット機構の付いたシャワー水栓が開発されてから一般家庭に広まっていった。さらに、昭和50年代に入ると、安全性が高く、シャワー浴もできる「バランス釜」が普及したらしい(キッチン・バス工業会の資料による)。
銭湯での入浴から内風呂に変わり、頭を下に向けて手桶でお湯をかぶっていた時代から、シャワーが一般家庭に普及したことにより、上からシャワーを浴びる時代になっていった。

頭を下に向けず、上からシャワーを浴びるシャンプーのCMやドラマシーンなどの影響もあるだろう。

ちなみに、洗髪翌の皮脂量については、同じく花王で以下のデータもある。


洗髪翌日の皮脂量



シャワーでの洗髪方法に世代差 「下から」が多いのは40代以上?


データからわかるように、上向き洗いは下向き洗いに比べ、洗い残しが多い洗い方と言える(襟足などの洗いにくさなどが原因)。

「上向き」派の世代は、襟足の洗い残しなどにご注意を。
(田幸和歌子)