輪切りパインアイスは何故パインそっくりなのか
画像)井村屋製菓提供
沖縄の梅雨があけ本格的な夏がやってくる。
暑い時はやはり冷たい食べ物ということでアイスの話題。


今では一年中売っているアイスクリームだが、昔はやはり季節商品といったイメージが強かった。
そんな私が子どもの頃からあるアイスの一つが井村屋製菓の輪切りパインアイス。
井村屋というと肉まん、あんまんのイメージが強いが、実は井村屋で肉まん、あんまんの販売を開始したのは昭和39年。アイスクリームの販売はその前年の38年でアイスクリームの方が先なのである。

パインの輪切りそっくりなこのアイスは昭和50年代に登場。
パクッと食べるとまるでパインそのものを食べているようにアイスが崩れることなく最後まで食べられるのが特徴だ。


子どもの頃は輪切りパインアイスを本物のパインを凍らせたものだと思っていた。そう、そのくらいインパクトが強いものだった。この輪切りパインアイス、実はモノが凍る物理現象を上手く利用したアイデア商品なのである。

普通のアイスはアイスミクッスの中に1本づつバーを刺して凍らせていくが、輪切りパインアイスではその作りからして違う。

パインアイスはシフォンケーキを作る時に使うような容器で、パインの芯と表皮を取除いた形ができる凹型のアイス用金型を使って作られている。
アイスミックスを金型の内側と外側から同時に凍らせることによって氷の結晶が放射状に成長する針状結晶を作り出しているのだ。
生のパインと同じような繊維に似たあの独特の食感は氷の結晶のでき方にそのヒミツがあったのだ。そして容器から外して真ん中に穴のあいた円筒形のアイスの塊を輪切りにすると出来上がりというわけ。
それにしてもこんな科学が輪切りパインアイスにあったとはちょっと驚きである。

この製法は昔と変わらないそうだがお味の方は年々グレードアップ。
今年はパッケージも新しくなって完熟ゴールデンパイン果汁を80%使用とのこと。となるとかなり本物の生パインに近い! これはすごい!(こや)