カチカチに凍りついたカレーを食べにいく
写真上:カレールーが見えないほど具材がたっぷり。写真中:ドレッシングをかけるとさわやかさ倍増。写真下:スプーンですくうときの感触も体験するべし
冷たいからこそ美味しい料理といえば、だんぜん冷やし中華!! 千切りのキュウリ、スライストマト、そして酸味の効いたスープが冷たい麺の味を引き締めて、実に美味しい麺料理だ。しかしなんでも冷たくすればよいというものではない。
冷たい焼きそばや冷たいお好み焼きはとてもまずいし、冷たいカレーなんて常識的に考えてかなりヤバイ味になるはずだ。しかし、何を思ったのか、「冷やし中華にインスパイアされて冷たいカレーを作ってしまった」お店が東京・浅草にある。いや……明確には、冷たいカレーではなく凍っている「氷カレー」だが。

そんな「氷カレー」のある『カフェ・ラティーノ』は、「いちごカレー」や「人形焼きカレー」など、とんでもない……じゃなくて、バラエティーに富んだカレーを作っていることでも有名な、カフェレストランである。キーマカレーを凍らせて砕いた「アイスカレー」ならば東京・新橋の『nagafuchi』にもあるが、『カフェ・ラティーノ』は製法がそれとは異なる。なんと、カキ氷と同じ要領で凍ったカレーをシャリシャリに削るのである。
それを1枚の丸いプレート状にし、同じく丸いプレード状にしたライスに乗せ、さらに具材を乗せるのである。スポンジの上に生クリームを乗せ、さらにスポンジを重ねるショートケーキの要領だ。

そして見た目は……具材がまるで冷やし中華!! た、確かに、冷やし中華にインスパイアされただけのことはある!! 美しく盛られた「氷カレー」にスプーンを入れてみると……ジャリッ!! という音と感触が!! カレーでジャリッとするなんて普通ありえない。本当に凍っているんだな……。部分によっては、凍っているがゆえに硬くなっていて、スプーンがライスに到達しない部分もあった。そうか……このカレーは、普通のカレーには必要のない作業、「砕く」が必要なのか。


肝心の味だが、ディ・モールト(非常)に美味しいッ!! 普通、カレールーは冷たくなると脂分が固形になり、口の中にへばりついて最悪の味になるのだが、「氷カレー」のカレールーは、非常にさっぱりしている!! まさに、カレーに野位置を賭けた店主の職人技である。また、「氷カレー」とセットになっているイタリアンドレッシングをかけて食べても美味しい。酸味が加わるので、冷やし中華風味になるのだ。この「氷カレー」を食べたい場合、前日までに予約が必要だが、夏になれば常時食べられる定番メニューにするという。値段も900円とお得なので、一度はこの未体験カレーをお試しアレ!!
(空条 海苔助)