美容室はなぜ月曜定休の店が多いのか
美容院の定休日にも、いろいろ理由があるのですね。
かつて長野に住んでいた頃は、美容室の定休日と言うと、月曜日が当たり前で、大学で上京したばかりの頃、東京では多くの美容室の定休日が「火曜」ということに、衝撃を受けた。

これって、全国共通じゃなかったの? でも、調べてみると、東京では火曜定休の店が多いが、全国的には、やはり月曜定休が主流らしい。


では、そもそもなぜ月曜が定休日になったのか。全日本美容業生活衛生同業組合連合会に聞いた。
「ご指摘の通り、全国的には月曜定休が多いんですが、それはずいぶん昔、戦前の電力事情がよくない時代からのようなんです」
と言うのは、広報担当者。

かつてはコールドパーマなどがなく、髪に何十本も電極をつける「電髪(でんぱつ)」というパーマが主流だったそうで、美容室=電気を大量に使う場所とみなされていたそうだ。
「そこで、電力の供給にあわせて、休日の後、つまり、月曜には電気をたくさん使うものをストップしようということで、美容院を休みにすることになったと言われています」
ただし、これはあくまで憶測で、本当かどうかは不明とのこと。ちなみに、美容院の定休日は、かつて月曜定休だった百貨店にあわせているという説もあるようだ。


さらに、「定休日」がきっちり決められたのは、昭和35年前後。
「『適正化規定』という法律に基づいて、都道府県ごとに、組合が定休日や料金、営業時間などを決めることになったんです」
ただし、これも今では「公正取引委員会」の指導により、完全に自由になっている。つまり、いつ休んでも、休まなくてもいいわけなのだが、それでも月曜定休が多い理由は、
「都道府県ごとに決まっていた頃のなごりでしょうね」とのこと。

東京に来て15年ぐらいたつのに、いまだに「美容院の定休日は月曜」とときどき思ってしまう自分などの例を考えても、長年刷りこまれている「休日」感覚は、やはりかえがたいものなのかもしれない。
(田幸和歌子)