中国では、日本で常用漢字191字追加試案を文化審議会国語分会が了承するニュースが報道されたことで、29日ごろから電子掲示板で中国人のインターネットユーザーが意見を表明している。反日的な書き込みもあるが、漢字文化に対する近代日本の貢献を評価する意見も目立つ。


 最も極端な国粋主義または反日的な書き込みとしては「日本はもともと中国の一部」、「世界に言語は2種類しかない。英語と中国語だ」などがある。

 別の反日的な書き込みとしては、「日本は中国から漢字を盗んだ。特許料を取れ」という意見がある。これに対しては「中国語でも(発音表記で使う)ピンインはローマ字。これだって盗んだことになってしまう」、「中国語は算用数字やローマ字を使わないのか?」などの反論がある。


 日本を評価する書き込みとしては、「遣唐使の時代から、国外のすぐれた文化を懸命に学んだ」、「他者の長所を学び、自己の短所を補うことについて、日本人を見習わねばならない」などがある。

 幕末から明治期にかけて、日本が西洋文明を導入するために、多くの漢字語を作ったり中国の古典から復活させたことを背景に「政治、派出所、警察、社会……。どれも日本から来た外来語だ」とする意見や、「中華民国時代、中国の精鋭の多くは日本に留学した。現在、中国の新聞にある言葉の3分の2は日本から来た言葉。疑うなら、数えてみればよい。古代中国は先進国だったので日本は学んだ。
近代になり、中国は先に進んだ日本に学んだ。これは争うことのできない事実だ」との主張もある。

 日本旅行をした際、漢字による筆談で道案内をしてもらった経験を紹介し「日本では漢字を多く使ってもらえれば、それだけ意思疎通に役立つ」とする書き込みや「(常用漢字を)せめて3000字ぐらいに増やしてもらえれば、もっとコミュニケーションができるのだが」という声もある。(編集担当:如月隼人)

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