世間の耳目を一心に集める横綱・朝青龍の暴行事件。当初、マネジャーとされていた被害者が一般人男性とわかり、相撲協会も重い腰を上げざるをえなくなった。

朝青龍もついに崖っぷちに追い込まれたが、その裏では闇社会が一気に動き出していた。

 被害者の一般人男性は某有名クラブの事実上のオーナーX氏で、実は押尾学の薬物事件などでもその名が取りざたされた人物。

「とにかくケンカっ早くて有名。六本木界隈では"狂犬"と恐れられていた。そのX氏も朝青龍の前では泣いて助けを求めたのだから、事件がどれほどのものかわかるはず」(六本木の黒服)

 普通なら即被害届を出してもおかしくはない。ところがX氏も"出せない"理由があった。

裏社会に通じる人物が声をひそめて明かす。

「被害届を出したら自分の周辺を捜査されることになる。それはマズイ。彼自身も押尾やのりピーの事件でも名前が出たように、スネに多くの傷を抱えている」

 そこでX氏は裏で金銭での決着を考えた。大横綱の力士生命をも左右する"ネタ"だ。X氏は強気の態度で、仲介者のY氏を通じて朝青龍側と示談交渉を開始した。

「メンツを潰されたX氏の怒りは相当のもので、朝青龍側に3,000万とも5,000万とも言われる示談金を要求したそうです」(事情通)

 ところが、交渉の場に朝青龍側が連れてきた面々はX氏の予想以上にヤバかった。前出の裏社会に通じる人物は「その筋の有力者を連れてきたそうです。その恐ろしさはX氏も重々承知している。結果、X氏の威勢は削がれ、当初の半分の額、1,000万から1,500万で示談が成立したそうです」と明かす。

 だが、騒動はこれだけでは終わらない。暴行事件の詳細がマスコミに次々と報じられたからだ。

1月30日になってようやく「被害男性と示談成立」という報道がなされたが、もはや焼け石に水。示談の成立などどうでもよく、大横綱が一般人を殴って怪我をさせた事実こそが問題で、朝青龍には2月4日の委員会で「引退勧告」か「解雇」という厳しい処分が下されることが濃厚だ。

 だが、そうなると逆に大変なことになるのがX氏。

「朝青龍が解雇になったら、それこそ朝青龍側に付いている闇勢力が何をするかわからない。そもそも今回の報道が広がりを見せたのは怒り心頭のX氏が周囲に吹聴したためと言われている。朝青龍を"追い込む"つもりが、逆に自分が"追い込まれる"立場になり、気が気じゃないでしょう」(相撲担当記者)

 朝青龍の進退次第、今後もうひと波乱あるかもしれない。



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