1970年代の中頃、アイドルグループ・ずうとるびの一員として絶大な人気を誇った新井康弘さん。近年では、『大好き!五つ子』シリーズで、五つ子の父・桜井良介の役などで俳優としてもお茶の間に定着。
日曜日の超メジャー番組「笑点」の「ちびっこ大喜利」にて、山田隆夫が座布団10枚を獲得したことが結成とデビューのきっかけとなった、音楽グループずうとるび。とくにイケメンを集めたわけでもないのに、テレビに出るやたちまち若い女性や小学生に大人気のアイドルグループになってしまった。デビュー当時10代後半だった新井さんは、「何で自分たちがこんなに人気があるのか分からない」と思っていたそうだ。
どこにでもいる普通の男の子が集まって、テレビで歌い踊り、いろんな面白い事をしてくれる。
アイドルから俳優に転向し、仕事が激減した時も、常に「なんとかなるさ」の精神で芸能生活を続けて来たという新井さん。幸運にも『大好き!五つ子』の父・桜井良介役などのレギュラーに恵まれ、舞台作品では加藤健一事務所との付き合いも長い。
介護される父、父の介護に手を煩わす妻との関係、約50年前にアメリカで書かれたこの作品で描かれる家族の問題は月日が経っても普遍的なもの。シリアスになりがちなテーマながら、そこは加藤健一事務所。加藤によるロンや多彩な出演者が演じる個性的なキャラクターたちが、小粋でユーモラスな舞台に仕上げてくれる。
いつのまにか大人の俳優として活躍する、かつての人気アイドル・新井康弘も53歳。自身も両親と暮らし、80代になるお父様は至ってお元気なのだそうだが、『木の皿』の介護問題が身につまされる年代、じっくり演じたいという。
写真:『木の皿』お稽古場で