芦田愛菜&シャーロット・ケイト・フォックスがダブル主演を務め、野島伸司氏が脚本を手掛けるホームドラマ『OUR HOUSE』(フジテレビ系)の最終回。初回から平均視聴率4.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、不穏なスタートを切った同作ですが、最終回は自己最低となる3.3%でした。
さて、前回は、奏太(山本耕史)と、死んだ妻にそっくりな女性・葵(渡辺舞)が、アリス(シャーロット)の目の前で、妙に生々しいキスをかましましたが、家族はこのまま崩壊してしまうのでしょうか?
■手の平を返す子どもたち
家族みんなから虐げられ、荷物をまとめて出て行くアリス。一方、丈治(塚本高史)から、葵はパリに自分の店を持っていたはずだ、と聞いた桜子(芦田)は、本人に、海外に戻るのに「ママになる」とはどういうことだと問い詰めます。すると葵は、「いずれはという意味」「精神的に支えるという意味」と、ふわっと説明。「夏休みになったら、みんなでパリに遊びに来ればいいのよ。私まだ27歳なの」と言い放ちます。
葵がいずれパリに帰ってしまうことを知った幼い子どもたちは、「ママじゃない!」「アリスは? アリスがいい~」を連呼しながら号泣。桜子も、「アリス、カムバーック!」と絶叫します。って、先週まで、アリスにひどい態度をとっていたくせに、この家族は何を言っているのでしょうか? 登場人物の感情が不安定すぎて、ついていけません。
■どこまでも、ずうずうしい家族
桜子とクラスメイトたちが、担任の犬飼(鏡准一)と「自殺なんて、無理だからー!」と叫ぶ、なんだか気持ちの悪い謎のシーンをはさみ、長らく離婚問題で揉めていた琴音(松下由樹)と拓真(高山善廣)のシーンへ。「いつかまた、俺と再婚してくれ!」「琴音、愛してる!」と、復縁を迫る拓真。そして、結構な時間、抱き合う2人。
その晩、ここまで雲隠れしていた奏太が帰宅。桜子は、アリスよりも葵を選んだ奏太に対し、「あなたはもう、パパじゃない」「二度と戻ってこないで。あなたを勘当します」と、涙ながらに絶縁を言い渡します。相変わらず、愛菜ちゃんの泣きの演技がすばらしいだけに、「この脚本で涙を消費しないでほしい」と思ってしまいます。
別の日、アリスに、奏太との結婚式をセッティングしたとウソをつき、ウエディングドレスを着させる桜子。
■『OUR HOUSE』=サイコパス一族?
奏太を連れてパリに戻るため、空港で待つ葵ですが、そこに現れた奏太は手ぶら。奏太がパリ行きを断ると、葵は「さよなら」と言ってあっさり去っていきました。
その晩、何ごともなかったかのように、夕食時に帰宅する奏太。最初は「出ていって。警察呼ぶわよ!」と押し返していた桜子も、わりとあっさり「おかえり」と受け入れ、一緒に肉じゃがを頬張りだします。さっき涙を流し「勘当よ!」と言っていた桜子は、一体なんだったのでしょうか……。なんだか、この家族に人の心が通っているようにはとても思えません。『OUR HOUSE』は、“サイコパス一族”のことだったのでしょうか?
今回も奏太の見せ場であるサックスシーンはなく、最後は家族写真を撮るシーンで終了。
後半の脚本の投げやり感が印象的だった『OUR HOUSE』ですが、ネット上でも「何、このドラマ……」「1つも共感できないホームドラマって、初めて」「家族全員クズだった」「芦田愛菜の黒歴史完成」との声が。でも、野島先生もきっと、こんな茶番が書きたかったわけじゃないと思うんです! ただ、ちょっと裏でゴタゴタや制約があっただけですよね? そうですよね? ね? そうと言って、先生!
(文=どらまっ子TAMOちゃん)