KPMG女子PGA選手権 事前情報◇29日◇オリンピアフィールドCC(6,588ヤード・パー71)>
米国女子ツアー「ウォルマートNWアーカンソー選手権」で通算5勝目を挙げ、世界ランキング3位から自身初の世界1位の座に躍り出たユ・ソヨン(韓国)。2016年10月から2017年5月までトップ10をキープし、絶好調の中での優勝ともいえるが、実は5月末の「LPGAボルヴィック選手権」で56位タイ、続く「ショップライトLPGAクラシック」では2014年以来の予選落ちを喫していた。

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そういう意味ではナイスカムバックの優勝。実は「ショップライトLPGAクラシック」後に2週間トーナメントを欠場し、悪い結果を引きずることなく立て直してきた。ソヨンの強さはここにあり、良いときも悪いときも、あらゆる状況を冷静に受け止められる「判断力と適応力」を備えている。大会中も始めから終わりまで、一貫して良いプレーができる選手の一人だ。
「ショップライトLPGAクラシック」を例にとると、最終日にエイミー・ヤン(韓国)が猛チャージをかけ、7打差から2打差まで迫った。しかし、ソヨンは11番パー3で初のボギーを叩いたが、引きずることなく12番でボギー。
対してヤンはボギーとし、4打差をつけて優勝を一気に引き寄せた。
「リーダーボードはあまり見ませんでした。誰かと競うことより、自分のゴルフに集中したかったので」
ソヨンは次のように続けた。
「同時に、できるだけ初日、2日目の自分のラウンドと比べないようにしました。この2日間は驚くべきスコアだったし、もし比べてしまったら最終日も決して悪くないのに、80くらい打っている感覚になってしまう。なので、自分に“大丈夫よ、ソヨン、完璧じゃなくていい。
2日間と比べちゃだめ”と言い聞かせて、ボールだけに集中しました」
ソヨンの勝利は、アーカンソーの記録を次々と塗り替えた。2日目は大会新レコードの10アンダー・“61”をマークし、36ホールにおける16アンダーという新記録も樹立。最終日は“69”でまわり、トータル18アンダーでのフィニッシュも大会新記録になり、2016年のリディア・コ(ニュージーランド)の17アンダーを更新した。そして、「ANAインスピレーション」に続く今季2勝目を挙げ、ソヨンが今シーズン初の複数回優勝を獲得した選手となった。
「2勝目を挙げられてとてもうれしいです。ただ、シーズンに複数回優勝できたのはこれが最初ではないですし、今シーズンも3回、4回と優勝できたらいいなと思います」
今週、米国・イリノイ州のオリンピアフィールドCCで開催されるメジャー第2戦「KPMG女子PGA選手権」。
もちろん、優勝候補の一角だ。

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