「藤川先生」、「伏線の回収ラッシュ」、「クララが立ったー」、「映画化!」
放送直後からラストまでTwitterも賑わっていた「コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON」最終話。
山Pとガッキーの愛の行方は?大騒ぎ「コード・ブルー」最終話
イラスト/Morimori no moRi

「コード・ブルー」最終話「暗闇の先にあるもの」


開通前の地下鉄線路内で崩落事故が発生。翔北救命チームがかけつけたが、二次被害にまきこまれてしまった。
藍沢(山下智久)と雪村(馬場ふみか)には大量の土が降りかかり、藤川(浅利陽介)は子どもを助けようとして、瓦礫の下敷きになった。

身動きが取れない藤川。倒れたまま子どもの擦り傷の手当をした。
「数はいくつまでかぞえられる?1000を2回、そしたらきっと駅がみえてくる」
笑顔で話す。ペンライトを渡して、歩き出した子どもを見届けて気を失うように目を閉じた。
フェロー時代はヘリに乗れず同期から遅れをとっていた。
職場ではムードメーカー。医師としては天才肌ではないけれど、医者魂をむき出しにして子どもを助けた藤川がかっこよかった。
Yahoo!のリアルタイム検索では、1位の「コードブルー」に続いて「藤川先生」が2位にランク・インしていた。


ハッピーエンド続々


トンネル崩落事故が収束すると、ラストに向けてめまぐるしく展開した。Twitterでも「伏線回収キター」、「回収ラッシュ」などと賑わった。
今シーズンは元祖5人に加えて、フェロー3人と新海(安藤政信)の登場、橘一家の臓器移植と、登場人物が増えた分だけ物語が同時進行していたので、ラストは慌ただしい感じだった。
臓器移植を受けた橘(椎名桔平)と三井(りょう)の息子、優輔(歸山竜成)は、車椅子から立ち上がって歩けるまでに回復。
TLでは「クララが立った!」などのコメントが寄せられていた。3rdシーズンでは休職して看病に専念していた三井。救命に復帰できる日も近そう。橘とは離婚しているけれど、どうみても家族だった。

自分にも言い聞かせるようにフェローに言葉をかけていた藍沢と白石。
事故を振り返って「あの時ああしていれば」と後悔する横峯に藍沢は、
「自分のせいで死んだなんて思い上がりもいいところだ。
医者は所詮、救える命しか救えない。手の施しようもない患者を神のように救えることなんてできない。救える命を確実に救う、そのために日々学んでる。それは俺も同じだ」

自信喪失の灰谷(成田凌)に白石は、医者を辞めようとした自分の過去を打ち明けた。
「みんながそばにいてくれた。がんばれって励ますわけでもなく、大変ねって同情するわけでもなく。
ただそばにいてくれた、そのおかげで私は現場から患者さんの前から逃げずに済んだ」
「あなたは一人じゃない。だからゆっくりでいい、焦らずにあなたなりの生き方で医者になって」

灰谷は院内で患者を救い、名取は救命センターで腕を磨くことを決めた。横峯(新木優子)と雪村も「がんばろ」と誓う。
「前にやったことあるならやらなくていいでしょ」患者を奪い合うフェロー。現場でも他人任せだったが、事故を境に意識が変わった。
白石たちはそれぞれのタイミングで自発的にスイッチを入れる日を待っていたんだろう。

それぞれが丁寧に言葉を交わすことで問題を解決していった最終話。中でも緋山の言葉は人を動かす力が強かった。
崩落事故の妊婦の救護。お腹の子どもは助かるのに救出を拒否する夫に対して、
「私たちにはその生き延びた命を救う方法があります」
「わかりますか!?あなたの許可がないとこのまま子どもは死んでしまうんです!」
両腕で心臓マッサージをしながら目を見開いて訴えた。
一度は振られた緒方(丸山智己)にも、「私はあなたがいるからって夢を失ったりしない。あなたがいるからもっと努力したいって思える。
その体じゃ私を支えられないって思ってるんだったら、そのぶん心で支えて」
自分から告白しちゃう緋山。
名取(有岡大貴)を自分の病院に戻そうとする名取の父親(名医)にも黙っちゃいない。
「彼は乗り越えていける、自分の力で。彼からその機会を奪わないであげて欲しいんです」
「ちゃんと自分の道を歩きはじめているんです。だからじっと待ってあげてくれませんか」
エスカレーターにのる直前に、回り込んで訴えた。

名取の父からは「緋山先生、これからもよろしくお願いします」と頭をさげられ、まるで「息子さんをください」と挨拶したみたいになっていた。
彼氏も後輩の人生の面倒を一挙に引き受けた緋山。衝動的だけどすごい突破力。
「毎日が過酷すぎて自分のことで精一杯。誰かと時間を過ごす余裕なんてない」
緋山が8話のナレーションで言っていたけれど、弱音を吐いただけか。
緒方と一緒に暮らしたら、きっと部屋の掃除は彼の担当になるだろう。

藍沢と白石のシーンが気になる


1話から二人の恋愛も描かれるのでは?囁かれてきた藍沢と白石。
ヘリポートで二人きりになった。
藍沢「9年前、ここにきた理由は難しい症例が集まるからだった。あの頃は自分のために医者をやっていた。いまは誰かのためで医者でありたいと思う。俺はそれをお前たちから教わった。おれは出会いに恵まれた。お前との出会いも含めて
空を見上げて「お前と」を強調したのにはどんな意味が?
話題を変えるようにして、
藍沢「どうだ、黒田先生の救命は超えられそうか?」
白石「多分無理ね。いや、絶対に無理」

白石の言葉を聞いて、そうかそうかと微笑む藍沢。
「私は私なりの救命を作っていくしかないんだってわかった。強いリーダーシップもない、すぐへこむ、いつも迷ってばかり、そんなリーダーが作る救命、それを精一杯やっていくしかないんだって」
白石が出した結論を聞いて、藍沢は右手の親指を人差し指に当てて3回弾いた。少し間隔をあけて白石の隣に座る。
「そうか。なるべく早くみせてくれ」
もしかして、トロントへ一緒に…と言おうとしたのでは?微妙な間が気になった。

「人はよく人生の苦難を長いトンネルに例える。光の差す出口を目指し、暗闇の中を進んでいく様が人生と似ているからだろう。人はその道を進むために様々な準備をする。あるものは明かりを持ち、ある物は地図を用意し、進む。光の先にある答えを求めて」
人生をトンネルに例えてスタートした最終話。ラストは藍沢のナレーションで終えた。
「ひとりでは辛い暗闇も、ともに歩ける仲間の存在を。求めるのは光そのものじゃない。
光を一緒に探すことのできる仲間だ、それさえあれば歩き続けることができる」

エンディングから息つく間もなく発表された「コード・ブルー」の映画化。小説や漫画などの原作を元にした作品が多い中で、「コード・ブルー」は原作なしのオリジナル作品。どんな展開になるのか楽しみだ。

(柚月裕実 イラスト/Morimori no moRi