スズキが始業前体操分の未払い賃金支払い 「うちの会社も」ツイート相次ぐ
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始業前に朝礼や体操などの時間を設けている企業は多いが、自動車メーカーのスズキが、始業前に行っていた体操の時間分の未払い賃金を支払っていたことが発覚した。


労基署が勧告→未払賃金約1000万円を支払い


SankeiBizなどによると、スズキの相良工場では始業前に任意で約5分間の体操、始業後に1、2分の朝礼を実施していた。しかし一部の部署で体操への参加が任意だと伝わっていなかったほか、始業前に朝礼を行っていたこともあるという。

従業員の報告を受けた労働基準監督署が調査を実施し、6月に是正を勧告。これに基づき、従業員約500人に2016年6月から2017年2月分の未払い賃金、合計約1000万円を支払った。

このニュースに、ネット上でも「労基よくやった!」「これはアウトな会社多そう」といった反響が。
また、「うちの会社もやってるよ10分前から体操やら朝礼やら…」「自分の職場も体操と朝礼、無賃金でやってるわ。。。」「始業前ミーティングしてるんだけどこれ未払金もらえないの?」といった声がTwitterで相次いで投稿されている。


工場や建設現場では、業務前の準備運動は欠かせない。2011年に、簡易保険加入者協会の委託で神奈川県立保健福祉大学「健康サポート研究会」が行った調査では、建設・運輸関係業で「社内全体でラジオ体操を実施している」企業は32.8%。「実施している部署がある」「他の体操を実施している」を合わせると、60.7%の企業が何らかの体操を行っていることが判明した。しかし、89.5%が体操を「始業前」に行っているという回答結果だった。


トイレ掃除・仮眠は勤務時間内!


労働時間の認定について是正勧告を受けた例は過去にもある。
2016年には、西宮市の市役所などに宿直する衛士の仮眠時間が労働時間外になっていたとして、労働基準監督署が是正勧告。
22人の非常勤嘱託職員らに1170万円を支払った。

他にも、イオンの関連警備会社「イオンディライトセキュリティ」も24時間連続の警備業務で定められていた4~5時間の仮眠時間が労働時間に含まれていなかったとして、裁判の結果2017年に未払い残業代と付加金の合計約180万円の支払いが命じられている。

仮眠以外でも、2016年にはコンビニでアルバイトをしていた高校生が、勤務時間前のトイレ掃除などをしていた時間1年分、約2万6000円を巡って会社側と交渉。結果、未払い金が支払われ、15分未満は切り捨てる制度だった勤務時間を1分単位で換算することになり、全従業員約70人にも過去2年分の未払い賃金を支払うこととなっていた。