出版大手講談社が運営しているポータルサイト「MouRa」<http://moura.jp/>が、6月1日をもって部署を解散し、サイトの更新を停止することが明らかになった。

「MouRa」は、2005年に前身である「Web現代」を引き継ぐ形で開設され、「世のあらゆる才能、事象を出版クオリティで提供する"ハイクオリティ・才能ポータル"」を標榜していたが、わずか4年での撤退となった。

 関係者への取材によると、50名あまりの「MouRa」運営スタッフに解散が告げられたのは5月に入ってからとのこと。また、「MouRa」の更新停止後、同サイト内で運営されていたデジタルコミックサイト「MiChao!」も、11月を目処に消滅する公算が強いという。

「前身の『Web現代』は会員制の有料コンテンツ配信サイトとして立ち上げられ、『MouRa』になってからも数々の課金サービスやWebコンテンツの書籍化など、試行錯誤を繰り返してきました。集英社、小学館と並ぶ大手御三家のなかではWEB進出に積極的な姿勢を見せていた講談社でしたが、結局、ネット上では収益モデルを作れなかったということでしょうね。一方の紙媒体では、毎週大幅な赤字を垂れ流し、最近編集長が交代した『週刊現代』や『FRIDAY』にも休刊のウワサが絶えません。『MouRa』の解散は講談社内の大粛清の始まりに過ぎないのかもしれませんね」(関係者)

 08年度の決算で、過去最大の赤字幅76億8,600万円を記録している講談社。

出版界の巨艦はどこへ向かうのだろうか。



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