アリーナツアー、幕張メッセ公演の模様をお届け!
| FUKUYAMA MASAHARU 20th ANNIVERSARY WE’RE BROS. TOUR 2009 道標 | 2009.09.23(WED) at国立代々木競技場第一体育館 |
デビュー20周年を迎えた6月20日の静岡公演を皮切りに【道標】ツアーで全国を駆け抜けてきた福山雅治。ファイナルの代々木体育館4days初日、9月23日の公演に足を運んだ。オープニングは、最新アルバム『残響』1曲目、「群青~ultramarine~」。白い衣装に身を包み、スタンドマイクを前にすっくと凛々しく立って、福山は堂々と歌い出し、自身の歌の世界に観客を一気に引き込んだ。SS=スペシャルサポーター席と名付けられたステージ後方座席にもお客さんがびっしり。会場の全方位から、福山は温かい眼差しで見守られていた。
「とにかく曲を、時間が許す限りいっぱいやります」との宣言通り、この日のメニューは新旧織り交ぜた人気曲のオンパレード。恒例の“出席確認コーナー”でも「一曲でも多くやりたいので、出身地(についての質問)は割愛します」と徹底していた。珠玉のラブソング「milk tea」の余韻さめやらぬ中、『残響』からの曲を畳み掛ける。幻想的な青い照明の中で歌われた「phantom」、ポップなメロディに乗せつつも死をも見据えた人生観を歌った「幸福論」、「milk tea」同様女性目線で描かれた切ないラブソング「ながれ星」など、バリエーションに富んでいるものの、自身の内面を掘り下げる中で生まれたディープな楽曲ばかり。40代にして福山が踏み入れた、剥き出しの、新しい表現の世界が披露されていた。
8月に故郷の長崎県・稲佐山で行われた凱旋ライヴと作りが同じであることを明かしながら、アリーナ中央、花道の先端へと移動。代々木での4日間は「道標ツアーと稲佐山ライヴの良いところをとって、合体させた内容」を届けると明かし、「稲佐山メドレーをお送りします」と告げた途端起こった大歓声に、福山は「そんなに期待してた? ちょっとびっくり!」と嬉しそうに微笑み、「Fellow」「蜜柑色の夏休み」など故郷を思い起こさせる曲でセンチメンタルなムードで会場を覆い尽くした。かと思えば、「Peach!!」では恒例の「尻ヅラ」を着用。お尻にくっ付いた小さなくす玉のヒモをギターの小倉に引っ張ってもらい、「代々木最高!」という垂れ幕が飛び出す…というおちゃめな演出にもいたって真剣。このギャップこそが彼のライヴ、キャラクターの醍醐味だろう。デビュー曲「追憶の雨の中」、最新シングル「化身」と続くと、お客さんはタオルを思い切り振りまくり、クライマックスを迎えた。「明日の☆SHOW」を歌い終えると、「40歳になって、改めて命について考える機会が増えました」と切々と語り始め、「上京して22年にも拘わらず、自分が選び歩いているこの道に不安になることもある。自分の手を見ると、体や性格が両親や祖父母とつながっていることが分かる」など、故郷・原点へ想いを吐露した。そんな気持ちから生まれた曲として、本編の締め括りに歌われたのは、「道標」だった。
アンコールではセルフカバー「KISSして」で、スクリーンに福山が大写しになる度、割れんばかりの歓声が轟いた。バンド・メンバー達一人一人と握手をしステージを去ったものの拍手と歓声は鳴り止まず、ダブルアンコールに応え「Good night」を。91年に渋谷eggmanで初ライヴをしてからこれまでの長い道のりを、言葉をじっくりと選びながら感慨深げに振り返っていた。そして、「ここにいる一人ひとりのお陰です! ありがとう!」と感謝の言葉を忘れなかった。エンターテイナーとしてのサービス精神とはまた別の、いち人間としての本音もリアルに響いてきた気がした。今でこそ俳優としてもミュージシャンとしても栄光を手にしているが、20年の道程には葛藤も苦しみも勿論あったことだろう。追加公演4日間のために新たなメニューを組み、挑戦した姿勢には、応援してきてくれたファンを楽しませることに対して妥協の無い、表現者としての誇り・人としての温かさが溢れていると感じた。