2018年「サマンサタバサ レディース」以来となる4年ぶりの優勝に向け、有村智恵がトップと1打差の2位タイにつけた。「ゴルフって不思議。
バーディフィニッシュで拍手喝さいを浴びる有村智恵【写真】
圧巻だったのは10番で1つスコアを落とした後に迎えた、13番パー4から。ここでバンカーからの2打目を3メートルにつけてバーディを奪うと、14番パー4では残り15ヤードの3打目アプローチを直接決めた。
「あのバンカーショット(13番)はピンが手前で、距離的にはピッチングウェッジかなと思ったけど、つま先下がりでアゲンストなら9番アイアンで軽く打った方がいいかなって。力まずにいいところについて入った。そこで流れを変えました」。このとっさの機転も、これまでの経験に裏打ちされるものだ。
最終日最終組入りは、昨年の「ほけんの窓口レディース」以来1年ぶり。同組でプレーするのは今季4勝の西郷真央と今月メジャー優勝を成し遂げた山下美夢有という勢いのある若手だ。有村は、「淡々と気持ちよくゴルフをする二人。こういうゴルフをしたい、と思わせる人たちだからこそ、そこにとらわれ過ぎないように」と自らに言い聞かせる。自分のスタイルを徹底することだけを考えていく。
ただその一方で、「若い選手のゴルフは勉強になる。
また隣にいる小田亨キャディの経験も、緊迫した戦いに臨むうえで助けになる。男子ツアーでもバッグを担ぐ同氏から、昨年まで男子の試合が行われていたここ袖ヶ浦の情報を練習ラウンドの時点で“仕入れる”ことができた。「ピンの予測も立ててもらえたし、きついドッグレッグのホールで外してはいけないところもビシッと言ってくれる。イメージが明確になって安心感が増しますね」。
昨年12月に会社員の一般男性との結婚を発表。先週の渡邉彩香に続く“ミセス初V”にも期待がかかる。本人も「彩香ちゃんの優勝を見て、すごくいいなと思いました。勝つ姿を見せたい人がいるのもモチベーションになりますね」と、その光景を思い浮かべる。ただ渡邉が「ひそかな夢」と話し、実現させた優勝後の夫婦での記念撮影については、「できればそういうのはやりたくない派。
2つの“経験”と“モチベーション”を大きな力に。若手との争いを制し、1407日ぶりの勝利を手にしたい。(文・間宮輝憲)
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