日本テレビ系で放送された伝説的な視聴者参加型クイズ番組『アメリカ横断ウルトラクイズ』が、新MCに櫻井翔を迎えて復活することが決定した。往年のファンから歓喜の声が上がる一方、SNSでは「そんな予算あるの?」「昔のようなスケールを再現できるのか」「コンプライアンスは大丈夫なのか」といった不安の声も飛び交い、早くも賛否を呼んでいる。


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同番組は1977年に誕生。「ニューヨークへ行きたいかーっ!?」「罰ゲームは怖くないかーっ!?」といった名ゼリフとともに、一般参加者が「知力・体力・時の運」を競い、決勝地のニューヨークを目指した。福留功男アナ、福澤朗アナらがMCを務め、1992年までの16大会と1998年の復活版を合わせ、全17回が放送された。

令和版は番組誕生50周年を記念し、従来のアメリカ横断から「地球一周規模」へ拡大。ヨーロッパ、番組初上陸となるアフリカ、そしてアメリカを巡る3大陸横断ルートとなり、全行程は約4万2000キロ、出題数は1000問以上を予定している。国内1次予選は9月12日に東京都内で開催され、年末年始の放送を予定している。

オファーを受けた櫻井は「まず、めちゃくちゃ驚きました!」とコメント。過去の大会を見返したところ、ニューヨークの街並みを背景に2台のヘリコプターが飛び、それぞれに決勝進出者が乗っている映像を目にして「どういう規模感?」と驚いたという。また、タレントではなく一般参加者が中心となることで、テレビ画面の向こう側と視聴者がつながる感覚が魅力だと振り返っている。

発表を受け、SNSでは「復活はうれしすぎる」「ニューヨークへ行きたい」「パスポートを取らなければ」といった期待の声が続出した。その一方で、先述のように不安の声も目立つ。

最大の壁となりそうなのが制作費だ。
旧シリーズは「世界で最も制作費のかかったクイズ番組」としてギネス世界記録にも認定された。構成を担当した萩原津年武氏は2014年、過去の全17回が「すべて赤字だそうです」と告白している。

萩原氏によると、同番組が放送されていた『木曜スペシャル』枠1本あたりの予算は「4500万円だったらしい」というが、「(ウルトラクイズは)どんどん中身がふくらみ、3本分になり、もっと増えた」という。この言葉どおりであれば、単純計算でも1大会あたり1億3500万円以上だったことになる。長期の海外ロケに加え、大掛かりな企画や撮影、多数の参加者やスタッフの旅費なども含め、莫大な費用が必要だったようだ。

番組が人気を博した1980年代から90年代初頭は好景気と重なっていたが、現在のテレビ業界では制作費の削減が進んでいるといわれている。そんな時代に、旧シリーズに負けないスケール感を出すことはできるのか。

3大陸横断で『ウルトラクイズ』のさらなるスケールアップを掲げた日本テレビの本気度は相当なものだろう。ただ、移動距離が長くても、クイズの企画や映像が小粒なら、往年のファンをガッカリさせてしまいかねない。

もう一つの難題がコンプライアンスだ。旧シリーズでは、敗者に課される罰ゲームが名物になっていた。現地に置き去りにする、丸坊主にして海軍士官学校の訓練に参加させる、スカイダイビングをさせる、闘牛を体験させる、イグアスの滝から一人乗りボートで帰らせるなど、現在では実現が難しそうな罰ゲームが次々と登場した。
ヒッチハイク中の敗者が銃を突きつけられるというドッキリ企画まであった。

もちろん、番組側は安全対策を講じていたが、新聞に「あまりショッキングな罰ゲームは考えものと思います」との投書が寄せられるなど、当時ですら賛否があった。現在は、タレントならまだしも、一般参加者に過激な罰ゲームを課すのは難しいように思える。今回の発表では「過酷な罰ゲームも健在」とされているが、どこまで過去作のレベルに迫れるのか。

ただ、復活の方法は、昔の過激さをそのまま再現することだけではない。手に汗握る高度なクイズ対決、未知の土地を巡る冒険感、勝者と敗者に生まれる人間ドラマを丁寧に描けば、過激な罰ゲームに頼らずとも、旧シリーズに負けない熱狂を生み出せる可能性はある。

櫻井翔という安心感のあるMCを得た一方、予算を抑えれば迫力を失い、昔の豪快さを再現しようとすれば時代とのズレが生じる。この難題を日本テレビはどう乗り越えるのか。もし視聴者の不安を吹き飛ばす内容にすることができれば、単なる復活企画の枠を超えて、令和を代表する新たな視聴者参加型番組になるかもしれない。

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