今月末に出される来年度(2027年度)予算の概算要求。当初予算案作成に向け、各省庁が財務省に要望として提出するものだが、防衛省は過去最大の約8.9兆円を計上する方向で調整に入ったと一部で報じられた。


 既に米国の要求に沿う形で、23~27年度の5年間で防衛費を総額43兆円まで増額することは22年度に策定した安全保障3文書で決まっている。年間予算の数値目標はGDP比2%、約11兆円だ。補正予算を加えると、既に25年度に前倒しで11兆円規模に達している。そこから考えると、来年度の概算要求額とは乖離があるように思えるが、そうじゃない。防衛費の大増額は着々と進められている。


「防衛費の今年度当初予算は9兆353億円。来年度はこれがどこまで膨らむか。10兆円超えは当たり前、GDP比2%とは思えないような数字が出てくる可能性もある」(防衛ジャーナリスト・半田滋氏)


 金額のゴマカシは「事項要求」だ。事前の見通しが立ちにくい事業が対象で、概算要求時点では必要額を示さず、項目だけを記載する。今回、この事項要求を多数盛り込もうとしているのだ。計上されれば、金額が大きく膨張するのは確実だ。ちなみに、事項要求が数項目程度と少なかった今年度は概算要求が8兆8454億円だったから、最終的な予算額とあまり差はない。


 事項要求が増えるのは、高市政権が年末の安保3文書改定でGDP比2%を3.5%程度に引き上げる予定のため、その数値目標が決まる前には具体的な金額を出しにくいという理由があるようだ。つまり、後からいくらでも金額の修正が利くようにしているわけだ。



数値目標ありき、使い道は後から考える

 22年の3文書策定時もそうだった。23年度予算の概算要求は【5.5兆円+事項要求】と記されており、事項要求がナント100項目もあった。結局、予算額は前年度比1.25倍の6.8兆円にまで膨らんだのだ。


「数値目標ありきで、使い道は後から考えているので、そういうことが起こる。予算の透明性がかなりいい加減になってきています。これでは中国のことを批判できませんよ。3.5%まで引き上げたら年間24兆円です。しかし、防衛費が増えても隊員の数が増えない限り、人件費や自衛隊の活動費は増えない。つまり、武器を買う予算だけがどんどん積み上がっていく」(半田滋氏)


 その結果、財源が足りなくなって大増税ではたまらない。防衛費をブラックボックス化してはダメだ。


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 防衛費の大増額に国民の不満は高まる一方だ。関連記事【もっと読む】【さらに読む】で詳しく報じている。


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