「平和の尊さを強く感じる」──。9日の長崎平和祈念式典で、こうスピーチした高市首相の言葉の何と軽いことか。

6日に広島で行われた式典のスピーチ同様、核兵器を「持たず、つくらず、持ち込ませず」と定めた非核三原則について「堅持している」と現状を説明するだけ。核兵器を「持ち込みたい」が持論の高市首相と、核戦力に「タブーなき議論」を求める小泉防衛相の“軍拡コンビ”こそが、日本の平和を脅かしている。


 広島・長崎の式典でハッキリしたのは、これからも非核三原則を堅持し続ける意思が高市首相にないことだ。9日の会見で、記者から「安保3文書の改定が議論される中、政府は三原則を揺るぎなく堅持する考えか」と問われ、改めて「書きぶりについて予断することは差し控える」と明言を避けた。口を開けば、「厳しさを増す安全保障環境」を理由に防衛力強化を正当化しているにもかかわらずだ。


 しかし、「厳しい安全保障環境」の火に油を注いでいるのは高市政権である。6日、弾道ミサイルを発射した北朝鮮に対し、進次郎氏は「国際社会の平和と安全を脅かすもの」と非難。本をただせば、自衛隊の護衛艦「ちょうかい」が先月29日に実施したトマホーク実射試験がキッカケだ。


■米国のトマホーク2発がイランの小学生168人の命を奪う


 進次郎氏は今月4日、実射試験の動画と共に〈昨日はこの動画を海上自衛隊の護衛艦「ちょうかい」の艦長以下乗員のみんなと一緒にみて、トマホークミサイルの実射試験成功を喜び合いました。ぜひご覧ください〉と自身のXに投稿。北朝鮮の“将軍様”よろしく、ミサイル発射に喜びを隠せない様子だった。


 進次郎氏オススメの動画は、ハリウッド映画のような手の込みようだ。

けたたましい轟音と共に上空へ発射されるトマホークの映像から始まり、隊員の「戦闘用意」との掛け声と同時に緊張感をあおるBGMが流れ出す。「発射用意」の声に隊員の横顔が大写しになるとトマホーク発射を異なる角度から捉えた映像が続く。艦内から見届けた隊員が納得したように「うんうん」とうなずく様子が収められていた。どう見てもトマホークのプロモーションビデオ(PV)だ。


 駐日イラン大使館によれば、米国によるイラン攻撃で、トマホーク2発が小学生168人の命を奪ったという。この事実を知ってか知らずか、進次郎氏は恒久平和を誓う広島・長崎の式典の直前に、トマホーク発射成功を手放しで喜び、悪びれもせずPVを宣伝していたのである。ただただ無神経・無責任なクセに「覚醒した」とは冗談でも笑えない。


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