福岡県議会で火を噴いた「政治とカネ」の問題は燃え盛る一方だ。県民の怒りがヒートアップする中、渦中の人物が24日、突然辞職を表明した。

「福岡県議会のドン」と呼ばれる自民党の蔵内勇夫議長(筑後市選挙区)だ。地位に恋々としていたのに一転、臆測が広がっている。


 昨年、異例の議長再登板を果たした蔵内氏をめぐっては、正副議長就任の見返りに金銭を要求したと告発されたほか、豪華海外出張も問題になっている。この10日あまりの動きは目まぐるしかった。「カツアゲ」を証言した県議が14日、蔵内氏に対する辞職勧告決議案を提出。17日の臨時会で採決される運びだったが、阻止された。蔵内氏元秘書の子飼い県議が採決中止を求める緊急動議を出し、賛成多数で可決されたからだ。


 間一髪で乗り切った蔵内氏は19日、報道陣に対し「しかるべき時期」に議長職を辞任する意向を示した一方、議員辞職は「考えていない」と否定。疑惑解明に向けた第三者委員会の調査に答える必要があるとしていた。しかし、その数時間後に議会事務局に辞職願を預けていたという。24日の表明によると、東京都内できょう催される「女性議員研究交流大会」に出席し、「全国都道府県議会議長会会長としての職責を全う」して辞職するとのことだ。あれだけ悪あがきしていたのに、どうしたことか。


■当局は〈中途半端には終わらせない〉と本腰か


 福岡を拠点とする国際ジャーナリストの太刀川正樹氏はこう言う。


「来春の統一地方選を控える自民党議員は再選に不安を抱え、中でも一部の若手は蔵内氏に対する造反の動きを見せていた。蔵内氏は例の金銭授受を否定していますが、県警は〈中途半端には終わらせない〉と本腰を入れているとも聞く。政治資金規正法違反や脱税容疑のほか、公職選挙法違反の疑いも浮上しています」


 1987年に初当選した蔵内氏は当選10回を数えるが、そのうち7回は無投票再選。20年ぶりの選挙戦となった3年前の得票は9889票で、副市長を辞職して臨んだ新顔に約1600票差まで迫られた。議会への影響力に反比例し、お膝元は盤石とは言い難い。本人いわく「日本で一番悪い男と言われている」状況となり、家庭の事情もややこしくなったようだ。


「婿入りした蔵内氏は夫人の叔父にあたる国会議員のもとで雑巾がけをし県議会でのし上がった。騒動以来、夫人は人目を気にして1000平方メートルの豪邸から一歩も出られず、ひきこもりを強いられている。これ以上ヘタをこけば長男への世襲計画もオジャンになりかねない。40代の長男は林芳正総務相の秘書を経て2016年の衆院補選(福岡6区)に立ち、保守分裂の弔い合戦で鳩山二郎氏に大惨敗。蔵内の名前で票集めが厳しい上、疑惑が尾を引けば地盤継承は厳しい」(議会関係者)


 引き際を見誤り、すべてパーとなった感がある。


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 福岡県議会の“ドン”蔵内氏の求心力もここまでか…。これまでの「政治とカネ」の問題に関しては関連記事【もっと読む】“福岡県議会のドン”蔵内一派がコロナ禍に芸者あげてドンチャン騒ぎ!「2000万円カツアゲ」発言の県議が証言や、【さらに読む】でも詳しく報じている。


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