明石家さんまさん(71)のモノマネでおなじみの芸人・ほいけんたさん(61)。近年では『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系)に出演し、独特な歌い方が大量にショート動画で拡散されたことなどもあり、若年層からも人気を集めています。

ダウンタウンさんと同期で、芸歴44年の大ベテランのほいけんたさんに、芸人になったきっかけを教えてもらいました。

(取材・文/インタビューマン山下)

■「本当はアクションスターになりたかった」

――ほいさんの芸能界のスタートは1982年。アクションチーム「THE EIGHTEEN ARTS」に入団し、翌年には『劇団ひまわり』へ移ってますよね。

「はい。俺、デビューは俳優なんですよ。元々、中学高校ぐらいのときに香港映画が大好きで、ジャッキー・チェンやブルース・リーにあこがれてアクションチームに入ったの。ところが、高校卒業する前に先輩が『お前アクションスターになりたいんだったら芝居もできないと』って言われて。それはいやだなと思って、じゃあ芝居やろうってことで劇団ひまわりの青年部に」

――そこからしばらく役者活動をやってたんですか。

「いや、ひまわりでは約2年間基礎的なことをやりながら、エキストラとかやって、そのあとに映画や舞台にも出演したんだけど、『果たして俺はこのままでいいんだろうか』って葛藤があって。そんなときに舞台の演出家に、おもしろいことをアドリブでやると怒られたんです。『余計なことしないでくれ』って。

そのときに『演出家の駒として俺は動かされてるんだ』っていう気持ちになって。

しかも、この頃はギャラも出ないし、なんならチケットを売るノルマがあるんです。それでこれは違うぞと思って、もう完全に振り切って『芸人になろう』って思いました」

――それでどうやって芸人になったんですか。

「二十、二十一歳ぐらいのときに大阪のストリップ劇場で芸人の見習を募集していると聞いて大阪の布施というところに行きました。それで毎日、劇場のステージに立って、舞台裏で寝泊まりするみたいな生活を送って、いい経験になりましたね。

そのあとに東京に戻って、コンビを組んだり、マジックやミュージカルとかいろんなことをやってたんです。それで24、5歳ぐらいのときに、『これじゃだめかな』と思ってたときに、知り合いに六本木のショーパブを紹介してもらったんです」

――さんまさんのモノマネをやり始めたのはこのころですか?

「はい。俺がショーパブでMr.マリックさん(77)の師匠の『Mr.ガーリック』という架空のキャラをやってたんですよ。そのMr.ガーリックは(昔の)Mr.マリックさんの髪型と同じような、おかっぱのヅラをかぶってたんで、出っ歯をつけたらおそ松くんのイヤミになるボケもできるなと思って。それで出っ歯をつけて鏡を見てチェックしてるときに、暑くなったんでヅラとったんですよ。そしたら『あれ? 俺、さんまさんいけるかもしんない』って偶然発見したの」

■「楽屋挨拶に行く度、さんまさんから無茶ぶりを受けて」

――確かに、さんまさんに顔も似てますね。特に若いときじゃなくて、年を重ねた今のさんまさんに似てますもんね。

「よく言われんのは、俺が年を取ってきてから、徐々に『さんまさんとの距離が縮まってきたみたい』って(笑)」

――ほいさんが初めてさんまさん本人とお会いしたのはいつですか。

「28歳で、さんまさんのモノマネをテレビで初めてやった番組が『発表! 日本ものまね大賞』(フジテレビ系)で、その司会がさんまさんだったんです」

――いきなりご本人に会えたんですね。

「でも、それから次にテレビに出るまで時間がかかって。当時の事務所がなくなったり色々あって、次にさんまさんのモノマネで番組に出たのが14年後の42歳ぐらでした。そのころにさんまさんのコントライブを見に行ったときに楽屋挨拶に行くと、さんまさんが『さんまちゃん来たね』とか言って下さって。

そこからいわゆるさんまさんの無茶ぶりが始まるんですよ。『どうやった、今日は?』『いや、良かったわー』『どこが、どこが』『すいません、ちょっと急には』と俺が素に戻ると、すぐに冷めた感じで『はい、お疲れさん』とか言われたり。俺がすっと答えられなかったときには『ほな、なんで(楽屋挨拶に)来たんや』って言われたこともありました(笑)。舞台裏も戦場ですよ。だからさんまさんの舞台を見に行って芝居が終演に近づくと、楽屋挨拶のことを考えだして、舞台の内容が頭に入ってこないんです(笑)」

●インタビューマン山下
1968年、香川県生まれ。1992年、世界のナベアツ(現・桂三度)とジャリズム結成、2011年に解散。同年、オモロー山下に改名し、ピン活動するも2017年に芸人を引退しライターに転身。しかし2021年に芸人に復帰し現在は芸人、ライター、山下本気うどんプロデューサー、個人投資家、ファイナンシャルプランナーとして活動中

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