大阪4位、東京7位。2019年、世界で最も住みやすい都市ランキングが発表される(英調査)


 英エコノミスト紙の調査部門であるエノコミスト・インテリジェンス・ユニットでは、毎年、グローバル・リヴァブリティ・レポート(Global Livability Report)という報告書を公開しており、その中にある「世界で最も住みやすい都市」ランキングは常に注目が集まっているが、ついにその最新版が公開された。

 2019年度のランキングによると、世界140都市中、2年連続で住みやすい都市の頂点に輝いたのは、オーストリアにある音楽の都ウィーンだ。


 2位のメルボルン、5位のカルガリーなど、トップ10にはオーストラリアとカナダの都市がそれぞれ3つずつランクインしており、両国の住環境の良さがうかがえる。

 また日本からは4位の大阪、7位の東京と2都市がランクインした。
【30以上の要因を評価】

 住みやすさは、治安(25%)、文化と環境(25%)、医療(20%)、インフラ(20% )、教育(10%)をさらに細かく分け、30以上の項目の評価に基づいたもの。それらをもとに1~100の指標に換算してランキングが決定された。

 首位のウィーンは99.1でほぼ満点。また20位以内の都市はいずれも5ポイント未満の差に収まっている。


[画像を見る]
オーストリア・ウイーン Image by tookapic from Pixabay
 ランキング全体では、治安のほか、教育や医療の改善によって、生活の質の向上が見られ、特に新興市場でそうした傾向が顕著だとのこと。

 一方、ニューデリーやカイロは汚染が悪化したことで順位を落とした。

 そして、7年連続で最下位に沈んだのは、シリアの首都ダマスカスだった。内戦が大きく影を落としていることがうかがえる。

【2019年、世界で最も住みやすい都市トップ10とワースト10】

 それではそのランキングを見ていこう。

2019年 世界住みやすい都市トップ10

1位 ウィーン オーストリア
2位 メルボルン オーストラリア
3位 シドニー オーストラリア
4位 大阪 日本
5位 カルガリー カナダ
6位 バンクーバー カナダ
7位 東京 日本
7位 トロント カナダ
9位 コペンハーゲン デンマーク
10位 アデレード オーストラリア


2019年 世界住みやすい都市ワースト10

131位 カラカス ベネズエラ 
132位 アルジェ アルジェリア 
133位 ドゥアラ カメルーン 
134位 ハラレ ジンバブエ
135位 ポートモレスビー パプアニューギニア
136位 カラチ パキスタン
137位 トリポリ リビア
138位 ダッカ バングラデシュ
139位 ラゴス ナイジェリア
140位 ダマスカス シリア


【教育・医療・公共輸送機関の質の高さが評価される】

 レポートによると、「全体的に見ると、富裕国にある中規模の都市がランキング上位を占めている」とのことだそうで、そうした都市の教育の質の高さ、公的医療制度の充実、輸送機関の利便性といった点が指摘されている。


 また、高ランクの都市は人口100万人から300万人ほどで、多過ぎず、少な過ぎず、ちょうどいい人数の人々が暮らしている。

 都市というと、まずそれぞれの国の首都が思い浮かぶかもしれないが、住みやすさという点で、首都は国内の他の都市に一歩譲る傾向にあるのが面白い。

[動画を見る]
The Global Liveability Index 2019

【ロンドンやニューヨークは低評価】

 こうした都市のメリットは、かなりわかりやすい。仕事もあるだろうし、教育、医療、文化といった点でも質の高いものを利用することができる。

 しかし、その一方で、渋滞、犯罪、ストレスの多さといった大都市ならではのデメリットもある。 

 たとえば、金融拠点のロンドン(48位)やニューヨーク(58位)は国内の他の都市よりもかなり低く評価されている。


 香港(38位)やシンガポール(40位)もまだマシとはいえ、高評価とは言い難い。特に香港は最近のデモ騒動が響いているようだ。

[画像を見る]
イギリス・ロンドン Image by Ch AFleks from Pixabay
References:Global Liveability Ranking/ written by hiroching / edited by parumo

記事全文はこちら:大阪4位、東京7位。2019年、世界で最も住みやすい都市ランキングが発表される(英調査) http://karapaia.com/archives/52282143.html