◆香取慎吾「重く苦しくのしかかるものがたくさんありました」
衝撃的な出来事を機に、人生が変わってしまった中原という人物を、どのようなことを意識して演じたのかを聞かれた香取は「脚本を読ませてもらったら、重く苦しくのしかかるものがたくさんありました。とはいえ、エンターテイメントの部分があるという思いで撮影現場に行ったら、やっぱり脚本以上の現場のリアルというか、その重さに毎日、日々やられないように背筋を伸ばして立ち向かっていかないといけない。演じる上で辛さとかを意識しながら毎日踏ん張っていた感じでした」と撮影時を振り返って語り、「中原もツライことがあっても前を向いて生きなければいけないというところと、僕の撮影期間もリンクしていた部分がたくさんあったと思います」とも語った。
演じる仁科史也について、赤楚は「とにかく真面目ではあるんですけど、その真面目さゆえに、加害者家族という責任を全て背負ってしまうようなキャラクターで、その罪の意識みたいなものがベタッとへばりついているような印象を受けました」と分析し、「義理の父親が殺人を犯してしまったということにおいての申し訳なさ、罪の意識を持ちながらも、対峙していかなければいけないので、すごく向き合うのが苦しい撮影になりました」と語った。
◆香取慎吾&赤楚衛二、初共演秘話
香取と赤楚は対峙する役を演じているが、今作が初共演。お互いの印象と撮影時のエピソードを聞かれると、赤楚は「初対面は僕のメイク室でした。『はじめまして。赤楚です』と挨拶をして、会話をした瞬間に、加害者遺族と被害者家族というところの線引きがちゃんとあるんだなと感じました。なので、現場ではあまりしゃべれなかったんです」と、撮影現場では香取と多くは語れなかったと語り、「その距離感が、役的にはすごく居心地が良かったというか、やりやすくさせていただけた印象があります」と、感謝の気持ちも伝えた。
それを聞いて香取は「そう、あんまり話せなかったんですよ。なので、今日、一生懸命話してます。裏でも。
赤楚のクランクアップ時のエピソードも披露。香取は「赤楚くんが先にクランクアップして、ハグしたんです。僕はまだ何日か撮影があるから頑張るからねって言って。その現場を離れて、メイク室でメイクを落として、もう一言二言話したいなと思って、追いかけて行ったたら赤楚くんの車はもう出発してしまって、『もう帰ったか…』と、山の中の高くなった駐車場から、何もない原っぱの中を車が走っていくのを見えなくなるまで見てました」と切ないエピソードを語った。
その話を聞いた赤楚が「クランプアップした瞬間が一番余韻に浸りたいタイプなので、すごく浸っていたんですけど、お会いできず」と残念がると、香取は「その出る瞬間、トイレに行っていたんです。だから、車を見送りながら『トイレに行かなかったら』」と反省し、赤楚が「うわぁ、すみません!」と返す、微笑ましいやり取りが行われた。
香取と夫婦役を演じた鈴木は、2000年公開の映画『ジュブナイル』で共演している。鈴木は「『あの頃はあんなに無邪気に笑っていたのにね』っていう再会で、長く続けているとこんなご褒美があるんだなと思いました。でも、いざ現場に言ってみると、その感慨に浸っている余裕がないくらいにしんどいシーンばかりで、距離が微妙にある夫婦の時間が多かったので、幸せな夫婦の時間をもっと過ごしたかったですね」と、再び共演できた嬉しさと、ちょっと残念に思っていることを吐露した。
香取が「今回、杏ちゃんと夫婦役で本当に良かったなと思いました。『ジュブナイル』の時の思い出があったから、そこから何十年も離れてはいるけれど、今回の夫婦の役に繋がる部分があった。はじめましての方だったら、全然違ってたと思う」と話すと、鈴木は「最初から信頼感がありましたね。それに、隣に慎吾さんがいらっしゃると、ちっちゃい頃の自分に戻ったように、すごく頼ったり、甘えている部分が、会話とかなくてもあったので、そばにいてくれて頼もしかったです」と語った。
◆香取慎吾、草彅剛の見習いたい一面明かす
タイトルにちなんで、それぞれが今プライベートで背負っている“十字架”(背負っている重圧や枷)について語った。赤楚は「料理です」と答え、「30代になって、やっぱり体のことを気にするようになって。昨日はカレーを作ったんですけど、作ることに満足してしまって、それでお腹いっぱいになってしまったので、食べずに今冷凍してるんですけど、次、いつ食べるのか分からない感じです」と、料理をするが、食べる前にお腹いっぱいに感じてしまうことだと語った。
香取は「2階ぐらいだったらエレベーターじゃなくて階段を使う。これが、やりたくてもやれてないことです。健康のために階段を使おうと思うんですけどね。僕のお友達の草彅剛さんはエレベーターを使わずにピョンピョンと階段を上がっていくんです。見習わないとなと思いながらも、スタッフの方も一緒にいると、その皆さんに気を遣って一緒にエレベーターに乗ったりしてしまうんです。
最後は、香取の「ニュースで扱われる事件って、ほんの10秒で終わってしまう事件もあります。でも、その10秒の中に、人生が壊されてしまう人がたくさんいて、一回壊れてしまったところから立ちあがろうと前を向いて生きている人もたくさんいます。その深い部分は、僕は家でニュースを見ているだけでは知らなかったりしたんですけど、このドラマにはそういう部分がたくさん詰まっているので、それを知れるところが魅力でもあると思います。でも、あくまでもドラマで、エンターテインメントなので、ミステリーを楽しんでもらえればとも思っています。第1話を見させてもらったんですが、皆さんに伝えておきたいのは、息をすることを忘れないようにしてください。たくさんのことを感じられる作品だと思うので、一人でもたくさんの方に見ていただけたらと思います」というメッセージで締めくくった。
◆連続ドラマW 東野圭吾「虚ろな十字架」
本作は、7月に逝去した国民的作家・東野さんが2014年に発表した同名のベストセラー小説が原作で、「少年法」の矛盾に鋭く切り込んだ「さまよう刃」から10年の時を経て、「死刑制度」という普遍的な社会テーマに真正面から挑んだ渾身の社会はサスペンス。WOWOW連続ドラマ初主演で、東野圭吾作品も初主演となる香取が演じるのは、“ある事件”を機に孤独と虚しさを抱えて日々を過ごす主人公・中原道正。“加害者家族”として主人公と対峙するキーパーソンの仁科史也を赤楚、史也の妻・花恵を蓮佛が、香取演じる道正の元妻・浜岡小夜子を鈴木が演じる。(modelpress編集部)
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