※本稿は、名郷根修『瞬動力』(大和出版)の一部を再編集したものです。
■前倒しで動ける人の行動パターン
やらなければと思いつつ、つい先延ばししてしまう。瞬動力とは、その「初動の重さ」をなくし、「はじめたい」という気持ちをそのまま行動へとつなげる力のことです。
瞬動力を発揮しやすくするために、ここで少し、私が実践している工夫をいくつか紹介します。
「瞬動力のあるすぐやる人」になるための具体例として、ぜひご自身のスタイルに取り入れられそうな部分を見つけてみてください。
瞬動力が高くすぐやる人は、締め切りから逆算して、「○日前までに一度終わらせる」など、自分ルールを持っています。この点について、私が実践していることをくわしくお話ししていきます。
実際に、前倒しで行動できる人というのはあまり多くはありません。
大半の場合、締め切りなどやらざるを得ない理由があり、脳が緊急度の高いタスクとして理解して取りかかる、というのが普通の人の行動パターンです。私自身も以前はそういう傾向がありましたが、ちょっとしたコツを覚えてから、前倒しで動くことができるようになりました。
■すぐやる人は締め切りを「2つ」持つ
そのコツというのが「仮締め切り」をつくること。
私自身も実践しているのでわかるのですが、完璧ではなくてもある程度タスクを終わらせておくことができると、気持ち的にもとても楽です。
また、締め切り当日まで余裕があれば、見直しやブラッシュアップに時間を費やすことができ、提出物や納品物の精度を上げることができ、自身の評価を上げることにもつながるのです。
私の場合はGoogleカレンダーを活用し、本当の締め切りよりも前の日付に「この日までにいったん仕上げる」という予定を組んでいます。
方法はシンプルで、使っているツールは問いません。スケジュールアプリでも手帳でも普段使っているもので構いません。ぜひ一度、仮締め切りを設定してみてください。
■夕方の脳では成果が出ない
次に、時間の使い方のコツです。
一日の生産性を高めるうえで、私が意識しているのが、「頭を使うような仕事を夕方以降に入れないこと」です。
私はどちらかというと朝型です。朝から活動していると、夕方には体力だけでなく意志力も落ちてきます。そんな状態で提案書の作成や新規プロジェクトのアイデア出しといった、脳の負荷の大きい仕事に取り組んでも、思うように進められません。
そのため、午後5時以降はできるだけ頭を使う仕事は入れないようにしています。
では、いつ負荷の大きい仕事に取りかかるのかというと、私は朝のゴールデンタイムを活用しています。十分な睡眠をとって目覚めたとき、脳は最もクリアで集中力や判断力が高い状態にあります。
複雑な思考や重要な意思決定も、この時間帯のほうがスムーズに進みます。このゴールデンタイムを逃さずに、負荷の高い仕事に取りかかるようにしています。
朝の5時ならまだ家族も寝静まっていますし、仕事の電話やメールで気が散ることもありません。目の前のことだけに集中することができるのです。
もちろん、朝の時間は仕事に限らず、資格の勉強や読書、ジョギングや筋トレなどにあてるのも良いでしょう。
朝の時間を活用し、いわゆる朝活を習慣化している人は、先延ばしせずに、時間の使い方がうまい人が多いように思います。スターバックス元CEOのハワード・シュルツ氏など、世界の名だたる経営者も朝4時や5時に起きて仕事をしていると聞きます。
朝活を取り入れるのは、瞬動力を身につけるための有効なアプローチのひとつです。
■いきなり早起きせず脳をだます
とはいえ、毎朝7時に起きている人が、朝活のためにいきなり5時起きを習慣化するのは大変ですよね。
おすすめは「いつもより10分早く起きる」など、少しずつ脳をだましていくことです。いつもより10分早く起きることができたら、それだけで小さな自信につながります。少しずつ脳をだまし、体を慣れさせて、早起きを習慣づけていきましょう。
もし1回寝過ごしたとしても、「やっぱりダメだった」とあきらめずに、また「昨日より10分早く起きる」からはじめてみてください。習慣化というと毎日やらなければいけないと考えてしまいがちですが、週に4回以上実践できていれば、すでに習慣のリズムはできています。
実は、先延ばししてしまう人ほど、「ちゃんとやらなければ」と思う真面目な人が多いのです。早起きも朝活も、「週に2、3回くらいできない日があってもOK」ということをぜひ覚えておいてください。
■予定を区切れば脳が軽くなる
もうひとつ、時間の使い方のコツとして私が実践しているのが「時間ブロック」です。
Googleカレンダーを1週間分、時間単位で見て、「○日の△時から□時までは資料作成」など、予定をあらかじめ入力しておきます。
そうすると、「その時間はあらかじめ決めておいたことしかやらない」というブロックが完成し、重要度や緊急度の高いタスクが入らない限り、ひとつのことに集中して取り組むことができます。マルチタスクではなくシングルタスクにすることで、生産性を上げるための工夫です。
時間ブロックのメリットは、脳のメモリを節約することにも役立ちます。締め切りはいつで、いつまでに資料を集めて、関係者に連絡をするのはいつ、書類を作成するのはいつ……といったことを頭の中だけでスケジューリングしようとすると、考えることが多すぎますし、それらの予定を常に意識して動くのも脳にとってはストレスになります。
時間ブロックを習慣づけておくと、今日何をやるかはGoogleカレンダーを見ればひと目でわかるので、細かい予定はいったん忘れてもOK。
そうすればメモリを使わずに済むので、脳のパフォーマンスを高く維持することができます。
私の場合、打ち合わせやセミナーなど、相手がいる予定についてはできるだけ早めに決めて、まず時間ブロックします。
執筆や資料作成など自分の予定については、週末に「来週はこんな過ごし方をしたい」とイメージして時間ブロックを決めていくことが多いです。
私自身が実践している瞬動力を高める行動パターンを紹介しました。ぜひ参考にしてもらえればと思います。時間の使い方については、次項でもさらに深掘りして触れていきます。
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名郷根 修(なごうね・しゅう)
エグゼクティブコーチ/ハイパフォーマンス代表
Rotterdam School of Management, Erasmus University 経営学修士(MBA)。1978年岩手県生まれ。海外法人の米国戦略コンサルティングファームであるBoston Biomedical Consultants(現:IQVIA)、日本法人のグローバル医療機器メーカー「フィリップス・ジャパン」で勤務後、現在はグループ合計年商180億円の医療分野の会社・南部医理科とフィンガルリンクの経営に携わり、世界最先端の医療技術や製品の普及に努めている。
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(エグゼクティブコーチ/ハイパフォーマンス代表 名郷根 修)

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