残暑のビジネスシーンにハーフパンツはアリなのか。エグゼクティブスタイリストの長友妙子さんは「今年のクールビズではハーフパンツが本格的に登場したが、着こなしがとても難しい。
しかし夏物が安く入手できる今、ハーフパンツを着こなす“ルール”を知っておけば、ビジネスファッションの幅が広がる」という――。
■着こなしが難しいビジネスでのハーフパンツ
まだまだ残暑が続く今、暑さを緩和する着こなしに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
今年のクールビズで真っ先に話題になったのが、東京都が職員にハーフパンツ着用を許可したことです。しかし実際にハーフパンツを着用して働く方はそこまで多くなかったようです。それもそのはず、カジュアルなハーフパンツを履くと、どうしても下半身が“休日のお父さん”のようになってしまいます。合わせるジャケットやシューズも悩むところです。
とはいえ、ビジネスシーンで活用できるアイテムの幅が広がれば、「おしゃれなビジネスパーソン」にぐっと近づきます。そこで今回は、ビジネスシーンに適したハーフパンツの着こなしや、商品の選び方についてご紹介します。
■「残念なハーフパンツ姿」の特徴
まず、“ハーフパンツの残念な着こなし”の特徴について考えてみましょう。例えば、次のような項目が挙げられます。
・Tシャツ+ハーフパンツのみで、ジャケットを着ていない

・ハーフパンツの丈が短すぎる、すそが広がっている、ドローコードやウエストゴムがある

・カーキなどカジュアルを彷彿とさせるカラー

・サンダルや革靴を合わせている

・長すぎるソックスを合わせているか、ソックスを履いていない
そもそもハーフパンツは「ビジネスのドレスコードから外れている」と捉えるのが一般的です。そのため、クールビズだからといってTシャツとハーフパンツのみを着用していると、カジュアルになりすぎてしまいます。
ぜひネイビーやブルーなどの涼しげな色や素材のジャケットを合わせるようにしましょう。ジャケットとボトムスが同色だと、より統一感を演出できます。
肩パッドや裏地などを省いて仕立てられた「アンコンジャケット」を着用するのもおすすめです。生地が薄いのに着崩れないので、一枚あると便利です。
■ハーフパンツは「シルエット」が命
次に、ハーフパンツそのものの特徴です。丈が短すぎたり、すそが広がっていたりするハーフパンツは、カジュアルな印象になります。アイテムを選ぶ際は、膝丈、もしくは膝の少し上まで丈があり、ストレートなシルエットのハーフパンツが適しています。フィット感もあるとスマートな印象になるでしょう。
また、ドローコードがついているものや、履きやすさを重視したウエストゴムのついたパンツは、ビジネスシーンに合いません。余計な装飾がなく、ポケットが多すぎないビジネス用のアイテムを選びましょう。
なお、ハーフパンツのカラーは、ネイビーやさわやかなブルーがおすすめです。グレーやホワイトでもよいですが、グレーは汗ジミがついていないか、ホワイトはインナーがすけていないかをよく確認すると安心です。

■要注意な「ハーフパンツの足元」
ハーフパンツの着こなしで盲点になりやすいのが、シューズやソックスなどの“足元回り”です。意外と避けたほうがよいのが、ビジネスシューズを合わせること。「ビジネスシーンだから妥当だろう」と思いがちですが、ちぐはぐな印象になってしまいます。また、サンダルはカジュアルなアイテムですので、絶対に避けていただきたいです。
ここではぜひ、ホワイトのスニーカーを合わせてみてください。ハーフパンツとも合いますし、スッキリとした印象になります。ただし、ホワイトは汚れが目立ちますので、綺麗な状態がキープできるよう、定期的に洗いましょう。高価なスニーカーを買う必要はありません。自宅で気兼ねなく洗えるよう、安価なスニーカーで十分です。
スニーカーに合わせるソックスは、長すぎる丈だとダサくなります。素足のままではだらしがないので、柄やワンポイントなどのない、無地のスニーカーソックスを合わせましょう。
■購入するなら「ビジネスブランド」が狙い目
今は夏物が安価に手に入りやすい時期です。
これから今年用・来年用にハーフパンツを購入するなら、ビジネスブランドのハーフパンツを狙うとよいでしょう。
この夏に話題になったのが、オンワード「GOTAIRIKU」のオリジナルライン「COOL DOTS」のハーフパンツです。昨シーズンにWEB限定アイテムとして搭乗したところ、大反響で完売したため、シルエットや機能性がアップデートされて再登場しました。
自宅で洗えてシワになりにくいイージーケア性や、タテ・ヨコのストレッチが効いている点、接触冷感やUV対応など、多機能な点が人気の秘訣だといえます。フロントタックやクリースライン(折り目)を施したドレス仕様で、きちんと感も保てます。加えて、通常の夏用スーツの約2倍の通気性があり、暑い時期にも涼しく着こなせるでしょう。
価格は2万6400円(税込)とビジネスアイテムらしい価格帯ですが、昨シーズンに完売している点で、人気の高さがうかがえます。
このほか、BEAMSやバーニーズ ニューヨークといったセレクトショップでも、機能性素材を使用したビジネス用のハーフパンツが登場しています。価格帯はオンワードと同等です。来年もクールビズでハーフパンツが許容される流れかと思いますので、今のうちにアイテムを揃えておくとよいでしょう。
■安価な商品を狙うならあの大手ブランドで
このほか、より安価に入手しやすいブランドでは、洋服の青山が挙げられます。本年度初めて、ハーフパンツ(商品名は「ショートパンツ」)が登場しました。

ストレッチの効いた接触冷感素材のパンツで、フロントファスナー付きです。吸汗速乾機能やUVカット機能もあり、暑い季節に嬉しい機能が多く揃っています。同素材のジャケットやTシャツとも組み合わることができ、さまざまな着こなしを楽しめます。
価格は5500円(税込)程度ですが、今はセールでさらに安くなっているようです。夏のパンツは、汗で消耗しやすく、清潔さを保つためにも洗い替えを購入しておくことをお勧めします。夏物のバリエーションを増やしておきたいなら、狙い目ではないでしょうか。
■「足の見えるアイテム」を履きこなすコツ
ハーフパンツなど、足が露出するアイテムを大人が履きこなすには、アイテム選びだけでなく「足元の清潔感」にも意識を向けるのがポイントです。
ビジネスシーンにおいては、露出しなかった足を何も手入れせずに出すのは少し清潔感に欠けます。意識をして軽くケアをするだけで、周囲に与える印象はグッと良くなります。ビジネスカジュアルなどで足を出してよい環境なら、こうした身だしなみには一層気を配りたいところです。
また、日頃から適度な運動や歩き方を意識し、健康的ですっきりとした足元を保つことも、スマートな着こなしに繋がります。
この先も、快適で肩の力を抜いた、気取らない「エフォートレスなスタイル」が好まれるでしょう。
その際には、決して「ルーズ」にならない、絶妙な抜け感・快適さを意識してみてください。

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長友 妙子(ながとも・たえこ)

ファッションコンサルタント/エグゼクティブスタイリスト

1983年、スタイリストデビュー。「流行通信」でディレクション&スタイリングを担当。竹内まりや本人からCDジャケットのスタイリングをオファーされたことを機に、芸能界からの依頼が殺到。その後、『CLASSY.』(光文社)、『Precious』(小学館)、『家庭画報』(世界文化社)などの有名女性ファッション誌で表紙や巻頭特集を担当。テレビ・CM・広告・イベントでも第一線のスタイリストとして活躍。2021年に共著『繊細な人の仕事がうまくいくファッションのルール』(光文社)出版。2022年より「長友スタイル~ビジネスが成功する着こなし~」講座をスタート。2026年『信頼を着る』(三笠書房)出版。

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(ファッションコンサルタント/エグゼクティブスタイリスト 長友 妙子)
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