長崎大学×グリーン・シップ、学生57名と挑んだデータ起点の地域共創
長崎港に大型客船が寄港する朝。海外から訪れた旅行者が船を降り、長崎の街へ向かいます。しかし、その行き先は、広く知られた観光地や港周辺の店舗など、限られた場所に集中することがあります。
長崎には、歴史、文化、食、自然、そして地域で暮らす人々との交流など、まだ十分に知られていない魅力があります。人は来ている。それでも、長崎が持つ魅力を十分に届け切れていないのではないか。すでに長崎を訪れている人たちに、街をもっと深く知ってもらうにはどうすればよいのか。
「長崎は最高だった。また来たい」——そう思ってもらえる体験をつくり、人の流れを地域の交流、消費、雇用、新しい産業へつなげることはできないか。
この問いに向き合ったのが、長崎大学と株式会社グリーン・シップです。長崎大学が持つ教育・研究の力。グリーン・シップが持つ人流データ活用と事業開発の力。そして、長崎の未来を自由に描く学生たちの発想。それぞれを掛け合わせ、データ分析を地域の新しい価値へつなげる産学官連携プロジェクトが始まりました。
2026年6月から7月にかけて、長崎大学の学生57名が19チームに分かれ、人流データを活用した探究学習に取り組みました。
なお、この探究学習の約2か月間にわたる伴走とファイナル審査には、教育共創プラットフォーム「PABLOS」を運営するパブロス株式会社も加わりました。
大学の「学び」と企業の「実装力」が出会った
今回のプロジェクトは、企業が大学へ一方的に講義を提供するものではありません。長崎大学とグリーン・シップが、それぞれに持っていた問題意識が重なったことで始まりました。長崎大学では、データを活用した社会課題の解決と人材育成を産学官連携で推進しています。データを分析できる人を育てるだけでなく、データから社会の課題を発見し、異なる立場の人と協力しながら解決策を形にできる人材を育てる。そのためには、教室の中で完結する学びではなく、実際の地域課題に向き合う機会が必要でした。
一方、グリーン・シップが考えていたのは、人流データを分析結果として提示するだけでなく、新しい人の動きや地域の事業を生み出すために活用することです。人流を「見る」だけでなく、人流を「創る」。長崎大学の教育・研究の基盤と、グリーン・シップのデータ活用・社会実装の視点が重なったことで、今回のプロジェクトが動き始めました。
濱田知行 取締役(株式会社グリーン・シップ)/一藤裕准教授
■プロジェクト概要
名称長崎大学×グリーン・シップ 人流データ活用探究学習プロジェクト
授業名
情報データ科学部「社会・観光情報学Ⅱ」(一藤裕准教授担当)
テーマ
長崎市の外国人旅行客をリピーターにする
目的
AI時代に、企業や社会から選ばれる人となるために、実践的な基礎力を養うこと。
~人流データを起点に、外国人旅行者の地域内回遊を促進し、地域の交流・消費・雇用・新産業の創出につなげる産学官連携モデルの構築~
所在地
長崎県長崎市
最終発表会
2026年7月29日(水)/長崎スタジアムシティ NUTIC
運営体制
長崎大学情報データ科学部/株式会社グリーン・シップ
学習伴走・審査協力
パブロス株式会社
協力
長崎市(地域課題の共有・最終発表への参画)
株式会社ドコモ・インサイトマーケティング
主な取り組み
人流データ(モバイル空間統計)を活用した探究学習、学生によるチーム企画立案、地域関係者への最終発表
※モバイル空間統計は、株式会社NTTドコモの登録商標です。
参加規模
学生57名・19チーム
実施期間
2026年6月~7月
関連リンク
株式会社グリーン・シップ:https://www.green-ship.co.jp/
特徴
データ分析を教育で終わらせず、地域での実証・事業創出へつなげる循環型の産学官連携モデル
■産学官が、学生の挑戦を支える
長崎大学は、教育・研究の場やコミュニケーションインフラ(Teams)を提供。株式会社グリーン・シップは、人流データや授業コンテンツを提供し、外部講師として株式会社グリーン・シップ 地域創生本部 取締役 濱田知行氏が指導にあたり、人流データの活用方法や事業開発の視点を学生へ伝えました。最終発表会の審査には、企業・行政・大学など第一線で活躍する7名が参加しました。
- 岩下英樹氏(株式会社リージョナルクリエーション長崎 代表取締役社長)
- 神田昌典氏(パブロス株式会社 CEO・経営コンサルタント/教育アントレプレナー)
- 田中明子氏(株式会社グリーン・シップ 代表取締役社長)
- 森祐介氏(武蔵野学院大学 講師)
- 片山 稔夫氏(長崎市 企画政策部 官民連携推進室 室長)
- 日向 淳一郎氏(長崎市 企画政策部 官民連携推進室 上席専門官 )
- 中﨑 謙司氏(株式会社リージョナルクリエーション長崎 )
プロジェクトの連携体制
▼連携主体と役割
長崎大学:教育・研究の場・インフラ(教室や Teams等)の提供、学生への指導
株式会社グリーン・シップ:人流データおよび授業コンテンツの提供、講義、事業開発・社会実装の視点提供
株式会社ドコモ・インサイトマーケティング:モバイル空間統計の提供
パブロス株式会社:学習伴走、ファイナル審査
長崎市:地域課題と行政の視点の共有
企業が持つ技術や事業の視点。自治体が持つ地域の課題。大学が持つ教育と研究の力。学生が持つ、既存の常識にとらわれない発想。それぞれを一つの場で組み合わせることで、教室の中だけでは生まれない問いとアイデアを生み出すことを目指しました。
■【プロジェクト(授業)での取り組み】
学生たちがまず取り組んだのは、データ分析ではなく「何のためにこの課題に取り組むのか」という目的の言語化でした。「外国人旅行者を増やす」ことは目標であって目的ではない——旅行者が長崎を巡り、地域の人と出会い、交流や消費が生まれる。その結果、継続的な地域の経済的繁栄が実現し、雇用にも繋がっていく。学生たちは、その先にある長崎の未来を思い描くところから始めました。続いて、自分自身の強みや役割を理解したうえで3人1組のチームを編成。
データを読み解くだけでは、課題は見えてきません。ここで、あるチームが見つけたのがSNSと人流データの"ギャップ"でした。外国人旅行者のInstagram投稿や「いいね」の数は多いのに、実際の来訪者が少ないスポットがある。理由を探ると、電車の乗り換えの分かりにくさや多言語対応の不足が、「行きたくても行けない」ハードルになっていることが見えてきました。
モバイル空間統計で判明した訪日外国人の人流、かきどまり白浜海水浴場の外国人投稿が話題に
大学の講義では知識を学ぶことが多いですが、この授業では実際の地域課題をテーマに、チームで考え、企画し、発表するという実践的な経験ができたことが大きな学びでした。
「人流データでは、観光客が多い場所と少ない場所が一目で分かりました。一方でInstagramを見ると、人流が少ない場所にも魅力的な投稿が数多くありました。そこで気づいたのは、『魅力がないから人が少ない』のではなく、『情報発信や認知度が足りないために人が集まっていない』ということでした。」
私たちが一番こだわったのは、「絶景を見るだけ」「魚料理を食べるだけ」のツアーではなく、その両方を組み合わせることで長崎ならではの魅力を一度に体験できる企画にすることでした。
そこで、有名観光地だけではなく、あまり知られていない地域にも足を運んでもらうことで、地元の漁業や飲食店にも観光客が訪れ、地域全体の活性化につながるよう意識して企画を考えました。——長崎大学 立石菜奈美さん
〔 立石さんの所属する01チームの調査データより引用:外国人に人気のスポット 〕
データから見つけた"問い"を、実行できる企画に変えていくには、チームで目的を共有しながら磨き上げていく力が欠かせません。
最終発表会は2026年7月29日、長崎スタジアムシティNUTICで開催。全19チームがプレゼンテーションを行い、学生自身が互いの提案を評価したうえで、事前審査を通過した5チームが決勝ピッチに登壇しました。
人流データから生まれた5つの「長崎の未来」
決勝ピッチへ進んだのは、学生たちが人流データから地域の課題を発見し、チームで議論を重ねて生み出した5つの企画です。地域住民との交流を軸とした体験型ツアー、AIを活用した観光案内サービス、廃校を活用した文化体験施設、有名観光地以外のスポットを巡るツアーなど、それぞれ独自の視点から長崎市の特色を生かした提案となりました。
優勝した「Next too 長崎ツアー」チームのメンバー
優勝|Next too 長崎ツアー ~一日で味わいつくせない街、長崎~
クルーズ船旅行客を対象に、日中だけでは体験しきれない長崎の魅力に着目。スタンプラリーで市内の観光地を巡り、達成後には「長崎の夜」をテーマとした新たなスタンプラリーを提示することで、「次は夜の長崎を体験したい」という再訪意欲を喚起する仕組みを考案。帰国後も利用できるアプリでポイントやクーポンを提供し、再訪を後押しする企画。
〔 09チーム 発表者:長谷部 智洋 / 田中 悠聖 / 後藤 俊介 〕
「優勝できるとは思っていなかったので、とても驚いています。豪華な審査員の皆さまの前で発表し、直接フィードバックをいただけたことが何より貴重な経験になりました」 ——優勝チーム代表
授業では「目的」と「目標」の違いをテーマに考えるワークショップがありました。
この企画をやって「結局、長崎に何が残るのか」という目的を考えるようになり、そうすると、ただ楽しんでもらうだけではなく、授業で教えていただいた、もう一度長崎を訪れてもらうこと、その結果として地域で消費してもらい、地域経済につなげることまで考える必要があると分かりました。——長崎大学 後藤俊介さん
長崎jimotoツアー ~ローカルな日本&長崎を体験~
日本を何度も訪れているリピーター外国人観光客を対象に、交通の便の悪さや多言語情報の不足によって埋もれている長崎の"穴場スポット"や地元の暮らしに着目。地元で愛される絶景と海の幸を「ここだから来たい」と思わせる新たな観光ブランドとして打ち出し、地元飲食店や漁業への観光消費創出につなげるとともに、地元の人おすすめの穴場を巡る多言語対応バスツアーなどを通じて"長崎の日常"を体験できる企画を考案。長崎を「訪れる場所」から「また帰ってきたい場所」へと変える仕組みを提示する企画。
〔 01チーム 発表者:立石 菜奈美 / 安藤 浄心 / RAVASSE - GOLDBAUM ELISE 〕
長崎一周『裏』ツアー ~君しか知らない長崎の魅力~
外国人観光客を対象に、市内観光だけでは得られない「その地ならではの感動」への強いニーズに着目。市内では手に入りにくいグルメや土産を郊外周遊ツアーで届けるほか、多言語対応マップやポケットWi-Fiの配布で下調べなしでも郊外スポットを楽しめる環境を整備。郊外ツアー2日+市内自由散策1日という組み合わせで、市内・郊外両方の魅力を余すことなく体験できるプランを考案。ツアー内容や情報を継続的にアップデートすることでマンネリを防ぎ、「次も行きたい」という再訪意欲と郊外エリアの活性化・雇用創出につなげる企画。〔 07チーム 発表者:田中 琴里 / 高見 航平 〕
じげもん満喫ツアー ~地元ならではの魅力発見の旅~
外国人観光客を対象に、長崎で強く求められている「ショッピング」「着物体験」「大自然との一体感」といったニーズに着目。スタジアムシティに観光情報ハブ「NAGASAKI Lounge」を設置し、長崎銘菓の試食や工芸品展示に加え、AI多言語コンシェルジュが好み・予算・時間に応じて最適な観光プランをその場で提案・予約できる仕組みを構築。
〔 19チーム 発表者:松尾 妃奈乃 / 石松 咲菜 / 老本 風香 〕
人流データでは、長崎駅周辺など国籍を問わず多くの観光客が集まる場所が分かりました。一方でInstagramを分析すると、観光地だけではなく、景色や路面電車を背景に自分自身が写っている写真が多く投稿されていることが印象的でした。
このことから、外国人旅行者は「観光地を見る」だけではなく、「長崎らしい風景の中で自分らしい体験を残すこと」に価値を感じているのではないかと考えました。
そこで私は、人々の暮らしやカルチャーまで変えていく場所を目指しているスタジアムシティに注目し、AIラウンジを設けることで、単なる観光案内ではなく、新しい人の流れや文化を生み出し、長崎の街全体へ人を送り出す拠点になれるのではないか、同じ観光地でも着物や浴衣を着て巡る体験を取り入れることで、何度訪れても新しい魅力を感じられる観光につながるのではないかと考えました。——長崎大学 老本風香さん
Nagasaki Culture Campus / ~廃校を自由周遊型文化テーマパークに~
訪日外国人を対象に、長崎の観光地が点在し効率よく周遊しにくいという課題と、少子化による廃校問題に着目。地域に眠る廃校舎を活用し、教室ごとに茶道・書道・着物・ステンドグラスなど異なる文化体験や飲食、展示を配置した「文化祭形式」の自由周遊型テーマパークを整備。多言語パンフレットやシャトルバス、デジタルスタンプなどの周遊サービスに加え、季節ごとのイベントや人気アニメとのコラボを定期開催することで「来るたびに新しい体験ができる」仕組みをつくり、宿泊・飲食・お土産購入などを通じた地域消費増加と雇用創出につなげる企画。 〔 05チーム 発表者:香田 啓汰 / 椛島 渚音 / 桑原 あかり 〕
この企画は、授業で教えていただいた「三方良し」の考え方を意識したことから生まれました。最初は、外国人観光客を多く呼び込み、長崎の経済を活性化させることを考えていました。
しかし、それだけでは本当の意味で良い企画とは言えず、地域住民にとっても価値のある企画であることが大切だと考えるようになりました。そこで、長崎が今どのような課題を抱えているのかを調べたところ、少子化による廃校の増加という課題を知りました。
この課題を観光と結び付けられないかと考えた結果、廃校を活用した文化体験施設というアイデアが生まれました。「廃校を活用すること」が目的ではなく、「地域住民と観光客の双方に価値を生み出し、地域の活性化につなげること」を目的として企画を考えられたことが、一番大きな学びだったかなと思います。
——長崎大学 香田啓汰さん
※本記事に掲載する学生の氏名・所属・コメント・写真は、本人および長崎大学の同意を得たうえで掲載しています。
[写真:最終発表、審査、決勝進出チームの様子(会場:長崎スタジアムシティNUTIC)、選抜チームへのインタビューの様子(長崎スタジアムシティ NORTH 株式会社グリーン・シップオフィス)
]
審査員からは、データに基づいた課題分析や長崎ならではの地域資源への着目を評価する声とともに、「ターゲットをより明確にすること」「事業として継続する運営方法や収益性まで検討すること」といった、実社会の視点に立った助言も送られました。
※企画の詳細や実施方法については、学生の知的成果を尊重し、発案者の確認を得たうえで公開範囲を決定します。
成果は、5つの企画だけではない
今回のプロジェクトで、長崎大学とグリーン・シップが重視したのは、決勝へ進んだ企画や発表の順位だけではありません。学生たちが、データを通して地域の課題を自分事として捉え、誰かが用意した正解ではなく、自分の言葉で長崎の未来を語ったこと。そして、データを読み解く力だけでなく、チームで目的を共有しながら実行に移す力を身につけたこと。その変化の過程自体が、本プロジェクトの重要な成果です。「好きな人同士ではなく、自らの特性を理解したうえで役割を決め、3人1組のチームを組みました。失敗してもいい段階で、こうした経験を積めたことは非常に良かったのではないかと思います」 ——長崎大学 情報データ科学部 一藤裕准教授
総評では、株式会社リージョナルクリエーション長崎の岩下英樹氏が「自分たちが良いと思うものではなく、相手が本当に求めているものを徹底的に想像することが重要」と学生にエールを送りました。
総評を行う岩下英樹氏(株式会社リージョナルクリエーション長崎)
また、パブロス株式会社の神田昌典氏は「皆さんの長崎愛の強さに驚きました。既成概念にとらわれず、学生の皆さんだからこそ生み出せる新しい発想で、未来の長崎をつくってほしい」と期待を寄せています。
総評を行う田中明子氏(株式会社グリーン・シップ )
「『長崎のために投資をし、長崎の人を幸せにして世界中から笑顔を呼びたい』という株式会社ジャパネットホールディングス代表取締役社長の熱い思いに、同じ経営者として強く共感し長崎にオフィスを新設しました。長崎には高いポテンシャルがある一方で、雇用などの課題もあります。だからこそ私たちは、この長崎で、豊かな生活が実現できるという『Hのモデル事業』をつくり、人口減少が進む日本全国へ広げていきたいと思っています。
皆さんの提案は、まさにその地方創生に近づく素晴らしい第一歩でした。ぜひ私どもと共に、長崎市とジャパネットと一緒に、このモデルを実装させましょう。」
——株式会社グリーン・シップ 代表取締役社長 田中明子氏
■プロジェクト連携体制について
長崎大学
近年、あらゆる業界・業種において、データに基づく意思決定や、製品・サービスのAI化などに注目が集まっています。長崎大学は、真に実社会に具体的な価値をもたらす人財を生み出すためには、「ICT技術を駆使してアイデアをカタチにする情報科学(IS)」と「データから新たなアイデアを生み出すデータ科学(DS)」をかけあわせた教育研究である「情報データ科学」が必要と考え、2020年に情報データ科学部を開設しました。
この実践的なコンセプトをもった学部は国内でも希であり、基礎・専門科目の講義だけでなく、企業や自治体と連携した実践的な教育研究プログラムも積極的に取り入れています。民間の企業や研究機関出身の教員も多く、様々なバックグラウンドをもつ教員陣が大学生活を手厚くサポートしています。
長崎大学情報データ科学部 https://www.idsci.nagasaki-u.ac.jp/
株式会社グリーン・シップ
株式会社グリーン・シップは、2008年に設立された、東京都に本社を置く企業です。電話・通信を活用した業務自動化や調査サービスを展開しており、「人が架電し受電する」業務を自動化する独自の「ロボットコールセンター」を運営。国内最大規模の回線基盤を活かし、1日最大1,000万件の架電・受電の自動化が可能です。音声による一斉発信・自動受付に加え、SMS配信やアンケートによる情報収集など、電話を起点とした多様なコミュニケーションを提供する、まちづくり全般に関わる地域のインフラ的な存在です。同社の強みは、大規模な電話インフラを「情報を伝える」だけでなく、「市民の声を拾う」ためにも活用できる点にあります。多数の市民への情報発信とアンケート調査によるニーズの可視化を組み合わせることで、行政や企業が抱える情報伝達の課題を把握し、解決までを一貫して支援できることが特徴です。
プロダクト1|人流データ×AIによる地域・商圏分析
携帯電話ネットワークを基盤とした人流データにより、「誰が」「どこから」「どこへ」動いているかを可視化し、観光施策や店舗の出店計画など、自治体・企業のさまざまな意思決定を支援しています。専門知識やGISのような特別なスキルがなくても、日本人はもちろん訪日外国人の人流データまで直感的に可視化され、誰でも気づきを得られる手軽さに加え、データを"読む"段階から、新しい人の流れを"つくる"企画・実証の段階までを、決まった手順で誰でも実行できるプロセスとして標準化・提供していることが強みです。データは読み解くだけでは価値を生みません。今回、学生たちがチームで目的を共有しながら企画を磨き上げたように、データを起点に組織として次の一手を実行できるかどうかが問われています。グリーン・シップは、その一連のプロセスを型として提供しています。
株式会社グリーン・シップ 人流データ活用
https://www.green-ship.co.jp/solution/robot_mpo/
プロダクト2|防災・見守り:防災情報を「発信する」から「確実に届ける」へ
グリーン・シップは、電話を活用した市民アンケートや意識調査を通じて、地域住民の声を可視化する調査・情報インフラも提供しています。
2026年6月27日、長崎市民を対象に独自に実施した防災無線アンケート(回答1,009件)では、「内容を聞き取れる」と回答した人はわずか22.8%にとどまり、66.7%が「聞こえるが内容はわからない」、10.5%が「音も聞こえない」と回答しました。希望する情報の受け取り方では、「固定電話や携帯電話への直接の音声案内」が40.1%で最多、次いで「携帯電話へのショートメール」が33.0%という結果になりました。
既存の防災無線を置き換えるのではなく、電話回線を活用して情報伝達を補完する。固定電話を含む電話への一斉音声発信や、住民自身が必要な情報を電話で確認できる仕組みを組み合わせることで、「発信した」で終わらせず「必要な人に届く」防災情報をめざしています。こうした取り組みは、今後、長崎市との連携の中でも検討していく予定です。
防災・見守りサービスに関するお問い合わせはコチラ
https://www.green-ship.co.jp/contact/
※本調査は、株式会社グリーン・シップが独自に任意で実施したものであり、長崎市からの依頼に基づく調査ではなく、長崎市の意向・見解を示すものではありません。
同様の取り組みを自地域・自社でも検討したい自治体・企業の方は、上記よりお問い合わせください。
パブロス株式会社(学習伴走・審査協力)
教育共創プラットフォーム「PABLOS」を運営する教育テクノロジー企業。本プロジェクトでは約2か月間の学習伴走とファイナル審査を担当しました。決勝ピッチ選出学生は、2026年9月に東京で開催される全国大会「QuesTube Summit 2026」へ出場し、提案内容をさらにブラッシュアップして全国大会での活躍をめざします。パブロス株式会社 公式サイト
https://pablos.co.jp/
長崎市
学生の提案と実際の地域課題との接点について意見を交わし、行政の視点から今回のプロジェクトを支えました。長崎市は本プロジェクトの実施主体ではなく、地域課題の共有と最終発表への参画という形で協力しています。■今後の展開
学生が考えた企画は、発表会で評価されて終わるものではありません。自治体や地域企業、大学、専門家と対話しながら実証実験を重ね、結果を地域で継続できる形へ育てていく。長崎大学とグリーン・シップが目指しているのは、「学ぶ、考える、提案する、実証する、地域へ還元する」という循環です。今回のプロジェクトは観光分野における実証の第一歩であり、長崎市が抱える人口減少や高齢化、防災といった他の地域課題への応用可能性についても、今後の連携の中で検討していく予定です。
2026年6月~7月: 産学官連携による探究学習の実施(人流データ活用・企画立案・最終発表) 2026年9月: 決勝ピッチ選出学生が、パブロス株式会社主催「QuesTube Summit 2026」(東京都内で開催)へ出場し、全国の企業・自治体・大学・教育関係者へ長崎発の提案を発表
同じような地域課題を抱える自治体・企業の方、学生とともに地域の未来を考える人流データを活用した教育プログラムに関心のある大学関係者の方は、ぜひ株式会社グリーン・シップまでお問い合わせください。
■お問い合わせ
国立大学法人 長崎大学 情報データ科学部 准教授 一藤 裕 TEL:095-819-2096株式会社グリーン・シップ 広報 03-6869-7040 HP:https://www.green-ship.co.jp/