武豊騎手との初コンビとなった安田記念をシックスペンスで勝利し、厩舎初の芝G1制覇となった田中博康調教師。5000勝を達成した武豊騎手は騎手時代から親交があり、そのすごさや、安田記念制覇までのエピソード、ともに挑む仏G1ジャックルマロワ賞への意気込みなどをおおいに語ってもらった。

 ―フランスへ行くきっかけは武豊騎手?

 「どこかの国で勉強したいと相談した時に『フランスがいいと思うよ』と進言していただいたのが豊さんで、つないでもらったのがきっかけ。騎手時代から海外を見ていましたし、調教師としてもその経験が海外に挑戦するきっかけにもなっています」

 ―安田記念は武豊騎手とG1制覇。

 「2011年のフランス遠征をきっかけに、プライベートでも面倒を見ていただいたので、大きいですよね。厩舎を開業した頃に『いつか一緒に大きいところを勝てたらいいな』と話してくれましたから。口では言えますけど、関東と関西ですし、そういう機会って、ありそうで作れないケースが多いですよね。簡単ではないなと思っていましたけど、今回は相手陣営に不幸なことがあって(武豊騎手が当初騎乗予定だったアドマイヤズームは爪の不安で回避)、手放しで喜べるものではないですけど、豊さんとオーナーに快諾していただいて、こういうチャンスにつながって。しかも、勝てたというのは、なかなかないことですし、それが豊さんのすごさ。もちろん、ウチの厩舎のスタッフと牧場も含めて一生懸命に取り組んでくれて状態も上がってきたなかで、最後にバトンタッチした豊さんの腕で勝たせてもらったという感覚がやっぱりある。全てのタイミングがかみ合っての勝利だったと思います」

 ―武豊騎手と勝てたことについて。

 「縁を考えると、とにかく感慨深いというか、感動のレースでしたね。これを超える感動というか、印象深いレースは、なかなかないのではないかなと。騎乗も決まっていたわけではなかったですし、何もアクションを起こさなければ、乗っていただくことはなかったと思う。

そこでオファーを出せたというタイミングとか巡り合わせ。本当に様々なことが重なりましたよね」

 ―8月に同じコンビでジャックルマロワ賞に挑む。

 「豊さんと挑めるのは大きいです。しかもそれがフランスのドーヴィルですから。たぶん、初めて豊さんとプライベートで食事したのもドーヴィル。だからこそ、そこで一緒に仕事をするというところが、ドラマだなと思いますし、感慨深いものがあります。15年越しになりますからね」

武豊騎手「楽しみな夏になりそう」

 ジャックルマロワ賞(8月16日、ドーヴィル競馬場)でシックスペンスに騎乗する武豊騎手は、海外のG1参戦について「楽しみな夏になりそう」と心待ちにする。鞍上にとっても田中博師の管理馬でG1を勝てたことは感慨深く、「G1を一緒に取れて思うことはある」と控えめな言葉で喜ぶ。「当時はお金があまりなかったから、その時にメチャクチャ食べていたけど、まさか先生と呼ばれるようになるとはね(笑)」と武豊騎手。2人が初めて会食をしたドーヴィルでの光景をなつかしそうに振り返っていた。

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