武豊騎手(57)=栗東・フリー=は12日、1番人気のヒミノエトワールに騎乗した函館7R(ダート1700メートル)で1着になり、国内外通算5000勝を達成した。1987年3月のデビューから積み重ねた白星はJRA歴代最多の4669勝に、地方212勝、海外119勝で、JRA生え抜きとして初の大台に到達。

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 競馬界の至宝・武豊が新たなステージに到達した。地方・海外含めて5000勝。歴史的な瞬間を見ようと雨のなか、ファンが詰めかけた函館競馬場は、7Rのヒミノエトワールが先頭でゴールを駆け抜けた瞬間、この日一番の大きな拍手が巻き起こった。「今週も残りが少なくなっていましたし、早く達成したかったのでホッとしました」と周囲の期待を感じながら過ごした日々のピリオドに安心した表情を浮かべた。

 名手をしても勝負の厳しさや1勝の重みを感じたに違いない。11日の函館10Rをアスクケンタッキーで勝ち、87年3月7日の初勝利(阪神3Rダイナビショップ)からの勝利数は4999勝。12日は1Rが鼻差、5Rは首差の2着と、ことごとくライバルたちがメモリアルVを阻止した。「2着ばっかりでしたし、(周りが)阻止してきますよね」と苦笑い。レース後にはその騎手仲間に囲まれ、花束を手に記念撮影に納まった。「(アットホームで)函館っぽいですね。おやじのふるさとでもあるので、良かったです」。騎手時代に“ターフの魔術師”として通算1163勝、調教師として89年安田記念、90年スプリンターズSをバンブーメモリーで制すなどした父・邦彦氏(16年死去)の地元での記録達成。

レース真っただ中の緊張感が漂う場内も、この時ばかりは温かい空気に包まれた。

 57歳のレジェンドは安田記念をシックスペンスで制し、最年長G1ジョッキーになると、翌週には宝塚記念をメイショウタバルで制覇。20代から積極的に海外に足を向け、国外での勝利数は119勝をマークする。「地方、海外も含めていろんなところで積み重ねてきた数字なので感慨深い。特に海外でこんなに勝っていたのかと思うとうれしいですね」と、1頭の馬に乗るために道も分からない異国の地で車を走らせた経験を振り返りながら、一つ一つの勝利をかみ締める。

 記録達成後は9Rテルヒコウ、11Rレディーヴァリューに騎乗して連続2着。「まだまだ(数字は)伸ばしていきたい」と函館最終週(18、19日)に5001勝目を目指していく。来月には世界選抜として出場する英国のシャーガーC(8月8日・アスコット競馬場)、シックスペンスとともにジャックルマロワ賞・仏G1(同16日・ドーヴィル競馬場)に参戦予定。“ユタカ・タケ”には、海外の戦いも待ち受けている。生ける伝説は衰えぬ情熱と、その圧倒的な存在感で、これからも競馬界をリードしていく。(浅子 祐貴)

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